1. ホーム >
  2. 導入事例 >
  3. 環境変化にあわせて進化するデータセンターがメガバンクの高度化を支える 株式会社三井住友銀行様・株式会社日本総合研究所様
導入事例

環境変化にあわせて進化するデータセンターがメガバンクの高度化を支える

株式会社三井住友銀行様・株式会社日本総合研究所様

 地球温暖化への対策については各方面で様々な取組が行われているが、企業活動においても省エネに対する取組が積極的に行われている。オフィスの場合、空調や照明の効率化対策は、比較的着手しやすいが、データセンターでは、システムの安定稼働を担保するために、十分な空調設備を配置し、且つ大量のサーバー群を冷却し続けることが必要な為、「温度環境」を維持しつつ省エネ活動を進める事は、非常に難易度の高い課題である。 三井住友銀行とそのデータセンター運用を担当する日本総合研究所(以下、日本総研)は、NTTファシリティーズとともにその難問に取り組んだ。

消費エネルギーの9割を占める電力の削減へ

 企業における省エネ活動は自主的な取組みだけではなく、改正省エネ法で事業者の規模に応じて省エネ基準が規定されている。もちろん金融機関も例外ではなく、オフィスや店舗での照明のLED化や空調のきめ細かい制御など細かな取組みを積み重ねている。
 三井住友銀行では、消費するエネルギーの9割を電力が占めており、電力使用量の削減がCO2排出量の削減につながるため、毎年度目標を設定し自助努力による削減活動を実施するほか、グリーン電力の購入などについても積極的に取り組んでいる。公表している電力使用量を見ると、2016年度は約158.6GWhで2015年度実績の約160.6GWhを下回り、電力使用によるCO2排出量は、グリーン電力の購入などが奏功し、2015年度約82,722tから2016年度約80,106tと着実に削減を図っている。

高密度化するデータセンターに対応できる空調システムの構築が課題

 三井住友銀行はもとよりメガバンクの場合、オフィスや店舗の省エネだけでは、銀行全体で見た場合の効果を出し難く、データセンターの省エネが鍵となる。銀行はオンライン化の開始以来、長期にわたり電算能力の拡大が進み、今では業務はコンピューター無くしてはあり得ない状況となっている。
 「三井住友銀行の場合、自行で抱えるシステム要員に加え、システム開発とデータセンターの運営を担当する日本総研、SIパートナーなどを合わせて、常時1万人以上のシステム要員が稼働している」(山下雷行・三井住友銀行システム統括部付部長)というように、その動員人数からもシステムの規模がうかがい知れる。
 メインのデータセンターは関東と関西に保有しており、そこで稼働するサーバーは1万台を超える。仮想化を取り入れることでサーバー台数の増大を抑制してはいるものの、業務の拡大とともにその台数は増加せざるを得ない。サーバーの台数が増えればそれらを冷却する空調に必要な消費電力も当然増大する。取り組むべき課題は、増加する サーバー台数に見合った冷却能力を確保しつつ、冷却に必要な消費電力をいかに抑制するか。であった。
 その空調システムの構築にあたり、三井住友銀行と日本総研が、パートナーとして選んだのがNTTファシリティーズだった。


三井住友銀行 システム統括部付部長 山下雷行氏

株式会社三井住友銀行
システム統括部付部長
山下雷行氏

株式会社 日本総合研究所 基盤開発部門 センター集約タスクフォース 
部長代理 村上武氏

株式会社 日本総合研究所
基盤開発部門
センター集約タスクフォース
部長代理
村上武氏

設備更改のタイミングで空調システムを戦略的に見直し

 日本総研では、今までもデータセンターの省エネ策を実施してきていたが、今般、関西のデータセンターにおいて新たな省エネ策にチャレンジした。
 同センターでは、総消費電力の1/3を空調機が占めていた為、空調設備更改のタイミングでNTTファシリティーズが開発した高効率の床置型空調機「FMACS®」の導入を2011年に決定。 さらにこのタイミングで運転方式を「稼働系・待機系方式」から「全台稼働方式」と変更し、1台当たりの負荷を軽減することで効率的に運転できるようした。
 日本総研ではさらに、サーバーが放出する「高温の排気熱」が周辺環境へ与える影響が大きいことにも着目し、サーバールーム全体の気流改善に着手した。 まず、サーバーを収容しているラックそのものの仕様から見直して吸排気方向の統一化を推進。 さらにその配置整理を行うことで、室内の“熱だまり”を解消した。このほか、冷気を囲い込むことで高温の排気と分離する「アイルキャッピング®」の構築や従来床下に敷設していた電源ケーブルをラック列の上部に敷設した「ミニバスダクト」へ収容し床下の気流スペースを確保するなど、気流の最適化を図った。これらの取組により、空調設備運転の更なる効率化を実現した。
 日本総研は、こうした一連の 「空調システムの構築」を進めるにあたり、NTTファシリティーズのソリューションを最適と判断した。


温度分布表示/影響度分析表示

空調電力大幅削減と業務効率向上を実現

 その後サーバールーム内の温度分布のリアルタイムな可視化とAIによる空調の自動制御を可能にする「Smart DASH®」も採用。以前は「とにかく冷やすことに力点を置いてきた。システムを安定稼働させるにはそれが最優先課題だから。」と語るのは日本総研の村上武・基盤開発部門センター集約タスクフォース部長代理。更に村上氏は「当時は温度センサーの数も少なく、サーバールーム全体の温度環境を把握しきれず、ほとんど職人技の世界で空調設備の運転と温度管理を行っていた。そういった属人的な運用に対し、今後進む “高密度化していくICT機器” の流れを考えると運用面での危機感が強かった。」と続けた。 また、山下氏は「実際に温度環境を可視化できるのは非常に効果的だ。サーバールームの全体にわたる温度管理と調節が、Smart DASH®の導入で自動制御できるようになり、属人性を排除できたことによる不安感の解消だけでなく、温度管理に投入していた人材を他の業務に振り向けられるようになった」と、業務効率向上にも貢献していると語る。

Smart DASH®のシステム構成イメージ

Smart DASH®のシステム構成イメージ


 これらの新たな挑戦により、サーバーが使用する電力量は2010年度の約10GWhから2016年には約14GWhに増大したが、空調等の設備が使用する電力量は2010年度の約10GWhから「FMACS®」導入後の2012年度には約5.9GWhに削減。さらに「Smart DASH®」を導入した2016年度には約5.5GWhまで削減させることに成功し、その結果として空調設備等の電気使用料金の約45%カットを達成した。 また、データセンターのエネルギー効率の指標に用いられるPUE*についても関西のデータセンターにおいて2010年度の2.0から2016年度の1.3へと大幅な改善が図られる結果となった。

*Power Usage Effectivenessの略称。「データセンターの総電力量÷ICT機器の消費電力」で求められる。

「強い使命感」と「運用者目線」での対応が信頼と安心を

 空調システムの高度化にあたってNTTファシリティーズを選んだ理由について山下氏は「銀行のシステムはお客様の資産を守り抜くうえで絶対に止められない。同様に日本の通信インフラを支えてきたNTTファシリティーズの強い使命感にシンパシーを感じ、その品質を高く評価した。ハードウェアの提供だけではなく、私たちと同じ運用者の目線で話ができることが重要だった」と語る。
 村上氏は「空調機やサーバーラックなどのハード面から、その制御や運用方法などのソフト面まで一貫したデータセンターの効率化メニューを持ち、ワンストップで対応してくれる点がポイント」と語る。「まさに運用者の目線で、我々の要求を即座に理解し対応してくれる能力が抜きん出ている」と高評価を与えている。

 今後も銀行業務の拡大や高度化に伴い、データセンターのインフラ設備は常に進化を求められることになる。山下氏は語る。「今回、想定を大きく上回る成果が出たが満足はしていない。持続可能な社会の実現を目指し、絶対の信頼性を兼ね備えた更に高効率なインフラ設備を追い求める。そのためにも最新のトレンドや技術力を持つNTTファシリティーズには、これからも<羅針盤>となって私たちをサポートしてくれることを期待している。」

<FMACS><アイルキャッピング>は、株式会社NTTファシリティーズの登録商標です
<Smart DASH>は、Vigilent社の登録商標です

お客様概要

株式会社三井住友銀行
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号
17,709億円
29,283名(2017年3月末現在)
銀行業

株式会社 日本総合研究所
(東京本社)東京都品川区東五反田2丁目18番1号 大崎フォレストビルディング
(大阪本社)大阪市西区土佐堀2丁目2番4号
100億円
2,442名(2017年3月末現在)
受託開発ソフトウェア業、経営コンサルタント業

導入事例一覧へ

このページの先頭へ