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※1●戦法 サッカー創生期においては、ゴールキーパー(GK)以外は全員で攻めるのが当たり前だったが、やがて攻撃プレーヤー(FW)と守備プレーヤー(DF)という役割が割り当てられ、それぞれのポジションが確立。その後、様々な「戦術」が開発されたが、「フラット3」の異名をとる日本代表の「3−5−2システム」は、現時点では最もモダンな戦術と考えられている。(図解参照)
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※2●柳沢 敦 23才。J1リーグ・鹿島アントラーズでFWとして活躍。1997年Jリーグ新人王。Jリーグ通算117試合出場50得点。日本代表16試合出場4得点。
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※3●中田英寿 24才。ワールドカップ後の1998年7月、世界で最もレベルが高いリーグと言われるイタリア・セリエAへ渡る。当時の王者ユベントスを相手に2得点を叩き出す衝撃的デビューを飾り、世界中を驚かせたことはあまりにも有名。2000年1月、ペルージャからASローマに移籍。移籍直後はリーグ戦13試合に連続で出場して3得点。しかし、オリンピック後は、カップ戦では活躍しているものの、リーグ戦では控えが続いている。
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※4●ASローマ 現在、イタリアの1部リーグ・セリエAで単独首位を守る(平成13年2月5日現在)。メンバーのほとんどが各国の代表選手という、リーグ屈指のタレント軍団。
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※5●名波 浩 28才。一昨年、中田に次いでセリエA・ベネチアに移籍するが1年で帰国。J1リーグ・ジュビロ磐田に復帰し、MF(ミッドフィルダー)として活躍。
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※6●ボランチ 日本でもすでに定着したサッカー用語だが、もともとはポルトガル語「Vlente」で「舵取り、ハンドル」を意味する言葉である。日本代表では名波をはじめ、稲本潤一(ガンバ大阪)、明神智和(柏レイソル)らが活躍する。
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※7●インターセプト、ディレイ、アタック 守備の優先順位は、「インターセプト」(パスをカットする)、「ディレイ」(相手の攻撃を遅らせる)、「アタック」(相手のボールを奪いに出る)の順が原則。
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あらゆる分野において日々進化する技術。
技術は、人の作り出したさまざまなモノの中に隠れています。
多くの技術が集結して成り立つこともあれば、
ただの一人の手による技術もあります。
広義に言えば、方法論やシステムも含まれているかもしれません。
いずれにせよ、卓越した技術には、普段われわれが眼にすることのできない 「隠れた技」=「匠の技」が存在しているに違いありません。
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「サッカーって観ててもつまらない。単にゴールにボールを蹴りこめばいいだけなのに、なかなか点が入らないから・・・」。
世界で最もメジャーで、老若男女を問わず最も熱狂的なファンを持つ「サッカー」だが、日本における人気度・理解度は、野球などと比べてまだまだ低いのが現状である。
しかし、どんなスポーツ競技においてもそうだが、ちょっとした「ルール」や「見方」を学ぶだけで、思いがけず観戦の幅が広がるもの。特に、サッカーほど「戦術的進化」が激しく、またそれを実践するプレイヤーの個性や魅力が豊富なスポーツは少ない。
今回は、日本の主なプレイヤーを例に挙げ、彼らの隠れた技術に迫ってみる。
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幅7.32m、高さ2.44mもの大きなゴールに、手以外でボールを放り込めば1点。サッカーは、ただそれだけのスポーツだ。だが、その1点はお互いの選手のレベルが高いほど遠くなる。
ゴールを本城に例えるなら、城塞を堀が囲い、営門には衛兵が立つ。正面きっての攻略では到底陥落はならない。ならば、策略をめぐらせて戦法(※1・システム図解参照)を練る。
サッカーでは「オープン攻撃」というサイドからのクロスボールを多用する。城郭の風穴は深くサイドをえぐるほどダメージが大きく、本城は手薄になる。ゴールを守るDF(ディフェンダー)はサイドにあるボールと正面の人を同時に見ようと、広く視野を保たなければならないからだ。
粘り強く守られ、ときに攻めあぐねた末のロングシュート。一見、思い余って打ったように見えるロングシュートにも、次なる攻撃のために張った伏線がある。一種の威嚇射撃。シュートは最も効果的な武器だ。DFは失点の危険性がある限り「前方」に出てその対策に当たる。となれば、今度は空いた「後方」をついた攻撃ができるようになる。
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日本のサッカーは昨年、オリンピック・ベスト8、アジアカップ優勝。衆目が沸き立つ活躍で世間を賑わせ、にわか仕立ての「サッカー通」が立ち現れた。
「柳沢(※2)代えたほうがいいよ。せっかくのチャンスをミスってばかり。ストライカーとして消極的すぎる」。
確かに指摘されるようなフィニッシュに課題はあるだろう。しかし、気付いているだろうか。なぜ、彼がいつも幾多の得点チャンスを前にするのかを。ゴール・ハンターであるFW(フォワード)は相手DFに厳しくマークされるのが常だが、柳沢はフッと一瞬、「消える」。フェイクをかけた動きを絶妙のタイミングで織り交ぜているのだ。だから、DFを振り切って、いい体勢でパスが受けられ、結果、大きなチャンスに結び付けられる。意識しないと見落としてしまうプレーだが、パスを受ける前の柳沢の動きは、並みのプレーヤーには真似できない。
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中田英寿(※3)。世界の超一流スター軍団といえるASローマ(※4)では、出番に恵まれないが能力は見劣りしていない。頑強な体を生かしたドリブルでDFを引き付け、確かな技術に裏打ちされた戦術眼で絶妙のキラーパスを繰り出す。パスには二種類ある。「つなぎのパス」と、「仕掛けのパス」だ。当たり前のところへ、たださばくだけでは相手の守備ははがれない。通るか通らないかギリギリのところに、当たり前のようにパスを出す心憎さ。右に視線を送りながらパスは左へ。DFの予測を覆す中田のパスは、ときに味方をも惑わす!?
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中田とは対照的にイタリアでは消化不良に終わった名波(※5)。しかし、明らかに成長の跡がある彼は主将として名実ともにチームを牽引し、アジアカップ優勝の原動力となった。すべてのボールタッチを左足一本で行うレフティーは、生来の「テクニシャン」が多い。天賦の才能が、キックの中でも一番難しいアウトサイドをいとも容易に操る。スピードが落ちずに鋭く曲がるパスが相手DFの背後をつく。アウトサイドだから通る隙間を縫って、インサイドよりも素早く、そしてスムーズに。だが、それもすべては使い方次第。どんなときならセーフティ、そしていつならリスクをかけて勝負に出るのか。ベネチアで磨いたボランチ(※6)のポジションは、彼の力量を余すことなく花開かせた。
帰ってきた名波のプレーはセリエAとJリーグの差、世界と日本の差がなんたるかを示してくれてもいる。常に自分に有利な状況を作り出してプレーしなければ、どんなに恵まれた技術も生かされないことを。狭いスペースの中では、どれだけパスを回しても打開はならない。そのために、狙いをつけてわざと空けておいたスペースにタイミングを見計らって飛び出る。本領発揮の勝負はそれからだ。名波にはまた、その出球となるパスや、攻撃の起点としても見るべきものがある。「舵取り」であるボランチは守備においてもインターセプト、ディレイ、アタック(※7)の整理されたプライオリティを基盤に、相手の攻撃を自分たちから網にかける。だから、次の動き出しを速くすることができる。先取りした守備は決して後手を踏まない。攻撃のために守備がある。
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簡単だが複雑な動き、単純に見えて奥深い仕掛け、豊かな想像力がチャンスを生み、優れた判断力がチャンスをつかむ。そんな匠たちもまた戦術というシステムの中に生きている。しかし、匠なくしてシステムはない。
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