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デジタルトランスフォーメーションがデータセンターを変える

2017年11月8日

 「データセンター」は、企業活動においてなくてはならない存在です。しかし、そこには、前回説明した高発熱や高密度化など、データセンターが抱えている課題があります。

 しかも、購買行動の変化などを背景に、近年の企業活動における「デジタルトランスフォーメーション」 が進展しつつある中で、その課題がより深刻化しようとしています。データセンターがキャパシティの限界という課題を乗り越え、デジタルトランスフォーメーションを実現していくためにはどうすればいいのか、その課題解決の方法を探っていきます。

企業を変革する「デジタルトランスフォーメーション」とは

 近年、ビジネスの世界では「デジタルトランスフォーメーション」という言葉が使われるようになっています。これは簡単に言うと、デジタル化によってビジネスを変革し、新しいビジネスモデルやサービスを生み出そうというものです。

 デジタルトランスフォーメーションを後押ししたのは、人びとの購買行動の変化です。インターネットやパソコン、スマートフォンなどの普及により、人びとの購買行動はデジタル化の一途をたどっています。例えば、ECサイトや自社ブログ、自社SNSなどから商品を購入したりサービスを利用することが当たり前となったことを思い浮かべてみてください。

 さらに、人びとの購買行動がデジタル化したことにより、企業が成長するための施策も変化しています。これまで、広報や宣伝といった「購入するまでの施策」だけを考えれば、商品やサービスは売れていきました。しかし、SNSなどでの口コミが影響力を持つようになった今では、購入したユーザーとのコミュニケーションを考慮した「購入した後の施策」まで考えなければ、商品やサービスは売れなくなっています。

 デジタルトランスフォーメーションとは、このようにデジタル化によって変わっていく環境に対応するために、ビジネスを発展させていくことなのです。

データセンターが社会インフラと呼ばれる理由

 「AI」「IoT」「ビッグデータ」も、デジタルトランスフォーメーションを推し進める原動力になっています。

 すでに事業で活用され始めているAI(Artificial Intelligence:人工知能)、あらゆるモノがインターネットにつながっていくIoT(Internet of Things)、日々蓄積される膨大なデータの塊から事業に役立つ知見を導き出すビッグデータ。

 これらは、企業のビジネスプロセスやビジネスモデル、製品やサービスに大きな変化をもたらすと考えられており、その多くはクラウドサービスとして企業に提供されています。

 そんなクラウドサービスを支えているのが、データセンターです。クラウドサービスは、データやシステムを保管する場所が不可欠であり、データセンターがその役目を果たします。クラウドサービスが、AI、IoT、ビッグデータはもちろん、あらゆるシステムで使われるようになった今、それを支えるデータセンターは、「社会インフラ」と呼べる存在になっています。

 しかし、データセンターがインフラ化し活用が進むと、データの流通量が飛躍的に急増し、サーバーの処理能力を上げるため、CPUやメモリなどのスペックを高性能なものにする「スケールアップ」や、サーバー台数を増やす「スケールアウト」を行う必要があります。

 スケールアップは、性能の向上による消費電力増加で高発熱の問題が生じます。また、スケールアウトにもサーバーの高密度配置による高発熱の問題がともないますし、設置スペースをいかに確保するかを考えなくてはいけません。そうした課題に加え、データセンターが万が一の時にも安定した運用ができるような建物や設備をいかに構築するかということも問われるようになっています。

冷却と給電の見直しがデータセンターを進化させる

 今後、デジタルトランスフォーメーションが進展していくためには、データセンターの進化が欠かせません。

 そのためには、サーバーの性能向上によって生じる高発熱を防ぐ必要があります。例えば、局所的な温度上昇に対応するために、サーバー周囲に空調を並べるのではなく、効率的にサーバーを冷却できる局所空調システムの導入が有効です。

 このシステムは、AIやIoTを活用し、器自体の温度やその他のビッグデータ(CPU使用率、電力使用量など)を取得し分析することで、高発熱を抑えるだけでなくデータセンターのエネルギー使用を効率化していく、といった実証実験も始まっています。

 ほかにも、空調を使わずに冷媒を使って直接サーバーを冷却する手法も登場しています。このような新たな冷却手段の確保が求められます。

 データセンターの電源からは交流の電気が供給されていますが、サーバーを含めたICT機器は直流しか扱うことができないため、変換が必要です。電気の変換には多くのロスがともないます。サーバーに直流で給電するしくみを活用すれば、電力ロスを減らすことでき、データセンターの高密度化を防ぐことができます。また省エネにも貢献します。

 さらに、社会インフラともなっているデータセンターには、設備の信頼性も重要です。自然災害に備えるために、耐震技術を用いた建物や設備。またヒューマンエラーを起こしにくいシステムや仕組みづくりも求められています。

 このように、データセンターが進化していくことで、ビジネスの世界におけるデジタルトランスフォーメーションもより進展していくはずです。そして、デジタルトランスフォーメーションが進展することにより、企業だけでなく、人びとの生活が大きく変革していくでしょう。

デジタルトランスフォーメーションで暮らしも変わる

 デジタルトランスフォーメーションの身近な例を紹介すると、今年10月に開催されたプロ野球・日本シリーズで、テレビ局がAIを使った投球予測をリアルタイムで配信し、話題になりました。同じスポーツでもラグビーでは、画像や音声からプレーの内容をAIで分析する研究が行われており、この技術は業務改善への活用などビジネスへの応用が検討されています。

 AIやIoTは、生活の中でも期待されています。センサーで生活情報を取得して、快適な環境と省エネを実現することも可能になり、その進化が進めば、次世代のエネルギー社会「スマートコミュニティ」の誕生も現実味を帯びてきます。

 このように、デジタルトランスフォーメーションは、ビジネスを変革し、そして私たちの暮らしを快適に、安全なものへと変えていく力があるのです。その進展を支えているのが、進化するデータセンターなのです。

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