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「働き方改革」が本当に改革したいもの

2018年7月4日

 2017年3月28日、働き方改革実現会議で「働き方改革実行計画」が決定しました。それから1年以上の時が過ぎました。果たして、日本の労働環境に変化はあったのでしょうか。働き方改革の現状を探るとともに、取り組む上でのポイントについて考えます。

働き方改革はどこまで進んでいるのか

 「働き方改革」は、働く人の視点に立って労働環境を改革しようというものです。

 その論点は大きくわけると3つあります。長時間労働、ライフステージに合った仕事が選択しにくいキャリアパス、正規・非正規雇用の間にある処遇の格差という、日本の労働環境が抱える課題の是正です。

 長時間労働の是正については、政府のプランの中で、週労働時間60時間以上の労働者割合を2020年には5%以下にする目標が掲げられています。これに関しては、社会や企業の意識が変わる中で、一部ですが改善の兆しが見られているといいます。

 ある企業が上場企業を対象に行った調査では、週労働時間60時間以上の労働者割合は、2015年には10%でしたが、2016年になると9.6%に減少しています。一方で、未だに1週間の労働時間が43~59時間という労働者の割合が30.0%を占めているという現実があります。

 キャリアパスについては、テレワークといった柔軟な働き方が広がりつつあります。さらに男女問わずシニア層の労働参加も増えていますが、働くことを希望する人に対して就業率は低い状態です。少子高齢化の対策として、労働参加率の増加は欠かせませんので、これからに期待したいところです。さらに雇用の格差も目立った成果はでていません。

 このように一部で進展は見られるものの、働き方改革の実現に向けてはこれからが正念場となりそうです。

企業に求められている働き方改革とは

 働き方改革には生産性の改善という、もう1つの重要な役割があります。

 政府のプランでは、労働時間、キャリアパス、雇用関係を改善することによって、労働者1人ひとりの健康やモチベーションを高め、それを生産性の向上へとつなげていこうという意図があります。

 長時間労働を防ぐためには、残業時間の制限、有給休暇の取得推奨などの方法がありますが、それらを推進するためには、業務内容の改善とともに、組織風土のあり方についても再考が必要になるかもしれません。キャリアパス、雇用関係についても同様に、人材戦略や企業文化を見直さなければ、変革することは難しいでしょう。

 どれも簡単なことではありませんが、その先にある生産性の向上は、日本企業がグローバルな市場で勝ち抜くために果たさなくてはならないものです。

 では、どのように生産性の改善に取り組めばいいのでしょうか。

ヒントは“コミュニケーション”に

 生産性を改善するヒント、それは“コミュニケーション”にあります。

 コミュニケーションが活発になれば、社内に相互理解の促進をもたらしてチームワークやモチベーションに影響を与えます。自分の抱えている案件やアイデアについて意見をもらったり、議論したりすることで、さらに知的生産の質は高まります。

 社内のコミュニケーションを促すためには、社員の意識付けだけでは限界があります。オフィスのデザインにも目を向けるべきでしょう。例えば、オフィスに喫茶スペースなどの世間話ができる場所を設けたり、他部署同士の人々が交わるように動線を配したりと、ちょっとした工夫でコミュニケーションを活性化することができるのです。

 より効果的に取り組む場合は、オフィスで誰が、いつ、何分間会話をしていたのかなどのデータを収集し、現在行われている社内のコミュニケーションを可視化する必要があります。しかし、従来はかたちのないコミュニケーションを測定し、評価することは技術的に容易ではありませんでした。こうした状況を変えたのがIoTの登場です。

 近年では、IoTを使ったオフィス環境やワーカーの行動分析も進んでおり、コミュニケーションをはじめとした様々なデータを活用することが可能になっています。それによって、働き方改革で今本当に改革すべき、生産性の向上に取り組みやすい環境ができあがりつつあるのです。

 では、どのようにオフィス環境を整備していけばいいでしょうか。次回は、その鍵を握る「ウェルネス」や具体的な検討項目について紹介します。

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