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平成19年11月15日

株式会社NTTファシリティーズ

直流電源システム「DC POWERシリーズ」
薄型・高出力ラックマウントタイプ整流装置を商品化

~ICT装置の高密度化に柔軟に対応~


 株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 森勇)は、19インチラックに搭載可能な、薄型・高出力の新型整流装置を商品化しました。
 本装置は、サーバー及びストレージ等のICT装置の高密度化に伴う所要電力の増加に対応して、従来品に比べ、整流器ユニットの高効率・高出力・薄型化を図ったことにより、一層の省エネルギー・省スペース化を実現します。また、ICT装置の新・増設に対応する電源出力の変更に対しては、整流器ユニットの追加によりフレキシブルに対応可能な優れた拡張性を有しています。
 本装置を用いた直流給電システムは、UPSを用いた一般的な交流給電システムに比べて、その高信頼・高効率性(図1)によりTCO削減に寄与するとともに、地球環境に優しい電源システムとしてご利用していただくことができます。

1.開発の背景
   これまでNTTファシリティーズでは、データセンターの大規模化と高性能化に伴うエネルギー消費の爆発的な増加トレンドを予想し、2000年に「i-DC POWER(直流化推進)プロジェクト」を発足し、電源の「直流化」を推進してきました*1
 現在、ICTは生産、物流、コミュニケーションといった多種多様な分野で活用されるようになり、今後企業のICT投資はますます活発になると予測されています。一方、最新のICT装置は飛躍的な性能向上と高密度化により所要電力の増大が大きな課題となっています。具体的には、2000年頃に構築したデータセンターおけるICT機器の平均実装密度に対し、現在では約二倍になっています。ラックレベルでは5倍以上になるケースも珍しくなく、今後も増大傾向が継続すると見込まれています。
 今日の情報通信技術の利用拡大に伴って急増するエネルギー消費は、温室効果ガスの新たな大量排出源となりつつあり、世界的規模での対応が急務となっています。北米では産官学の連携の下、エネルギー消費抑制・環境負荷抑制等の観点から省エネルギー化・高効率化に関する技術開発が活発化しており、エネルギー効率、TCO削減の視点から直流給電の適用も注目されています。
 このため、NTTファシリティーズでは、これまでの直流化推進活動の実績を基に一層の高効率・高出力・薄型化を図り、データセンターおよびICT装置の省エネルギー化(高効率化)・TCO削減に貢献するとともに、地球環境にやさしい直流給電システムの普及活動を推進してまいります。

2.新型整流装置の特徴
 新型整流装置は、従来品の機能・性能を踏襲し、一層の高効率化、省スペース化、優れた拡張性を実現し、以下のような特徴を有します。従来品との比較を表1、図2に示します。

(1) 整流器ユニットの高変換効率を実現
低損失部品の採用により業界最高水準の高効率(入出力定格時:90%以上)化を実現しました。
(2) 高密度化により省スペース化を実現
熱設計の最適化を考慮した構造設計により、ユニット高さ1U(44.45mm)の高密度化を実現しました。これにより19インチラック内のスペースを有効利用することが出来ます。
(3) 優れた拡張性・保守性を実現
拡張性に優れた基本設計により、ユニット台数の選択によりICT機器の所要電力に合わせた柔軟な装置構築が可能です。
また、直流電源システムでは、システムを停止させずにホットスワップ*1によりユニット交換も安全且つ容易に実施可能となっています。

表1:電源ユニット主要諸元
項目 規格
開発品 従来品

定格 連続 連続
冷却方式 強制空冷 強制空冷
変換方式 高周波スイッチング 高周波スイッチング

相数 単相2線 単相2線
電圧 AC200V/AC100V AC200V/AC100V
力率 0.95以上 0.95以上

定格電圧 -54.6V -54.6V
定格電流 30A/15A 20A/10A
変換効率 90%以上
(200V入力、出力定格時)
87%以上
(200V入力、出力定格時)


ユニット高さ 1U(42mm) 3U(129mm)
質量 3kg 2.5kg
図2:従来品との比較(3kWシステム)

※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。

3.今後の展開
 TCO削減とともに、エネルギー消費抑制と環境負荷抑制に貢献できる実行可能なソリューションとして、直流電源システムをITベンダ・ユーザー・システムインテグレーター等へ積極的に提案していきます。

4.販売開始予定時期
平成19年11月末 受付開始、平成20年2月販売開始(予定)

用語説明
*1 ホットスワップ
電源を入れたまま、パーツやケーブルを交換すること。「活線挿抜」とも呼ばれる。
  *2 DC POWERシリーズ
参考URL:http://www.ntt-f.co.jp/i-dc/index.html

【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp

参考:直流化のメリット
ICT機器に適用する電源装置には、高い信頼性と効率が要求されます。
NTTファシリティーズが提案する直流給電方式は、以下のようなメリットがあります。

(1) 高信頼性
直流電源システムはシンプルな回路構成(図1)となり、停電時・故障時には直接バックアップ電源である蓄電池から給電するため、非常に高信頼のシステムとなります。
(2) 高効率性
直流電源システムでは、電力変換部(AC/DC or DC/AC)が3段から1段となるため、一般的な回路構成では給電効率が約15%アップし、電気料金を削減するとともに、地球環境への負担を軽減します。また、発熱が抑えられるため、空調コストも削減します。
(3) 拡張性・保守性
直流電源システムでは、システムを停止させずに増設が可能です。また、ホットスワップ*1によりユニット交換も安全且つ容易に可能となっています。

図1:DC給電方式とAC給電方式の比較

※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。
【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp

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