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Case Study

まちの中心にあるNTT局舎を活かし、地域と共生するまちづくりに貢献
― オーベルジュほまち 三國湊② ―

2024年10月23日

「オーベルジュほまち 三國湊」プロジェクトで、NTT局舎のホテルフロントへのリノベーションを通じ、プロジェクトをバックアップしたのがNTTファシリティーズだ。三国の歴史と、そこで暮らす人々の思いをどのように盛り込み、今回のまちづくりに取り組んだのか。プロジェクトにかかわった同社担当者に話を聞いた。

魅力あふれる三国で観光まちづくりプロジェクトを

NTT西日本が主体となり実施した観光まちづくりプロジェクトである「オーベルジュほまち 三國湊」。

本プロジェクトはNTT西日本グループが注力する地域活性化事業のひとつとして進められ、古くからの文化や伝統がある三国湊で、地域全体でゲストをおもてなしするというコンセプトの滞在型観光拠点施設をつくることとなった。

三国エリアは、北前船で栄えていた時代の記憶が随所に感じられるまち。そのまちの中に点在する宿泊棟とレストラン棟は、地域の空き家となっていた伝統的な町屋をリノベーションして利用。

西日本事業本部 北陸事業部長 田中 徹 氏(中央)
同事業部 ファシリティソリューション部 エンジニアリング担当
桜間 万里子 氏(右) 坂井 達樹 氏(左)

中枢となるフロント棟は、まちのなかでも中心に位置するNTT局舎の遊休スペースを改修して利用することとなり、NTTグループでまちづくりを担うNTTアーバンソリューションズグループの建築設計事務所 NTTファシリティーズがフロント改修の設計監理に参画することとなった。

プロジェクトは、事業会社であり、まちづくりに関係する地域企業が出資する会社である「アクティベースふくい」をはじめ、複数の企業が携わり進められてきたが、そのなかでNTTファシリティーズは、設計監理をはじめ、プロジェクトを多方面からサポートしてきた。

まちづくりにかかわる人々が意思決定プロセスに参加

プロジェクトを進める際には、三国の地に暮らす人々が大切に守ってきたまちの記憶を織り込むため、地域の関係者を巻き込んだ決定プロセスを大切にしたという。同社で設計を担当した桜間万里子氏は、「プロジェクトの推進に向けて関係者による会議を定期的に開催しました。アクティベースふくいやその出資会社、工事の施工者や町家のオーナー、地域の方々にもご意見をうかがい、ホテル名やサインの色、外壁の色といった細かいところにまでかかわっていただきました」と語る。外壁の色を一緒に選んだ地域の方からは、まちが明るくなったというコメントなど、地域の関係者もより身近にプロジェクトに携わることができたのではないかと振り返る。

そうしたプロセスを経たことで、フロント、レストラン、宿泊棟の建屋は点在しているものの、それぞれがまち並みに溶け込む形で統一感を持たせることができた。同じく設計を担当した坂井達樹氏は、「オーベルジュほまち 三國湊の宿泊者が最初に訪れる場所はこのフロントになります。周囲と調和する木ルーバーや、地産の笏谷石を配したアプローチ、北前船の帆をイメージした帆布など、三国の繁栄を象徴するアイテムを散りばめ、オーベルジュほまち三國湊のコンセプト<日本文化の宝箱>をまず実感してもらいたい」と話す。

フロント内観(左)NTT局舎を活用したフロント棟(右) 写真撮影:株式会社エスエス 北陸支店

歩くだけでわかる居心地の良さ北陸ならではの特色を生かしたい

これまでのNTT局舎における利活用事例は、建物の中で完結する取り組みが大半であり、今回のように地域全体を巻き込んだプロジェクトに関わるのは初めてのケース。フロントの設計監理業務に加わる前段階から、局舎利用の体制づくりなどさまざまなコーディネートを行ってきたという。

同社北陸事業部長の田中徹氏は「私たちはNTTアーバンソリューションズグループの一員として、まちづくりに貢献するというミッションを持っています。今回のプロジェクトのような、局舎の利用にとどまらない地域に寄り添ったまちづくりが進められたということで、ようやくその一歩を踏み出すことができました」と、プロジェクトの意義を強調する。

また、プロジェクトは稼働し始めたが、他スペースでも、まちづくりのアイデアを提案したいと考えている。桜間氏は「局舎2階からは三国祭がよく見えるので、見学イベントを企画できそうですし、観光客がどのようなルートでまち歩きをしているかをデータ化することで、より効果の高いまちづくりができると考えています。プロジェクトをきっかけに、まちがさらに元気になるような活動が広がっていけば嬉しい」。坂井氏は「観光客が三国の文化に触れて、地域の方々と交流できるような場が増えると良いのではないか」と、それぞれの思いを語った。同社ではまちが持続的に発展していくよう、NTTグループとしてICTを活用したウォーカブルなまちづくりにより一層寄与したいと考えている。

田中氏はオーベルジュほまち 三國湊の客室を巡った際に、地域住民が温かく出迎えるように挨拶してくれる姿に何度も出会った。「私自身は北陸の出身ですが、域外の方でも、自らまちに溶け込んでいるような感覚を味わえると思いますし、歩いて回るだけで居心地の良さを感じられるのは北陸ならでは」だと胸を張る。

「今般のプロジェクトを起点として、NTTグループのめざすまちづくりのひとつのケースが結実した。今後も地域に寄り添い、北陸の風土や誇り、特色を生かした地域と共生するまちづくりを進めていきたい」と、展望を語った。

動画でのご紹介

地域の資産を生かしたまちづくり<ダイジェスト版>

地域の資産を生かしたまちづくり<通常版>


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