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2015年3月19日

新たな設置工法開発に向けた太陽光発電実証研究について
~NEDO事業における傾斜地向け設備構築の進捗状況~

 株式会社NTTファシリティーズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:筒井 清志)は、太陽光発電システムの実証研究・技術開発を目的とし、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDOという)*1からの受託事業として、株式会社アドテック富士と共同で、傾斜地の有効利用を目的とした傾斜地向け太陽光発電設備を検討し、山梨県北杜市長坂町夏秋地区へ実証設備の導入を行いました。

全体写真
全体写真1
全体写真2

1.実証事業の概要

 日本において太陽光発電システムの大量導入を実現していくためには、太陽光発電の第一の課題である発電コスト低減だけでなく、導入先となる設置場所及び用途を拡大していくことも重要です。しかしながら、平坦な地面や住宅の屋根への設置等の従来型分野においては導入量が増え続けている一方で、技術的に導入が困難である、導入コストが従来型環境に比べて高い等の理由により、導入が進まない未導入分野も存在しています。
 以上から、アドテック富士とNTTファシリティーズは、NEDO事業「太陽光発電多用途化実証プロジェクト」*2にて共同で採択を受け、未導入分野の一つである傾斜地を太陽光発電の導入ターゲットとして、平成25年度より傾斜地における太陽光発電導入を目指した新たな施工技術の開発を進めています。

2.NEDO傾斜地実証事業における技術開発内容

 発電量増加や設置コスト低減等により、未導入分野である傾斜地への太陽光発電導入を実現するための技術開発・実証を行い、その効果について検討を行っています。実証設備の施工にあたっては、山梨県北杜市のご協力を得て、北杜サイト太陽光発電所*3の近傍にて実証設備の構築と施工性の検証を実施しています。実証設備の構築においては、架台構築における作業性や安全性の比較のため、以下3種の工法を開発、採用しました。

(1)小型基礎を採用した埋込型架台
小型の架台基礎を埋め込み、支持材レベルを調整した後にモルタルで固定する工法を採用し、重機での作業が不可能な傾斜地において人力での埋込による設置を可能とする架台を開発。

小型基礎を採用した埋込型架台
小型基礎を採用した埋込型架台写真

(2)アジャスト型架台
斜面上端部での架台の組立て、架台の支柱高さを調整可能なものとし、施工装置を用いて太陽電池をスライドさせることで、傾斜地へ作業者が立ち入らず、また支柱間の詳細な高さ調整を不要とする架台を開発。

アジャスト型架台
アジャスト型架台写真

(3)シート型太陽電池の採用
市販の防草シートと薄膜型太陽電池を一体化し押しピンで固定する工法を採用し、架台構築及び太陽電池モジュール取り付けにおける重作業を不要としたシステムを設置。

シート型太陽電池
シート型太陽電池写真

 また、重量物である太陽電池モジュールの課題への配置を安全かつ簡易に実現するための施工装置をアドテック富士にて開発し、現地での試験等を含め機能向上が進められています。
 (アドテック富士 HP: http://adtek-fuji.co.jp/business/nedo.php
 今後はNEDO事業が終了する平成28年2月まで傾斜地における発電特性データの収集を行い、発電コスト評価を進めると同時に、並行してさらなる施工性向上に向けた検討を進めて参ります。

3.今後の予定

 NTTファシリティーズは、傾斜地向け太陽光発電実証事業の評価・検証結果から得られた知見を、お客様のニーズに対応した技術開発及びご提案、設備構築に活用して参ります。隣接する「Fソーラーリサーチパーク*4」を始めとする各種技術開発を推進し、太陽光発電システムの最先端のノウハウの蓄積を目指して参ります。

用語説明

*1独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
新エネルギーおよび省エネルギー技術などの開発をおこなう経済産業省所管独立行政法人。エネルギー・地球環境問題の解決や、産業技術の国際競争力の強化のための研究開発を推進する国内最大級の技術開発推進機関。
(NEDO HP:http://www.nedo.go.jp/
*2太陽光発電多用途化実証プロジェクト
太陽光発電の更なる導入を実現するために、導入先となる設置場所及び用途を拡大していくことを目的として、NEDOにより推進されているプロジェクト。導入ポテンシャルが大きいことが判明しているにもかかわらず導入が進んでいない分野に対して、新たな太陽電池モジュールや施工技術、低コスト化・発電量向上化技術の開発、実証を行う。
(事業概要:http://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100053.html
(採択情報:http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100235.html
*3北杜サイト太陽光発電所
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 委託事業 「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」を行った施設。実証研究終了後にNEDOから北杜市へ施設譲渡され、北杜市営の太陽光発電所として平成23年4月から開所。
*4Fソーラーリサーチパーク
NTTファシリティーズにて構築した太陽光発電実証サイト。北杜サイト太陽光発電所に隣接する約4万m2の敷地内に設置され、2012年2月に運用開始し、現在は各種技術検証や実証研究が実環境下にて行われている。
(紹介ページ:http://www.ntt-f.co.jp/f_solar_park/
「Fソーラーリサーチパーク」はNTTファシリティーズの登録商標です。

※「山梨県太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例」の維持管理計画を掲載しました。(2022年6月17日追記)

【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp

ニュースリリースに記載されている情報は、発表日時点の情報です。予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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