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Technical paper
No.017

ICT装置用空調機の環境性能向上に向けた取り組み

1.ICT装置用空調機の背景
1.1 ICT装置用空調機とは

現代社会において、情報通信インフラは社会活動や経済活動を支える基盤として極めて重要な役割を担っています。このインフラは,演算処理を行うサーバーや、所内外のネットワーク通信を行う通信装置、データを蓄積するストレージなどのICT装置によって構成され、これらを収容している建物はデータセンターと呼ばれています。データセンターの規模を表す際はMW(メガワット)など、ICT装置が消費する電力の単位が用いられます。ちなみに1MWは、一般家庭の200~300世帯分にも相当する電力となります。
SNSやクラウドサービスなどを含め、社会生活や企業活動等において取り扱われるデータ量が増大しており、サービスにアクセスするための通信需要も増加が見込まれています。科学技術振興機構(JST)は、エネルギー効率の改善状況に応じたデータセンター・ネットワークの消費電力量の見通しを示しており、現時点の技術のまま全く省エネルギー対策が進まなかった場合、消費電力量は今後,大きく増加すると予想しています。
国際エネルギー機関(IEA)の報告によると、2022年の世界のデータセンターの電力消費量は約240~340TWhであり、これは世界の最終電力需要の約1~1.3%に相当します。またIEAの分析によると、2026年にはデータセンターの総電力消費量が1,000TWhを超える可能性も指摘され,これは日本の年間電力消費量に匹敵します文献1)。この消費量のうち、ICT装置を冷却するために使われる電力量は、全体の約3割を占めています。
ICT装置には動作温度範囲が定められており、過負荷による発熱などによってこの範囲を逸脱すると故障や強制停止に陥り、通信障害やクラウドサービス停止といった重大なインシデントにつながる可能性があります。したがってサービスを継続的に提供するためには、ICT装置を適切な動作温度範囲に収まるよう確実に冷却することが不可欠です。
冷却方式は、データセンターの規模などから求められる拡張性や導入スピードが異なるため、それぞれに適した方式が選定されます。新規で建設される30MWを超えるようなハイパースケールのデータセンターは数万台のサーバーを管理するため、スケールメリットを生かした高効率な中央管理が主流で、採用される冷却方式は、水冷方式やコールドプレート冷却方式、液浸冷却方式などがあげられます。新規の中小規模のデータセンターや、既存のデータセンターでの増設では設置スペースが限定される、あるいは迅速な導入が必要とされることも多く、シンプルで拡張性の高い方式が導入されることになり、個別分散方式の空調方式が選定されることが多くなります。

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