NTTファシリティーズ
FeatureNTTファシリティーズジャーナル
2021年8月6日

「安心・安全」「生産性」×「先進テクノロジー」ワークプレイス最新事例〜NTTファシリティーズ 東北支店リニューアル〜

「第34回 日経ニューオフィス賞 東北ニューオフィス推進賞」受賞 >

2021年5月,NTTファシリティーズ東北支店のワークプレイス整備が完了しました。
先進テクノロジーを活用し,コロナ禍での安心・安全と生産性向上の両立を目指した最新の取り組み事例として本プロジェクトをご紹介します。

写真1 東京中央電信局増築後(1925年竣工)

1 リニューアル後のオフィス。組織単位のフリーアドレスで,感染対策とチームワーク向上を両立
2 イノベーションフィールドの展示コーナーでは最新プロジェクトを紹介
3 リニューアル前のオフィス

コロナ禍でのワークプレイス整備

 NTTファシリティーズ東北支店は,1979年竣工のNTT 五橋第2ビル(宮城県仙台市)に約200名が入居しています。日頃は東北エリアにおける事業拠点として,通信サービスにかかわる電力・建築業務をはじめ,公民連携による美術館,総合運動公園,天文台など設計・維持管理業務を通じて地域の安心・安全,にぎわいづくりに取り組んでいます。東日本大震災時には,通信サービスの早期復旧に向けた復旧拠点にもなりました。
 近年,業務運営の見直しによる入居人員の増加や,建物・建物設備の老朽化による生産性低下に対して,フリーアドレスを導入したワークプレイス整備を検討しているなかで,新型コロナウイルス感染症への対応も喫緊の課題となり,新たな試みに挑戦しました。

フリーアドレス(共用)と感染防止の両立

 フリーアドレスは机・椅子等を共用するため,「もちこまない」「うつらない・うつさない」「ひろげない」を感染対策の基本スタンスとして総合的な対策を行いました(図)。その中で,新しい試みとして「コミュニケーションモニタリングシステムの感染対策への活用」と,「グループ空間区画」を取り入れています。
 1つ目の「コミュニケーションモニタリングシステムの感染対策への活用」は,ワークプレイス内での高密集状態を回避するために,社員の位置情報を活用してリアルタイムに注意喚起を行うというものです。LEDライトを取り付けた大型サイネージを壁面に設置し,常時密集状況を表示すると共に,高密集状態が発生するとサイネージ画面に高密集エリアを表示し,ライトが点滅する仕組みになっています。
 2つ目の「グループ空間区画」は,各グループ(組織)の間にメッシュ素材を採用した簡易な間仕切りを設置することで活動範囲をストレスなく限定するというものです。ワークプレイス全体のつながりを確保しながら,非常時(感染症拡大期)には,透明シートを取り付けることでグループ空間区画の独立性を高め,万が一罹患者が発生したとしても,全フロアの利用停止にならないように運用することを想定しています。

※ フェーズフリー:日常時はもちろん,非常時にも役立てることができるという考え方

図  コミュニケーションモニタリングシステムを活用した感染対策
社員位置情報等をデータ基盤(プラットフォーム)で一元的に管理し,リアルタイム情報や蓄積データ分析,データの組み合わせで,生産性向上と感染対策(もちこまない・うつらない・うつさない・ひろげない)を両立するフェーズフリーなオフィスを実現

ABWの採用,「自分たちでつくる」で生産性向上

 ワークプレイスの生産性を高めるために様々な取り組みを行いました。一般的にはABWを実現する一つの要素であるフリーアドレスは,長年親しんだ個人机を廃止することになり,社員の理解を得るのに時間を要するのですが,今回,ワークプレイス改革をドライブするために結成した若手中心のワーキング活動がうまく機能しました。ワーキングメンバーが中心となって目指すオフィスのイメージを全社員に共有し,業務に応じて様々な場所を選択できる働き方とその魅力を深める活動を通じて,フリーアドレス,ABWへスムーズに移行できました。
 また,旧来の対向島型・管理者ひな壇形式を一掃し,日々の活動のベースとなるグループテーブルを中心に,「コラボスペース」や「フォーカススペース」などを設え,また,入居フロア最上階には地域や他企業との共創を生むイベントや展示を行う「イノベーションフィールド」を設けました。
さらに,天井の塗装や家具の組立てへの参加や,自社の歴史を示したサインボードの作成など「自分たちでつくる」を実践することで,ワークプレイスへの愛着がより高まりました。
 整備を終えた今,社員からは「密集状況がわかるサイネージがあることで自然と混んでいない場所を選んでいるし,安心して働ける」などの声もありますが,新しい働き方に馴染めずにいる人もいます。今後もワーキング活動を継続し,働き方,ワークプレイスの使い方のサポートを行うと共に,ワークプレイス利用状況やコミュニケーション状況のモニタリングを行い,収集したデータをもとにワークプレイスの改善を続けていくことで,安心・安全で生産性を高めるワークプレイスをアップデートしていきます。


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