1.期待される太陽光発電の拡大
NTTグループでは,1962年に公衆電話用の自立電源として太陽電池を導入するなど,黎明期から太陽光発電の可能性に着目し研究開発に取り組んできました。2011年の東日本大震災以降,原子力発電に代わる電源として太陽光発電が注目され,FIT制度*1の導入により急速に太陽光発電所の建設が広まりました。2019 年度は年間690億kWhの発電量であり,日本の総発電量の6.7%を占めるに至っています*2。近年の気候変動対策やカーボンニュートラルへの取り組みとして,太陽光発電のさらなる拡大が
期待されています。
太陽光発電所は長期間にわたり運用するため,太陽光パネルの故障を早期に発見して対応することで,計画通りの発電量を維持することが重要です。近年は,メガソーラーと呼ばれるMW級の大規模な太陽光発電所が建設されており,広大な設備を効率的に点検する必要があります。産業技術総合研究所は,太陽光パネルの故障率を約0.5%/年と報告しています文献1)。例えば,1MWの太陽光発電所では約3,500 枚の太陽光パネルが使用されることから,毎年17.5枚の故障が発生する計算になります。
NTTファシリティーズは,全国で88カ所,合計324MWの自社太陽光発
電所の構築・運営を行っており(2020年3月現在),業務を通じて様々な
故障案件のデータを蓄積しています。本稿ではこうした知見をもとに,メ
ガソーラーの太陽光パネル故障を効率よく検出する,ドローンとストリン
グ計測システムを用いた故障検出技術を紹介します。
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