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土壌改良や環境保全のための400億円もの初期投資と、その金利負担が重くのしかかり、残念なことにハウステンボスは、2003年2月に総負債額2,290億円を抱えて会社更生法を申請した。ハウステンボスの事実上の倒産という事態に対して、地元九州の自治体や市民は支援活動に立ち上がり、こうした働きかけも手伝って、驚くべきことに入場者数が増えたという。そして、翌年6月から野村プリンシパル・ファイナンスが新しい経営母体となり、新生ハウステンボスはスタートしている。新しい経営母体に名乗りを挙げた企業が日本ばかりでなく海外からもあり、十数社に及んだのは、ハウステンボスが単なるレジャーランドではなく、21世紀の社会に対して「高い志」と「大きな夢」を持ち、それを着実に実現しようとしてきたからではなかったか。ハウステンボスを設計した池田武邦らの研究チームによれば、ハウステンボスは環境会計の視点からすると、1,700億円の環境価値を創造したという報告もある。つまり環境への貢献を経営資源として評価するならば、大幅な資産超過ということになるのだ。
現在、ハウステンボスの運河や大村湾に接する水際にはたくさんの貝類が繁殖し、さまざまな魚類が群れ泳いでいる。そして建設から10年の歳月を経て、ハウステンボスのドム・トールンの頂上にハヤブサが棲みついたという。食物連鎖の頂点に立つハヤブサが生息しているということは、周辺の自然環境が蘇生したことを意味している。ハウステンボスの環境への取り組みの成果が、そこに大きく現れているといっていいだろう。
未来に向けて多くの可能性を秘めたハウステンボスの実験はまだ始まったばかりである。神近が言ったように、「ハウステンボスは一千年先を見据えた環境実験都市である」ならば、環境を重視した街づくりのさきがけとして、ハウステンボスはさらなる進化を遂げてゆかねばならないだろう。美しい自然と共に生き、経済的にも自活した事業として地方の希望となり、そしてテーマパークから人の生活する街へと成長したハウステンボスに、いつしか再び訪れてみたい。
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