CSR報告書 2015 事業を通じ、さまざまなシーンで社会に貢献する。私たちNTTファシリティーズのCSR活動の成果をご報告します。

第三者意見

土肥将敦氏の写真

法政大学大学院 人間社会研究科
准教授

土肥 将敦

一橋大学経済学部、一橋大学大学院商学研究科博士後期課程を経て、2009年に高崎経済大学地域政策学部准教授。2014年より現職。商学博士。著書に『CSR経営-企業の社会的責任とステイクホルダー』(共著、中央経済社)、『ソーシャル・イノベーションの創出と普及』(共著、NTT出版)などがある。

「企業と社会の関係性を示す」ための報告書として

今年度のNTTファシリティーズのCSR報告書を拝見し、昨年に引き続き「読者が実生活で実感しやすい報告書」をめざしていることが読み取れる。ICT関連企業の報告書では、どうしても取引先にしかわからないような技術情報が中心になりがちであるが、本報告書で示されている次世代農業プロジェクト(P10)や、各メーカーの照明機器をスマホで制御するシステム(web詳細報告)、そしてサイクルシェアリング事業(同左)などは、IoT(Internet of Things:あらゆるモノをインターネットで接続していくこと)と施設(ファシリティ)との関わりを具体的に紐解く上で読者にとって分かりやすい事例である。この中でも、農業用データの管理・制御システムは、今後林業や漁業等へも応用が可能とされており期待が持てる。CSR報告書は、企業と社会のインターフェースにおける様々な関係性をステークホルダーに丁寧に示していくためのツールであり、今後もこうした様々な創意工夫を続けていって欲しい。以下では、同社のCSR活動における成果と情報開示等について今後の課題や展望をまとめておきたい。

CSR経営のさらなる進展をめざして

まず、再生可能エネルギーの買い取り価格が引き下げられ、太陽光発電の採算が厳しくなる中でも、同社のメガソーラー事業は拡大し続けており、我が国の地域分散型のエネルギーシステムの構築に大きく貢献している。とりわけ、P13にあるような実証実験拠点での、メガソーラーの導入が困難な傾斜地への、設置工法の積極的な研究開発に引き続き期待したい。
次に、情報開示への取り組みについてである。筆者はゼミナールや外部講義の中で、各社のCSR報告書を参考資料として用いることがあるが、その中で参加者からのコメントで最も多いのは、「企業の都合の良い情報しか出ておらず、信頼しにくい」というものである。CSRが日本社会に浸透していくに従って、市民社会の目も肥えていき、ポジティブ情報のみの報告では信頼を構築するどころか、逆に不信感へとつながってしまう場合もある。この点において、今年明らかになった顧客情報の流出問題等について記載されていることは重要である。今後の対策等について、来年度以降の本報告書においても説明を期待したい。大切なことは、こうしたネガティブな事案についても、社会に対してオープンで対話する姿勢を示していくことである。
最後に、昨年筆者は要所に定量的な目標を打ち立てたCSRアクションプランへの推進をめざすべきとの問題提起をした。これについてはまだ道半ばではあるが、同社では「『何故その事業が社会課題の解決になるのか』を具体的なデータと共に見せる」ことを目標とされていると聞く。最終的には、このCSR報告書の作成を契機として、同社全部門のスタッフが「われわれのプロジェクトは、社会の課題解決にあたり、こんなデータの改善に貢献している」と明確に意識づけられ、次年度に向かって進んでいけるような「羅針盤としての報告書」となるように期待したい。

第三者意見を受けて

NTTファシリティーズ CSR推進室

NTTファシリティーズグループは、主にBtoB (企業間の物品の売買やサービスの提供を行う)事業を行うこともあり一般にはあまりなじみのない企業ですので、私たちの活動をより広く多くの方々に知っていただくこと、私たちと社会との関わりをわかりやすく発信していくことに重点をおきCSR報告書を作成していますが、この方向性について評価をいただきました。今後とも私たちの活動と社会の皆様との関係性をより丁寧に分かりやすく伝えていきたいと考えています。
また、情報開示のあり方やCSR 活動に関する包括的なアクションプランの設定などについてご提言をいただきました。今後は、私たちの今だけでなく私たちが何のため何をめざすのかもお伝えできるよう心がけてまいります。
NTTファシリティーズグループは、今後もステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを大切にしながら、“信頼されるパートナー”として、社会の持続的発展に貢献するべく取り組んでまいります。

第三者意見

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