1. ホーム >
  2. ビジネスコラム >
  3. ゴルフで磨くビジネスパーソンのリスクマネジメント
ビジネスコラム

ゴルフで磨くビジネスパーソンのリスクマネジメント

2017年11月15日

 リスクマネジメントは、ビジネスで合理的な意思決定をするために、重要な判断材料を提供してくれる存在です。そんなリスクマネジメントが欠かせないスポーツがあります。それが、ゴルフです。

 ゴルフは、ミスと隣り合わせのスポーツ。プロゴルファーでさえ、常に自分の考えたとおりのプレーができるわけではありません。そのため、ゴルフコースでは、ミスが起きることを前提にしたリスクマネジメントが求められます。その中で必要となるリスクの見積もり方や許容の仕方などは、ビジネスにも通じるものがあります。今回は、そんなゴルフにおけるリスクマネジメントを紹介します。

誤った意思決定をしていませんか?

 ビジネスでは、リスクマネジメントの重要性は分かっていながらも、それが機能せずに重大な損失を招くことがあります。ゴルフにおいても、リスクマネジメントの不在はスコアに悪影響を及ぼします。

 ゴルフコース上で、自分がショットをする前のことを考えてみてください。ボールを飛ばそうとしている場所、手にしたクラブ、頭に描いた球筋といった選択は、リスクを考慮したものになっているでしょうか。もし、力いっぱいのショットで遠くに飛ばそう、華麗なショットでピンそばを狙う、このようなナイスショットをするイメージしか頭にない場合は注意してください。

 ビジネスでは、過信や根拠を欠いた楽観的な観測は誤った意思決定を生み、経営や事業に危機を及ぼす可能性があります。この点は、ゴルフも同じです。ゴルファーは、OBやバンカー、池など、打数のロスが大きくなりそうな最悪の場所を想定し、それらを避けるにはどうすればいいのかを第一に考える必要があります。

 大叩きをしてしまうと、メンタルにも悪影響が出てスコアが崩れてしまう可能性があります。そうした事態を避けるためにも、飛ばしたい、寄せたいというゴルファーの願望をおさえ、危険なエリアにボールを飛ばさないようにすることが、安定したスコアにつながります。

 ゴルフもビジネスも、リスクマネジメントにもとづいた意思決定が、損失の低減につながるのです。

「リスクの許容範囲」は「自信の範囲」

 ビジネスでは、すべてのリスクを排除することはできません。そこで、どこまでのリスクであれば許容すべきか、範囲を決めることが重要になってきます。そのためには、リスクが発生する確率、それが与える影響について考える必要があります。

 リスクが発生する確率について、ビジネスでは大・中・小といったように定性的に評価していきます。ゴルフの場合も、まずは自分の実力や飛距離から、嫌な場所にボールが飛んでいく確率を大・中・小と大雑把に考えればいいでしょう。日ごろから自分がどれぐらいの頻度でミスショットをするのかを意識し、可能であればデータをとって実力を可視化しておくことで、その精度を高めることもできます。

 飛距離については、コース上は不安定な場合が多いので、安定したフォームで打てる練習場の平均値よりも低く見積もっておいた方が無難です。それに加えて距離感も重要になります。コースにバンカーや池、傾斜、木の陰などの変化あると距離感を間違いやすいので、自信がない時には歩測をすることをおすすめします。

 リスクの影響度は、ビジネスの場合、リスクが発生した際の損失額や、人命や企業イメージへの影響などから検討しますが、ゴルフではゴルファーの得意、不得意から考えます。たとえば、バンカーが得意な人はその存在を気にする必要はありませんが、不得意な人は2打、3打とスコアを崩してしまう可能性があるので、その影響は大きいと見積もるべきです。

 このようにリスクの発生確率と影響度から、次のショットを考える必要があります。そのときに注意したいのが、自信のあること以外はやらないということ。ゴルフコースに出ると、どうしても過去の成功体験にとらわれたり、実力以上のことを試したくなったりして、リスクの許容範囲を広げがちです。経営にどんぶり勘定が許されないように、ゴルフでも実力の伴わないことをしてもスコアが崩れる可能性が高くなるだけです。

 練習と割り切っていれば別ですが、コンペなど数字が求められるラウンドの場合は、無理なショットは試さない方がいいでしょう。

リスクを想定することがメンタルを強くする

 ビジネスで合理的な意思決定をするには、安定したメンタルも必要になります。しかし、メンタルのコントロールはやさしいことではありません。ゴルフコースには一喜一憂がつきものですが、リスクマネジメントをすることで、そんなメンタルにも良い影響が期待できます。

 ゴルフコースに立つと、ショットをする前に、どうしても緊張して体が硬くなり、練習どおりにできないという方も多いと思います。あらかじめリスクをどうするか決めていれば、その不安も軽減できるのではないでしょうか。

 それでも、ドキドキして平常心が保てないというのは、実力に見合わないリスキーな選択をしているのが原因かもしれません。そんなときは、自信のある行動にはそれほど緊張しないはずですので、より安全な狙いに切り替えることも選択肢に入れてください。

 ゴルフコース上で、ミスをしてイライラしたり、自信がなくなったりするという経験を誰でもしたことがあるでしょう。リスクを分析的に捉えることで、ミスをしてもなぜ発生したのか、どのように影響したのかと、ミスを次につなげる手かがりとしてポジティブに考えることもできるはずです。こうした考え方は、ぜひビジネスにも役立ててください。

 このように、リスクマネジメントをゴルフに取り入れることは、非常に多くの利点があります。ゴルフは、対戦相手やチームメイトに結果が影響されない個人スポーツです。そのため、自身のリスクマネジメントの質が、そのままスコアへと反映されます。ゴルファーは、それを観察し、改善することでリスクマネジメントを磨き上げることが可能です。

 ゴルフのリスクマネジメントで得た状況判断の仕方などは、多少の違いはありますがビジネスの面でも得ることが多いはずです。ゴルフのスコアアップのため、ビジネスのスキルアップのためにリスクマネジメントをはじめてみませんか。

ビジネスコラム一覧へ

このページの先頭へ