NTTファシリティーズ
Technical paperテクニカルペーパー
No.001

DCIMによる統合管理

1.DCの動向とDCIM

 ICT*1 システムが社会生活を支える重要なインフラとなった現在,情報を管理するデータセンター(以下,DC)の役割は重要性を増しています。ユーザーの利用形態や,DC事業者のサービスは多様化・複雑化の一途をたどっており,市場のニーズも刻々と変化しています。またICT装置,空調・電気設備,建物の関係がより密接になっており,統合的な管理が必要とされています。

 こうした状況の中,Data Center Infrastructure Management(以下,DCIM)は,DCを統合的に管理するために必要なツールとして注目されています。DCIMを活用することで,DCの運営が大きく変わります。

  • *1 ICT(Information and Communication Technology):情報技術だけではなく,インターネットのような通信技術を利用した産業やサービスなどの総称。ITがハードウェアやソフトウェア,インフラなど,コンピュータ関連の技術そのものを指しているのに対し,ICTはネットワーク通信を利用した情報や知識の共有が重要視される場合に用いられる

1.1  DCの動向

 DCは,サービスのクラウド化によるデータ量の増加や仮想化と,AIを利用したサービスの高度化に対応できる処理能力が求められています。このような要求を満たすためには,ICT装置単体での処理能力のアップやICT装置の追加によりシステム全体としてパフォーマンスを向上させるなどのアプローチが必要となります。状況や目的に応じてアプローチの仕方は異なりますが,いずれの場合においてもラックもしくはサーバールームなどの限られたスペースで性能を向上させるため,高密度化は避けられません。また,処理能力が高いICT装置は大量の電力を消費します。消費された電力は熱となるため高発熱化が避けられず,そのための空調設備が必要となり,さらにDCの消費電力は増加していきます。

 その結果,DC事業者は,ICT装置,空調・電気設備などを安定して稼働させることに加えて,ICT装置やサーバールームの高密度化,高発熱化,消費電力の増加による温度環境の変化やエネルギー消費も考慮した運用をしなければなりません。

 こうした複雑な環境を管理するためのツールとして,DCIMが注目されています。

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