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2015年5月12日

データセンター空調シェア世界2位のドイツSTULZ社と事業提携
~中・大規模データセンター用水冷空調機の販売と保守サービスを提供開始~

 株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 筒井清志 以下、NTTファシリティーズ)は、STULZ GmbH(CEO JÜrgen Stulz 以下、STULZ)と事業提携し、STULZのデータセンター用空調シリーズであるCyberAir 3*1のうち、水冷空調機の日本国内における独占販売代理店契約を締結しました。主に首都圏及び関西圏の中・大規模データセンターを対象に、5月13日より販売および保守サービスの提供を開始します。
 本製品は優れたコストパフォーマンスを有しながら、業界トップクラスの省エネ性、省スペース性と高い冷却能力を兼ね備えており、データセンターの消費電力削減とサーバの高発熱密度対応を実現します。本製品は、5月13日から15日に開催される「第7回 データセンター構築運用展 春」にて、実機をご覧いただけます。

1.背景と目的

 データセンターの冷却を行う空調システムの消費電力はデータセンター全体の4割強を占めており、空調の省エネルギー化の需要は拡大しています。また、規模の大きなデータセンターではサーバルームでの設備スペースの制約が少ない水冷空調機が採用される傾向が高まっています。
 NTTファシリティーズは、こうした水冷空調のニーズの高まりに対応するため、当社が販売するデータセンター向け空調ラインアップにSTULZ 社製水冷空調機を追加することとしました。データセンター向け空調機の空冷、水冷のフルラインアップでの提供および、当社が提供する空調制御システムとのセット販売により、国内データセンター事業の事業拡大を図ります。

2.STULZ製水冷空調機の特長

(1)独自のECファン*2技術で、ファン消費電力*3を48%削減
STULZ社独自のガラス繊維強化複合材料を用いた軽量な高性能ECファンの採用および、ファンユニットを床下に設置し風路を改善することにより、従来のデータセンター用水冷空調機送風動力と比較して最大48%動力を削減します。

図1 消費電力の比較
図1 消費電力の比較
※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。

(2)熱交換ユニットとファンユニットの分離により、省スペース化と冷房能力増加を実現
通常は空調筐体内に配置されるファンユニットを床下に配置することで、不要となった機内のファンスペースに大きな冷水コイルを設置することが可能となり、省スペース化と冷房能力の増加を実現します。従来のデータセンター用水冷空調機と同一の冷却能力で比較した場合、設置スペースを約14%削減します。

図2 ECファン一体型と床下配置型の設置スペース比較
図2 ECファン一体型と床下配置型の設置スペース比較
※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。

(3)制御システムの別途構築が不要
空調制御の自立コントロール機能により、従来の水冷空調機で必要となる制御システム・機器の構築を大幅に簡略化します。空調機器単体のみならず、空調システム全体の構築コストを大幅に削減します。

(4)当社既存ソリューション(空調制御システム)との親和性
同製品と当社が提供しているデータセンター用空調制御システムSmart DASH®*4及びUnified Cooling®*5と組み合わせて使用し空調システムの運転制御を効率化することで、データセンターの空調システム全体の消費電力量を最大45%程度削減することが可能です。

(5)価格の低減を実現
部品・構成品などを汎用化することで製造を合理化したデータセンター専用空調機を、商流に他の代理店等を一切挟まずに、STULZハンブルク工場から直接調達することで、優れたコストパフォーマンスを実現します。

3.製品ラインアップおよび仕様

図 製品ラインアップおよび仕様
※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。
製品外観
写真 CyberAir 3 CWUタイプ
〈CyberAir 3 CWUタイプ〉

4.製品保守について

 当社は、日本におけるSTULZ現地パートナーとして、同製品の保守サービスも提供します。保守サービスの提供に際しては、通信設備の保守で培った豊富な実績・ノウハウを有する当社保守拠点を活用し、定期点検・故障駆付け・修理といった一連の保守メニューを高い品質で提供します。
 調達・構築・保守を一元的に提供する当社だからこそできるトータルソリューションにより、データセンターファシリティの品質向上と構築・運用コスト削減に貢献します。

5.STULZ GmbH社について

 STULZ GmbH社は、ドイツ・ハンブルグ市に本社を構える1947年創業の精密空調メーカのリーディングカンパニーです。現在、可用性が高く、かつ最も省エネ性能の高い空調機として、STULZ製の精密空調機が全世界の通信局舎やデータセンターの冷却に活用されています。
 STULZ社は、ドイツ国内はもちろん、フランス、オーストリア、イタリア、英国、オランダ、ニュージーランド、ポーランド、スペイン、シンガポール、中国、インド、南アフリカ、オーストラリア、米国の世界14ヶ国の現地法人で勤務する2,000名の従業員と、世界110ヵ国以上に有する現地パートナーとグローバルに連携し、空調技術に関するプロフェッショナルサービスを提供しています。

6.今後の展開

 今後は、2018年度までにデータセンター向け水冷空調国内シェアの30%獲得と同製品の関連事業について、累計売上100億円超を目指します。

注釈・用語説明

*1 CyberAir 3
「Cyber Air」は、STULZの登録商標です。
*2 ECファン
ECファンとは、動力にECモータを使用したファンです。ECモータは、固定子に永久磁石が使われ、回転子(電機子)にコイルを使って構成されるDCモータのうち、機械的接点を無くしたブラシレスDCモータのことを言います。(半導体素子であるホールICを使用して電子的に整流していることからEC:Electronically Commutatedと呼ばれる。)ECモータでは、大型のファンなどで一般的に使用されているACモータと比較して、銅損、鉄損、その他損失が小さいうえ、スリップ損失が原理上発生しないため、約30%損失が低減されます。さらに、同製品のECファンには、材料にグラスファイバーを用いることで軽量化を達成するSTULZ社独自の技術が採用されており、業界トップクラスの省エネ性能を誇っています。
*3 空調ファン消費電力
空調ファンの消費電力は、空調システム消費電力の約40%を占めます。空調ファンの消費電力を48%削減することにより、空調システム全体では約20%の消費電力削減が可能となります。
*4 Smart DASH®
サーバルーム内の温度情報を元に空調機を自動制御し空調の消費電力を削減します。冷水空調システムにおいてSmart DASH®は空調機のファン動力を削減します。また、空冷パッケージ式空調においては、空調機のファン動力の他、圧縮機動力も含めて最大30%の消費電力が削減可能です。「Smart DASH」はVigilent Inc.の登録商標です。
*5 Unified Cooling®
データセンター内の冷水利用空調システムにおける熱源系(チラー)、送水系(ポンプ)の消費電力を削減する統合空調制御システム。空調機のファン動力を削減する当社製品「Smart DASH®」と組み合わせることで、空調システム全体に対して最大30%の消費電力削減が可能です。「Unified Cooling」はNTTファシリティーズの登録商標です。
図3 当社空調システムソリューション
図3 当社空調システムソリューション
※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。
本件に関するお問い合わせ先
本件に関する報道機関からのお問合せ先
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室
MAIL:pr@ntt-f.co.jp
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コンタクトセンタ 0120-72-73-74
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