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index -2004 WINTER Vol.32-
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愛知万博 長久手日本館の電力を「新エネルギー」で賄う
NEDO「新エネルギー等地域集中実証研究」に参画

愛地球博

「自然の叡智(えいち)」をメインテーマに3月25日から開催される「愛知万博」。人間と自然との共生を前面に打ち出す“環境万博”の目玉のひとつとして注目されているのが、長久手日本館(出展者・日本政府)の電力を新エネルギーで賄う「エネルギー制御システム」の実証研究です。NTTファシリティーズも参画して進められるこの実証研究の全貌をご紹介します。
談:NTTファシリティーズ 研究開発本部 パワーシステム部門 主任研究員 角田二郎
  同 エネルギー事業本部 総合エンジニアリング部 担当課長 吉本義嗣

会場の生ごみやペットボトルを燃料にして電気を作る

Q
この実証研究はどういう目的で行われるものですか?
 
A
 京都議定書のことを引き合いに出すまでもなく、今、世界中でCO2削減のためにクリーンエネルギーの導入が必要とされています。この実証研究は、「循環型社会」をサブテーマのひとつとしてうたっている愛知万博において、長久手会場の日本館で使う電気を太陽光や燃料電池など複数の新エネルギーによって賄おうというものです。
 “環境万博”を具現化する象徴的な取り組みとして位置づけられるこの実証研究は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)の「新エネルギー等地域集中実証研究事業」の委託を受け、中部電力を幹事会社として9つの企業と団体が共同して行うものです。愛知万博のためだけのものではなく、新エネルギーを活用した未来型の地域分散エネルギーシステムの実証研究として、愛知万博終了後は中部臨空都市(常滑市)で継続される予定です。
 研究に参加している企業・団体は、NTTファシリティーズのほか、企業では幹事会社の中部電力?、トヨタ自動車?、日本ガイシ?、三菱重工業?、京セラ?、日本環境技研?の7社。団体は(財)2005年日本万国博覧会協会、愛知県の2つです。

長久手日本館完成予想イラスト

 
Q
実証実験の内容はどういうものですか?
 
A
 CO2削減のためには太陽光や風力などの自然エネルギーの導入を促進する必要があります。しかし、自然エネルギーは天候によって得られるエネルギーが変動してしまい、その変動は連系する電力会社の系統に影響を与える可能性があるといわれます。この研究では、そうした自然エネルギーの変動を、燃料電池や蓄電池を上手に組み合わせることによって、系統にかける負担を極力少なくするエネルギー制御システムを構築・実証するものです。

 
Q
複数の新エネルギーとは具体的にどういうものですか?
 
A
 発電システムとしては、多結晶や単結晶、或いはアモルファスを用いた3種類の太陽光発電のほかに、循環型エネルギーとして注目される2種の燃料電池システムがあります。 ひとつは、博覧会会場内のレストランなどから出る生ごみを原料にして、メタン発酵システムで得たメタンガスを、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)の燃料として活用するもの。もうひとつは、博覧会会場の造成時に伐採した木質チップや、会場内で発生するペットボトルなどのプラスチックを原料にして、高温ガス化システムによって得られるガスをMCFCの燃料にするものです。MCFCによって得られる電力と排熱は再び博覧会会場のエネルギーとして使われます。MCFCの他に、作動温度が高く発電効率も最も高いSOFC(固体酸化物形燃料電池)や、負荷追従性能に優れたPAFC(りん酸形燃料電池)といった種々の燃料電池を組み合わせています。
 さらに変動調整用電源となるNaS(ナトリウム硫黄)電池を加えて、系統から購入する電力の利用を低く抑えます。この発電規模で複数の新エネルギーを組み合わせ制御する試みは世界初となります。

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実証研究の核となるエネルギー制御システムを担当

Q
NTTファシリティーズが担当するのはどの部分ですか?
 
A
新エネルギーシステム概要


 この実証研究では、太陽光発電と2種類の原料ガスで発電するMCFC、さらにSOFC・PAFC・NaS電池を結合して分散型電源とするシステムが構築されています。
 この中で当社が担当しているのは、太陽光による電力供給の変動を上手に補うよう燃料電池やNaS電池の出力を制御する、この研究で最も重要な役割を担う「エネルギー制御システム」の部分です。その他、りん酸形燃料電池(PAFC)と太陽光発電システム領域の研究も担当しています。

新エネルギーシステム外観

 
Q
ファシリティーズが参画した狙いはどこにありますか?
 
A
 これは未来型の地域分散エネルギーシステムの実証研究ですから、この研究がそのまま近々の事業に反映されるものではありませんが、複数の新エネルギーを制御する技術の重要性はCO2削減のために今後ますます高まっていくでしょう。
 この研究に参加することによって、制御システムの構築、新エネルギーの集中導入(マイクログリッド)の電力品質強化や自立運転検証などを行うことができ、未来型エネルギーシステムの貴重な実データが得られることは、クリーンエネルギーや燃料電池などに早くから取り組んでいる当社技術の蓄積に大きな意味があります。

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万博会場では、新エネルギープラントの見学ツアーも実施中

Q
万博会場で実際にこの実証研究の何かを見ることができますか?
 
A
 新エネルギープラントを見学するツアー(1日5回)が実施されています。
 また、日本館の中に博覧会の大テーマ「自然の叡智」に沿った展示があります。そこには、環境配慮を紹介するコーナーがあり、様々な建物環境情報がリアルタイムで表示され、その中に新エネルギー供給量が示されています。

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