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IoTの普及で見えてきたビルの進化系

2018年8月1日

 IoTが生活の中に普及していく中で、ビルへの導入も着々と進んでいます。最新のビルでは、IoTの力を借りて進化をとげようとしています。果たしてIoTはいかなるメリットをもたらすのでしょうか。ビルを取り巻く最新トレンドについて紹介します。

IoTの普及で見えてきたポスト情報社会

 日本は今、情報社会からSociety 5.0への移行期に差し掛かっているといいます。

 Society 5.0とは、政府が提唱する、仮想空間と現実空間を高度に融合させた新しい経済社会です。そこでは、仮想空間のセンサーから得た膨大な情報を現実空間に集積し、それをAIなどによって解析することで、新たな価値をもたらすという社会像が描かれています。その基盤となるのがIoTです。

 IoTは、Internet of Thingsの略で、そのまま日本語にすると「モノのインターネット」。これは、通信機能を持たなかったモノをインターネットにつなげるシステムのことで、「エッジデバイス」「ゲートウェイ」「プラットフォーム」「アプリケーション」という技術によって構成されています。

 エッジデバイスは、センサーや通信機能を搭載し、データの収集のために使われます。ほかの機器を制御できるように、プロセッサを備え小型コンピュータ化したものもあります。

 エッジデバイスから送られたデータは、インターネットへの中継装置であるゲートウェイを経由して、サーバーやクラウドなどのプラットフォームに集積。データはそのままでは役に立ちませんので、アプリケーションを使って有益な知見を得るための解析や、利用者が使いやすいように可視化などが行われます。

IoTの導入でビルは進化をとげる

 IoTが普及した理由としては、エッジデバイスの価格低下や多様化があげられます。

 ここ数年で、温度や湿度、照度、画像といったセンサー類の価格は一気に下がっており、導入しやすくなっています。さらに、センサーを開発する環境も整いつつあり、さまざまなモノにセンサーを組み込んでエッジデバイスとして活用できるようになっているのです。

 そうしたことを背景に、エッジデバイスの数は急増。ある調査によると、エッジデバイスの数は、2015年の時点で既に154億個あり、2020年には304億個まで増加するとしています。IoTが急速に社会へと広まる中で、ビルにおいても導入が進んでいます。

 ビルがIoT化することで、さまざまなメリットがもたらされます。

 IoTで取得したデータは、何かが起きた時にすぐに発見する「監視」、何が起きるのか予測した上での「異常時対応」、機器を最適な状態に制御する「自動化」といったかたちで役立てることができます。ビルでも、こうしたIoTの利点が活かされています。

 具体的には、各種センサーやシステムからの情報をもとに、空調や照明の制御、監視カメラの映像をもとにした物理セキュリティの強化、エレベーターの稼動監視などがあり、ビルシステムと連携したサービスが提供されています。

ビル単体にとどまらないIoT化のメリット

 ビルのIoT化で特に効果が期待できるのが、省エネの推進です。

 CO2排出量削減に向けた世界的な流れの中で、ビルでは消費エネルギー量が課題になっています。この課題解決も、IoTによって大きく前進すると考えられています。

 すでに「BEMS」と呼ばれるエネルギーマネジメントシステムを使い、建物や地域内の消費エネルギー量を可視化したり、空調や照明を無駄のないように自動制御しているビルもあります。最近では、BEMSをクラウドで提供する形態も登場。クラウド型の場合、比較的低コストで導入できることから今後ますます利用が広がりそうです。

 今までは、デバイスを独立したシステムで連携し、最適化されていたビルですが、IoT化が進むことにより、外部ネットワークと接続するケースが増えています。それによって、外部ネットワークからのサイバー攻撃による影響がビル全体に波及し、システムが停止するリスクが指摘されています。

 次回は、ビルのIoT化に迫るサイバー攻撃の脅威について紹介します。

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