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CASESTUDYPROJECT事例
2019年1月31日

帝京大学八王子キャンパス
~SORATIO SQUARE~

帝京大学八王子キャンパス

 半世紀にわたり地域と共に歩んできた帝京大学八王子キャンパスに,新たなランドマークが登場しました。キャンパス再編の一環で建設された,高さ100mの超高層建築「SORATIO SQUARE」です。プロポーザルを経て,NTTファシリティーズが設計・監理を担当しました。
 プロジェクトの完成までに,7年の歳月を費やしました。老朽化した既存校舎の解体を進めながら,キャンパス内に分散していた機能を約10万㎡の床面積の新棟に集約し,適所に緑地や広場が配置された“環境共生キャンパス”の実現を目指しました。

多摩丘陵の東端に位置する敷地は広さ約12万㎡。老朽化した既存校舎を段階的に整備・解体していくことにより,工事中もキャンパス内の機能を継続した。これにより63カ月の工期を要した

丘陵の魅力を生かした郊外立地型キャンパス

 計画にあたり3つのコンセプトを掲げました。1つ目は「Sequence─丘陵の風景と調和する」です。SORATIOSQUAREは,キャンパスの重心となる丘陵地頂部に位置します。建築との対比によって緑の山並みや地形がより鮮やかさを増し,自然と建築が一体的な“景観系”としてバランスし,調和することを企図しています。2つ目は「Context─場所の記憶を継承する」です。キャンパス内では旧石器時代の考古資料が発見されています。土地の記憶と大学の伝統と知の積み重なりを「地層」になぞらえ,建築として体現することをテーマに掲げました。3つ目は「Linkage─地域と共生する」です。地域における大学の存在感と景観的なランドマーク性を高めることで,今後の魅力ある街づくりを誘導する牽引力を持たせたいと考えました。
 これらのコンセプトを具現化するように,タイルと横連窓による水平ラインを強調したSORATIO SQUAREの低層部は,あたかも丘陵の地層が隆起したようなデザインです。6層吹抜けのエントランスホールや1,000人規模の大ホールなどの大空間のほか,大学の歴史と地域の文化を展示する博物館などを配置しました。特徴的な空間の一つが,柱のない約32mのロングスパン空間を実現した低層部最上階の食堂です。張弦梁の屋根架構を採用することで,明るく広がり感のある空間となるよう計画しました。

多様な活動を立体的につなぐ動線計画

 約16,000人の学生を擁する八王子キャンパスは,各校舎に学部指定がないため,休憩時間に移動しやすい動線計画とすることも重要なテーマでした。シミュレーションを基に,低層階のエスカレーターと高層階のエレベーターを効果的に配置して垂直移動をスムースにしたほか,廊下などの水平動線については集中移動人数を想定した幅員や面積を確保しました。また,廊下の交差部や階段室付近に「交流ラウンジ」,吹抜け空間に「アカデミックラウンジ」をそれぞれ配置することで,学生や教職員の交流や課題発表の場としています。

頂部に設けた自然換気窓により,「風の道」として機能するエントランスホール

地層の断面をイメージして重厚感のある色味でデザインした1,000人ホール

フロア間の視認性が高い吹抜けに面して設けた「アカデミックラウンジ」

張弦梁の屋根架構を採用することで柱のない約32mのロングスパン空間を実現した食堂

環境に配慮した「スマートキャンパス」を目指して

 本計画においては,キャンパス機能の集約化により,敷地内に新たに約13,000㎡の緑地を創出すると共に,積極的な自然エネルギー利用やアクティブなシステムを最適制御するBEMSによって,環境に配慮したスマートなキャンパス構築に取り組んでいます。
 また,平常時の環境への取り組みや省エネ施策が,そのまま災害時の信頼性,事業継続性につながる“Smart & Safety”の考え方のもと,キャンパスの事業継続性(BCP)の観点だけでなく,周辺地域も視野に入れた広域的な地域継続計画(DCP)の拠点施設として,電源の多重化や災害用水の確保,防災空地としての広場整備等にも配慮した計画としています。
 スマートキャンパスが今後も醸成していくことを楽しみにしています。

ビル風の影響を低減するために南北コーナーを曲面形状とした高層棟ボリューム

所在地東京都八王子市大塚359
施主学校法人帝京大学
設計・監理NTTファシリティーズ
敷地面積116,327.55㎡
建築面積13,804.88㎡
延床面積93,463.36㎡
構造・規模RC造,一部S造(免震構造),地下2階,地上22階
工期2012.12~2017.11


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