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打上花火がさらに楽しくなる「玉名」の秘密とは

2018年6月27日

 夏の楽しみといえば、夜空を彩る打上花火。いざ、花火大会に出かけてプログラムを見たとき、「昇分砲付八重芯錦菊先紅点滅」「昇銀竜付雌雄芯錦先黄紅」などズラリと並ぶ漢字を見て驚いた経験はありませんか。

 これは「玉名」(ぎょくめい)と呼ばれる伝統的な花火の名前です。一瞬見ただけでは意味がわかりませんが、玉名には「こんな花火を打ち上げたい」という花火師の想いが込められており、言葉の意味がわかると花火大会の楽しみ方もさらにひろがります。

玉名に隠された打ち上げ花火の秘密

 漢字の羅列に驚かされる玉名ですが、実はとても合理的にできています。打ち上げた花火が開花し、消えるまでの様子がわかるように付けられているのです。

 漢字の意味がわかれば、玉名を見ただけで「この花火がどのように夜空を彩るか」をイメージできるようになります。

 では、どう読み解くかというと、玉名の構造を知ることがポイント。一般的な玉名は以下の順番で構成されています。

 「昇分砲付八重芯錦菊先紅点滅」という花火を例に、玉名を構成する用語について説明します。

【1】花火玉が上昇する様子…昇分砲付(両サイドに火花を散らしながら上昇する)
【2】芯の構造…………………八重芯(花火が開いたとき、内側に円を描く芯が二重になっている)
【3】花火のかたち………………錦菊(黄金色の菊の花)
【4】光の筋の変化……………先紅(光の筋の先が紅色に変わる)
【5】消える間際の様子………点滅(光の筋の先が点滅して消える)

 このように、「昇分砲付八重芯錦菊先紅点滅」とは、点火した花火玉が左右に火花を散らしながら上昇し、二重の芯がある黄金色の菊の花を夜空に咲かせ、やがて光の先は紅色に変わり、点滅して消えていくことを表しています。

 ちなみに読み方は、「昇分砲付(のぼりぶんぽうつき)八重芯(やえしん)錦菊先(にしきぎく)先紅(さきべに)点滅(てんめつ)」となります。漢字が並ぶと特別な読み方がありそうで思わず身構えてしまいますが、素直に読むのがポイントです。

用語から空に浮かぶ花火がイメージできる

 玉名に使われる用語にどのような種類があるのか、その一部を紹介しましょう。

 まずは、【1】花火玉が上昇する様子を表す用語から。「昇小花」(のぼりこばな)は小さな花を咲かせ、華やかな演出が特徴の「昇分花」(のぼりぶんか)は、四方に火花を飛ばしながら上昇します。

 【2】芯の構造を表す用語では、花火が開いたときに芯があるものを「芯入り」と呼びます。芯が二重になると「八重芯」(やえしん)、三重になると「三重芯」(みえしん)、四重になると「四重芯」(よえしん)と呼びます。

 【3】花火の種類を表す用語のうち、光が尾を引きながら放射状に飛び散るのが「菊」、光が尾を引かず点を描きながら放射状にひろがるのが「牡丹」、光の先がゆるやかに下に落ちるのが「冠」(かむろ)です。

 【4】光の筋の変化を表す用語には、色が2回以上変わる「変化」、光の先が別の色に変わる「先○」(さき○/○には色の名前が入る)といったものがあります。光の筋が金色や銀色から変化するのは、「金波先」(きんぱさき)や「銀波先」(ぎんぱさき)と呼ばれています。

 【5】消える間際の様子を表す用語のうち、消える間際にひと際明るく輝くのは「光露」(こうろ)、綿雪のようにゆっくり消えるのは「降雪」(こうせつ)と名づけられています。

花火師がこだわる「良い花火」の条件とは

 玉名に加え、花火師がこだわる「良い花火」の条件も知っておくと、花火鑑賞の楽しみはさらにひろがります。

 花火師がこだわる「良い花火」のポイントは、「座り」「盆」「肩」「消え口」の4つです。

 「座り」とは、花火玉が開くタイミングのことです。花火玉が最高点に達し、一瞬空中で静止する瞬間に花火玉が開くと、綺麗な円を描くことができます。タイミングがずれて上昇時や下降時に開き、花火のカタチが崩れたものは、「玉の座りが悪い」といいます。

 「盆」は、花火玉が開いた状態を指します。花火に詰めている火薬がずれたり、カタチがデコボコしていたりすると、花火の形は崩れてしまいます。花火がキレイな円になると「盆が良い」と呼びます。

 「肩」は、花火玉が開いたときに現れる光の筋のこと。これが、途中で消えたりせず、まっすぐ伸びると、カタチもキレイに丸くなり、「肩のはりが良い」状態になります。

 「消え口」は、その名前の通り、花火の消え方です。最もいいとされるのは、光の先が一斉に消えること。これがキレイにそろうと「消え口がそろう」と評価されます。

 このような花火師のこだわり、そして、玉名に秘められた思いを意識した上で花火を鑑賞すれば、新しい発見や感動がきっとみつかることでしょう。さらに、友達や家族にも玉名の意味を教えてあげれば、笑顔の花が咲くかもしれません。

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