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2009年4月21日

日立とNTTファシリティーズがデータセンターの省電力運用管理基盤システムを開発
運用管理基盤による「見える化」と「連係制御」によりデータセンターを省エネ化

株式会社日立製作所
株式会社NTTファシリティーズ

 株式会社日立製作所 (執行役会長兼執行役社長:川村 隆/以下、日立)と株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長:森 勇/以下、NTTファシリティーズ)は、このたび、データセンターの省電力運用管理基盤システムを開発しました。本基盤システムを用いると、IT機器とファシリティそれぞれの稼動状況を共通のアプリケーション上で一元管理できます。すなわち、データセンターにおける運用情報の「見える化」と、双方の稼動状況に応じたきめ細かな「連係制御」ができ、データセンターの全体最適化を実現します。これにより、空調機を中心としたファシリティの消費電力を約10%削減することで、CO2排出量を年間約7万トン抑制します。
両社は、今後、本運用管理基盤システムを適用したデータセンターソリューションを、NTTグループ、日立グループのデータセンターをはじめ、一般のデータセンターに対しても提供することで省電力化を促進し、地球環境保護に貢献していきます。

1.背景

 近年、データセンターの消費電力は増加の一途を辿っており、特に、サーバ、ストレージ、ネットワークなどのIT機器と、ファシリティの中でもIT機器を冷却する空調機は、データセンター全体の電力消費に占める割合が大きく、それらの運用を最適化して効率的な消費電力の配分や電力負荷の低減を実現することは、データセンター事業者にとって重要な課題となっていました。
こうした要請に応え、データセンター省電力化プロジェクト CoolCenter50 を推進してきた日立と、環境性と経済性を両立させる Green Integration を推進してきたNTTファシリティーズは、2008年7月に協業を発表し、データセンターの省電力運用の全体最適化を行う省電力運用管理基盤システムの開発を進めてきました。

2.省電力運用管理基盤システムの概要

 IT機器とファシリティとの高度な統合運用を実現するために、日立の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony(ブレードシンフォニー)」、NTTファシリティーズの高効率空調機「FMACS-V(エフマックス・ファイブ)」に対して、下記の省電力統合運用のためのインターフェース情報を定義しました。

「BladeSymphony」:
稼動状況(温度、故障、運転状態など)および設定情報(冷却ファン風量設定など)

「FMACS-V」:
稼動状況(温度、故障、運転状態など)および設定情報(運転/停止、設定温度など)

これらを各機器に実装し、IT機器とファシリティの稼動状況および設定情報を、日立の統合システム運用管理ソフトウェア「JP1」とネットワークを通してやりとりできるシステムを、開発しました。これにより、IT機器とファシリティを一元的に管理し、省電力運用の全体最適化を行う基盤が整いました。

【省電力運用管理基盤システムのイメージ】
省電力運用管理基盤システムのイメージ
※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。

3.省電力運用管理基盤システムの応用と効果

(1)IT機器とファシリティの運用情報の「見える化」
IT機器とファシリティ双方の運用情報を通常時から異常時までリアルタイムで収集して、ビジュアルに「JP1」の管理画面上に表示することに成功しました。これにより、異常な状態やエネルギーの無駄が生じている箇所を早期に把握でき、迅速な運用改善に貢献します。また、IT機器とファシリティを一元的に管理することで、過剰な設備投資の抑制および運用の効率化に貢献し、消費電力を削減します。
(2)運用ポリシーを用いたIT機器とファシリティの「連係制御」
IT機器の入気計測温度*1と入気管理温度*2や、冷却ファンの風量情報といったIT機器の稼動情報を基に、空調機出力の最適値を判断し、過剰になりがちなデータセンターにおける空調機の冷房能力や風量を動的に制御する運用ポリシーを本基盤システムで実行します。これにより、過剰な冷却や送風を抑制し、空調機の消費電力を約10%削減することで、CO2排出量を年間約7万トン抑制します。また、空調機の稼動情報に応じてIT機器を制御する運用ポリシーにより、IT機器と空調機の消費電力の最適化を図り、データセンター全体の消費電力を削減します。

  • *1  IT機器内部を冷却するためにIT機器に吸引される冷気の温度の実測値
  • *2  IT機器内部を冷却するのに必要なIT機器に吸引すべき冷気の温度
【「JP1」の管理画面イメージ】
「JP1」の管理画面イメージ
※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。

4.今後の取り組み

 日立とNTTファシリティーズの両社は、本協業で定義したインターフェース情報を、他のITベンダやファシリティベンダも利用できるよう、「BladeSymphony」および「FMACS-V」の技術資料として公開していきます。さらに、日立はストレージ製品をはじめとする他のIT製品にも本機能を実装していくとともに、本機能を持たない製品や既存の製品向けには、日立センサネット情報システム「AirSense」で補完し、本機能に準ずる機能を実現していきます。NTTファシリティーズは「FMACS-V」以外にもラック型空調機「FTASCL(エフタスクル)」など他の製品にも本機能の実装を順次進めていきます。また、データセンター内に設置される各社の製品も含め、一括して監視・制御できるよう、本インターフェース情報に基づく技術を国際標準規格として国際標準化機関に提案する予定です。
 また、両社は、日立の横浜センタやNTTファシリティーズの首都圏の拠点をはじめとし、今後構築を進める一般のデータセンターに同システムを提供し、データセンター運用の更なる省エネルギー化を強く推進し、地球環境保護に貢献していきます。

5.商品名称に関する表示

 記載の会社名、製品名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先
(株)NTTファシリティーズ 総務人事部 広報室 TEL:03-5444-5112

ニュースリリースに記載されている情報は、発表日時点の情報です。予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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