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特殊環境下での「LED」導入メリットはこれだけある!

2018年12月19日

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 これまで工場などで使われてきた水銀灯ですが、前回紹介した通り、水銀汚染防止法によって、照明への水銀使用が大幅に規制されます。そのため、今後は水銀灯に代わってLED照明の導入を検討する企業が増えることが予想されます。そこで、今回は工場といった特殊な環境下におけるLED照明のメリットや、導入にあたってのポイントなどを解説します。

工場を天井から照らしてきた水銀灯の使用に規制が

 一般家庭やオフィスでは、LED照明の普及が急速に進んでいます。ところが、工場などでは、現在でも水銀灯が広く使用されています。

 ひと口に工場といっても、製鉄、製紙、自動車部品、塗装、鋳物、食品などさまざまな工場があり、それぞれ環境が違います。それでも多くの工場に共通するのは、一般家庭やオフィスとは全く違う特殊な環境です。

 例えば、自動車の部品工場では、アルミやガラス、プラスチックを溶かして加工する工程で大量の熱が発生し、天井温度が80°以上になることもあります。さらに、夏に工場の天井付近の温度が60℃まで上昇するようなケースも珍しくありません。そうした場所で、水銀灯は熱に強く、広範囲を明るく照らせるという性質から重宝されてきたのです。

 天井以外にも、車両等の洗浄によって空気中にオイルミストが発生する自動車工場、切削加工によって粉塵が多い機械加工工場、高濃度の酸や薬品が製造工程で気化する化学薬品工場など、照明にとって過酷な環境はたくさんあります。水銀灯は、そうした環境でも使用されてきました。

 しかし、いま大きな転機が訪れようとしています。2020年12月31日以降、一般照明用の高圧水銀灯は、水銀の封入量に関係なく、その製造・輸出入が禁止されます。環境重視の社会情勢から考えても、有毒な水銀を含む水銀灯に代わる新たな照明を求める動きが始まっています。

特殊な環境下でも使用できるLED照明が次々に登場

 工場などで、水銀灯に代わる照明として注目を集めているのがLED照明です。これまで、特殊な環境下ではさまざまな問題点があるとされてきましたが、最近は性能の向上が著しく、工場などでも問題なく使用できるLED照明が開発されています。

 かつては熱に弱いといわれていたLEDですが、さまざまな改良が行われて、耐熱温度がかなり高くなっています。60℃~100℃もの高温環境でも使用可能なLED照明が、次々と登場。そうした照明が、工場の天井で水銀灯に代わって使用されるようになっているのです。

 高温への対応とは逆に、厳しい低温環境に耐えられるものも出てきています。従来のLED照明は-20℃ぐらいまでしか使用できませんでした。しかし、最近は-40℃以下に耐えられるものも登場し、冷凍倉庫や冷凍船、冷凍車で使用されるようになっています。

 LED照明は粉塵や水気にも弱く、工場での使用用途を狭める原因となっていました。その対応策として、防塵や防水対策を施したLED照明もあります。そのほかにも耐振動、耐油、耐薬品などさまざまな機能を持ったLED照明が、工場などでの使用に最適な製品として注目されています。

 もはや「“LEDは工場では使えない”という従来の常識は通用しなくなっている」といってもいいでしょう。こうした最新のLED照明の動向を踏まえ、2020年の規制を前に、すでに自社の工場などで、水銀灯に代わってLED照明の使用を検討する企業が増え始めています。

LED照明なら環境に優しくコスト面でも断然お得!

 企業がLED照明への切り替えを検討するのは、「水銀灯の入手が困難になるから」という理由だけはありません。LED照明への移行によって、水銀灯と比べて多くのメリットが得られると考えられているのです。

 環境という点で、LEDは水銀灯と比べて優れています。水銀灯の寿命は6,000~12,000時間しかありませんが、それに対してLED照明は約40,000時間もあるため、交換や廃棄の回数が減ることになります。さらに、水銀はもちろん、鉛やカドミウムなどの有害物質を一切使用していません。そのため、廃棄をする際、水銀灯のように特殊な処理が必要ありません。

 コスト削減という点でも、LED照明は有用といえます。電気料金を比較する場合には、使用状況などさまざまな要素を勘案する必要がありますが、工場や倉庫の高天井用照明を水銀灯からLED照明に交換することで、消費電力量を減らし、電気料金を年間で4分の1程度削減できるという試算結果もあるのです。

 電気の使用量を減らすことでCO2排出量を削減し、地球温暖化防止にも貢献します。LED照明は水銀灯を使用した場合と比べ、CO2排出量が年間で約40tも削減されるとした計算もあります。地球環境への関心を高まる中、環境負荷の少ないLEDの導入は、企業にとってはブランディングという面でも、社会貢献という面でも意味があるでしょう。

 性能面を見ると、LED照明は紫外線や赤外線の放射が少ないため虫が寄り付きにくいほか、商品や食料品の劣化や変色を助長しないというメリットがあります。食品工場や倉庫などでは、嬉しい性能といえるのではないでしょうか。

 このように、LED照明は水銀灯よりも優れいている点がいくつもあります。そのため、2020年の規制を前に、すでに自社の工場などで、水銀灯に代わってLED照明の使用を検討する企業が増え始めています。ランニングコストに優れたLED照明だけに、早期に導入すればそれだけメリットも大きくなるでしょう。

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