お問い合わせ

NTTファシリティーズ

メールのアイコン

ビジネスコラム

ICT社会を陰から支える「データセンター」

2017年10月25日

Tweet
Facebook

 「データセンター」は、ICTサービスが普及している現代社会を陰で支える存在です。というのも、携帯電話やスマホで利用するメールやアプリのデータも、パソコンからアクセスするインターネット上のコンテンツデータも、業務用のICTシステムも、サーバーで管理されています。データセンターには、サーバーを安全かつ安定して管理するための専用設備が整っており、我々の暮らしを支えるインフラの1つとなっているのです。

 本記事では三回にわたり、データセンターの最新動向を解説。今回は、データセンターがなぜ求められるようになったのか、その背景や有用性を紹介します。

データセンターとサーバールームとの違いは「安全」「安定」にあり

 データセンターとは、電力の供給や適切な空調環境と、インターネット回線を提供しながら、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器などのICT機器を収容するための施設のことをいいます。

 データセンターは、インターネットが高速化されるとともに普及が拡大しました。

 以前は、サーバーの管理といえば、オフィスの中にサーバールームという専用の部屋を設け、そこで行うのが一般的でした。

 企業が所有するサーバーには、業務に関わるICTシステムや重要なデータなどが保管されるため、万が一にも故障してしまうと事業継続に大きな影響を及ぼします。そのため、サーバーの保管には、様々なリスクに対する厳重な備えが求められます。サーバーが故障しないよう、最適な室温を維持するための空調設備も必要ですし、ICT機器をメンテナンスするための人員も手間もかかせません。

 こうした課題に対応するには、オフィスの一角にあるサーバールームでは限界があり、安全かつ安定した運用が行える専用の設備が必要になります。インターネットが高速化されると通信の制約がなくなり、オフィスの外にもサーバーを設置することが可能になり、データセンターの普及が進みました。

 データセンターは、免震性や耐震性を備えた堅牢な建物になっています。火災対策として、ICT機器に影響が出ないように水を使用しない消火設備を備えているのも特徴です。さらに、専用の空調設備や専門知識を持った人員を備え、365日24時間安定的に稼動させる体制も整っています。

 データセンターには、こうした安心安全な環境のもとで、大量のサーバーを集約的に管理することで、リスクの低減や運用コストを削減できるというメリットがあるのです。

 その利用には、自社で構築するという方法もありますが、非常に数多くのサーバーを必要とする企業でなければ、コストメリットを得ることはできません。そのため、通常の企業では、データセンターの運営事業者にサーバーの保守や運用を委託するという方法がとられています。

データセンター利用メリットの中心は「リスク低減」

 データセンターには様々な利用方法があります。

 1つは、サーバーをデータセンターに預けて充実した設備を利用し、運用は自社で行う自由度の高い方法。もう1つは、サーバーも含めてデータセンターの設備を使い、自社の運用の手間を省く方法。さらに、BCP対策としてデータの保管・バックアップだけを行う使い方もあります。

 こうした利用方法の中から、自社のニーズにあわせて選択できます。いずれの利用方法も、そのメリットの中心には「リスク低減」があります。

 「リスク低減」については、まず情報セキュリティ対策をデータセンターにアウトソースできるというメリットがあります。

 近年、高度化するサイバー攻撃や人為的なミスによる個人情報漏洩といった脅威に、企業は頭を悩ませています。データセンターでは、情報セキュリティの専門業者が外部ネットワークからの不正侵入対策などを実施。さらに、厳密な入退室管理や館内監視によって、技術的にも物理的にも厳重な情報セキュリティ対策がとられています。

 企業を取り巻くリスクは、情報セキュリティだけではありません。日本列島では大地震に対するリスクや、異常気象などの災害リスクも増しています。こうした災害に備えるべく、データセンターの建物は、停電時などにも安定して給電を行う対策が取られています。

24時間365日、安定稼働の裏で抱える「課題」

 現在のビジネスシーンでは、ICTシステムの24時間365日、安定稼働が求められています。厳重な安全対策がとられたデータセンターを利用することで、それが可能になります。さらに、そうした設備を構築から運用までを自社ですべてまかなおうとすると、莫大な投資が必要になりますが、そのコストを大幅に削減することもできます。

 データセンターは、このような利用メリットを背景に普及が進んでいます。しかし、近年その内部では新たな課題が生まれています。果たしてデータセンターで、今何が起こっているのでしょうか。次回は、データセンターが直面する問題について解説します。

関連する記事

関連する商品・サービス

最新のコラムや導入事例を
メールマガジンで配信いたします。
えふ・マガの購読はこちら

お問い合わせ・資料請求

PAGE TOP