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コミュニケーション活性化のヒントはオフィス環境にある

2018年2月28日

 社内コミュニケーション、それは企業にとって永遠の課題とも呼べる存在です。なぜなら、コミュニケーションとオフィス環境は表裏一体の存在にあるからです。企業は、コミュニケーションとオフィス環境の歩調をどのようにあわせていけばいいのでしょうか。

 前回はオフィスの歴史を振り返りましたが、今回はそこでのコミュニケーションを活性化する方法について考えてみましょう。

コミュニケーションはフォーマルとインフォーマルで考える

 オフィスでのコミュニケーションは、「フォーマルコミュニケーション」と「インフォーマルコミュニケーション」に分けて考えることができます。

 フォーマルコミュニケーションは、計画に基づいて行われるコミュニケーションのことです。具体的には、会議や業務報告がそれにあたります。当然ながら、業務上の報告や打ち合わせは事業を運営していく上で非常に重要なもの。しかし、「無駄な会議」といった言葉が昔から書店やメディアに並ぶことからも分かるように、フォーマルコミュニケーションを効率的に行うことは容易ではありません。

 それに対してインフォーマルコミュニケーションは、偶発的に起こるコミュニケーションです。こちらは、通路で出会ったワーカー同士の何気ないやり取り、食堂での雑談などの目的を持たない自由な会話です。

 インフォーマルコミュニケーションは、社内を活気づける、組織に一体感をもたらすといった理由から、以前より企業で様々な取り組みが行われてきました。近年は、そうしたコミュニケーションを通し、知識やノウハウの共有が進んだり、自由な発想が生まれることによって、イノベーションにつながるのではないかと期待されています。しかし、こちらも単純に業務命令を出せばコミュニケーションが増やせるといった性質のものではないため、多くの企業が頭を悩ませています。

行動モニタリングで可視化されるコミュニケーションの質

 コミュニケーションの問題、それは形を持たないため実態の把握が難しいというところにありました。しかし、近年、行動モニタリングという技術の登場によって、コミュニケーションはデータ化できるものとなり、効率的な改善が可能になろうとしています。

 行動モニタリングは、ビーコンなどの端末から、ワーカーが何時にオフィスのどの場所にいたか、誰と会話していたのか、会話の量はどれくらいだったのかを取得し、コミュニケーションの関係を視覚化する技術です。

 この技術を使うことで、上司と部下、ワーカー同士、部門間といった関係性の中での会話や、コミュニケーションの鍵となるオフィス環境などが明らかになるほか、会議全体の雰囲気を推定するという研究もあります。

 行動モニタリングによってコミュニケーションの種類や質が可視化されれば、オフィスづくりの指針が得られたも同然と言えるでしょう。

コミュニケーションを演出する“オフィスづくり”とは

 コミュニケーションの種類や質に応じて、どのようなオフィス環境が必要になるのでしょうか。

 例えばフォーマルコミュニケーションの場合、高度な議題を扱う緊張感のある、高い集中力を要する会議の場合、騒がしい執務空間と離れた会議室で実施することが妥当でしょう。一方、アイデアや意見を出し合う会議であれば、視線が直接交わらずストレスの少ない丸型の机や、リラックスできる植物や刺激的なアートワークを配置して、活発な発言を促せる場が必要になります。

 インフォーマルコミュニケーションの場合は、オフィス内の動線を上手に利用することで、活性化につなげることが可能です。人々が多く行き交う動線が分かっていれば、そこにコピースペースやカフェスペースといった人が自然と集まるような場所「マグネットスペース」を設置することで、出会いや交流を生み出すことができます。コピースペースには作業台、カフェスペースにはカウンターといったアイテムを追加することで、コミュニケーションの機会がさらに増えることでしょう。

 動線自体を工夫する必要もあります。通路に様々な部門がクロスするような場所を設け、多くの人が日常的に顔を合わせるように演出することもそうです。通路の脇に、椅子や机を用意し、ちょっとしたコミュニケーションがとれるスペースを確保することも有効になります。他には、通路に誰でも自由に書き込みできるホワイトボードを設置したりして、偶発的なコミュニケーションを誘発しようという事例もあります。

一度構築してからはじまる“本当”のオフィスづくり

 様々な工夫をこらしたオフィス環境を一度構築して終わり、ではコミュニケーションの活性は長続きしません。

 ビジネス環境の変化が早い昨今では、それに対応するために企業では事業再編や組織再編も盛んに進められています。事業や組織のあり方が変われば、組織に求められるコミュニケーションの内容も当然変わってきます。

 企業の課題も、従来の情報処理の迅速化から、イノベーションをともなう知識創造へと変化。これに合わせて、コミュニケーションの仕方も、部門内の閉じたものから、部門外、社外とのコラボレーションへと広がりをみせています。

 こうした動向にも目配せをしながら、自社のオフィス環境が業務上で必要となるコミュニケーションの形態にマッチしているのか、PDCAを回しながら確認し、ブラッシュアップを図っていくことが欠かせないのです。

 今回見てきたように、オフィスのコミュニケーションは、その形態に応じたオフィス環境を用意することで活性化を後押しすることができます。まずは自社の中で行われているコミュケーションを観察するとともに、どのようなコミュケーションを増やして生きたいのかリストアップすることです。そこに、行動モニタリングなどの技術を投入できれば、さらに効果的なPDCAが可能となり、オフィスはイノベーションの羽ばたく場所へと進化していくことでしょう。

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