お問い合わせ

NTTファシリティーズ

メールのアイコン

ビジネスコラム

なぜ豆をまくの!?「節分」に使える豆知識

2019年1月30日

Tweet
Facebook

 2月3日は節分です。節分といえば、豆まきが思い浮かびます。しかし、なぜ豆を投げるのでしょうか。そもそも節分とは何なのでしょうか。身近な行事の節分ですが、あらためて考えるとそこには多くの謎があります。そんな節分にまつわる謎と豆知識を、その起源から今日までの歴史をたどりながら明らかにしていきます。

本当の節分は1年に4回も訪れる?

 節分は1年に一度だけ、と思っている方は意外と多いのではないでしょうか。実はそうではありません。

 本来、節分は四季の移り変わる節目のことを指し、暦では立春・立夏・立秋・立冬の前日のことを指します。つまり、本来の節分は1年に4回あるのです。

 では、なぜ立春の前の節分ばかりが目立つようになったのかといえば、それは旧暦に関係します。冬から春に移る立春は、旧暦では正月節にあたり、1年の始まりとして重要視されていました。そのため、節分といえば2月のものを指すようになったのです。

 節分は毎年、ほぼ2月3日前後に訪れます。「ほぼ」という曖昧な言い方をするのは、節分は立春の前日ですが、その立春の日が年ごとに異なるからです。2019年の立春は2月4日なので、今年の節分はその前日の2月3日ということになります。

節分は豆まきと○○が合体した行事

 節分の行事の中で最も有名な豆まきは、いつ始まったのでしょうか。そのルーツは中国の邪気祓いの行事「大儺(たいな)」にあるとされます。それが平安時代、日本に伝わって、「追儺(ついな)」という行事が宮中で行われるようになりました。

 追儺は「鬼やらい」とも呼ばれ、病疫を追い払うために旧暦の大晦日(2月3日頃)の夜に行われました。お面をかぶって衣装をつけ、神に扮した方相氏(ほうそうし)と呼ばれる役目の人が、目に見えない鬼を追い払うという行事でした。

 ところが、平安時代末期になると、追儺の行事が変化します。それまで鬼を追い払う役目だった方相氏が、逆に鬼に見立てられて、群臣らに追い出されるようになったのです。これには諸説ありますが、方相氏は葬儀に係わる役目もしており、縁起が悪いという意識から追い出される側になったのではないか、という説があります。

 ただし、この頃まだ豆まきは行われていませんでした。豆まきがいつ頃始まったのかは明確ではありませんが、文献の上では南北朝時代には追儺に取り入れられて、「鬼は外、福は内」と唱えられていたことが分かっています。

 室町時代の高僧が書いた『臥雲日件録』という日記には、「明日立春。故及昏景家毎室散撒豆。因唱鬼ハ外福内四字。」とあり、節分に豆をまく習慣が上流階級だけでなく、庶民の間にも広まっていたことがうかがえます。

豆以前に投げていたものとは

 現在の節分の豆まきには、大豆を用いることが一般的です。大豆は厄落としをはじめ、疫病、風邪、疱瘡、麻疹、百日咳、はやり目、物もらい、歯痛などの病除けのまじないにも多く使用されてきたようです。

 かつての豆まきでは、米・麦・粟・炭なども使われていました。そんな中、大豆が主流になったのは、「鬼毒」を消して痛みを止めると中国の医書 『神農本草』に書かれていたことに由来するとも、豆を投げれば「魔を滅する=魔滅(まめ)」からだともいわれます。

 節分の日には、豆まき以外にも、炒った豆を神社やお寺に納めて無病息災を願ったり、厄除けのために炒り豆を食べたり、焼いた鰯の頭を小枝に刺した「柊鰯」を飾って邪気を追い払うなど、さまざまな行事が全国各地で行われています。

 節分に恵方を向いて太巻きの「恵方巻」を丸かじりすると、願い事が叶い、無病息災や商売繁盛をもたらすという習慣もあります。これはもともと大阪で生まれ、関西地方で行われていたものが近年になって全国に広まったものです。

鬼も内!?所変われば掛け声も変わる

 節分の豆まきには、炒った豆を使うのが正しいとされます。これは、節分の豆は穢れや厄災を負うものなので、そこから芽が出るのは縁起が良くないとされるからです。そのため芽が出ないように炒ってから使います。

 豆まきの際には、「鬼は外、福は内」と唱えます。この掛け声は、文字通り邪気や鬼を追い払い、幸福を呼び込もうといものです。ただし、鬼を祭った神社や鬼が地名に付いた土地などでは、鬼を悪とみなさないで「鬼は内、福は内」「福は内、鬼も内」などと唱えるところもあります。

 中には、掛け声に鬼が登場しないところもあります。「恐れ入谷の鬼子母神」で知られる東京都台東区の仏立山真源寺では、「福は内、悪魔外」と唱えます。また、千葉県成田市の成田山新勝寺では、「福は内」だけで「鬼は外」は唱えません。不動明王の前では鬼さえ改心するため、鬼はいないという考え方によるものです。

 京都の一部では、豆まきをする人のほかに、すりこぎ、しゃもじなどを手にした人が「鬼は外、福は内」に合わせて、「ごもっとも、ごもっとも」と合いの手をいれます。また、埼玉県秩父市の三峯神社では、豆をまく人の後ろで「ごもっともさま」と叫びながら、巨大な棒を突き上げます。

 このように全国各地で、バラエティーに富んだ節分の豆まきが行われています。長い歴史を持つ節分の行事には、なかなか奥深いものがあるようです。

関連する記事

最新のコラムや導入事例を
メールマガジンで配信いたします。
えふ・マガの購読はこちら

お問い合わせ・資料請求

PAGE TOP