NTTファシリティーズ
FeatureNTTファシティーズジャーナル
2019年7月9日

データセンターをめぐる環境変化

社会インフラとして成熟したデータセンター

 デジタルトランスフォーメーション(以下,DX)によって変革を続ける社会。それと共に,その屋台骨であるデータセンターにも大きな変化が訪れています。
 業務システムのアウトソース向けサービスが主だったデータセンター需要は,いまや世界規模でクラウドサービスが展開され,DXを牽引するメガクラウドベンダーがその中心となっています。ITジャイアント,ハイパースケーラーなどとも形容される彼らの投資スピードは凄まじく,国内で新設されるデータセンターの過半は,彼らを対象としたものだといわれています。
 こうした中,国内の新設データセンターでは,超大規模なハイパースケールデータセンターが存在感を増しています。ハイパースケールデータセンターは,メガクラウドベンダーなどの特定の大口需要家を対象として構築され,収容ラック数は1,500ラックを超え,ラックあたりの消費電力は8kW以上となるような大規模・高密度なものになります。富士キメラ総研によると,2018年時点で3万程度だった国内全体のハイパースケールデータセンター内でのラック総数は,2023年には8万ラックを超えると予測されています*。
 また,AI,ディープラーニングといったいわゆる次世代型のワークロードは,さらに極端な電力高密度化の流れを生んでいます。他方,5GやIoTへの対応として,情報処理拠点を小規模に分散配置するエッジと呼ばれる新たな概念も議論されています。

  • *出典:富士キメラ総研「データセンタービジネス市場調査総覧 2019年版」

データセンターはどこへ行くのか

 ハイパースケールデータセンターや次世代型ワークロードの進展により,新設データセンターの要求条件が変化している一方で,既存のデータセンターも転換期を迎えています。クラウドサービスの拡大,ファシリティスペックの陳腐化によって競争力が低下したデータセンターが,閉鎖や売却されるケースが散見されるようになってきました。さらに,このようなデータセンターを舞台として,他業種からのデータセンター事業への参入もみられます。
 また,かねてからのデータセンター運用の最大の課題の一つである消費エネルギー削減は,事業課題としてだけでなく,RE100やSDGsなど社会的要請としても対応が求められるようになっています。
 データセンターを取り巻くこうした環境変化は,データセンターが単なる特殊施設ではなく,社会インフラとしての成熟期を迎えたために生じているといって良いでしょう。データセンターの構築・運用の適正化は,もはや社会的使命として捉えるべき時代になりました。
 「社会インフラとなったデータセンターはどこへ行くのか」。
 NTTファシリティーズは,その未来を描き,データセンターの進化に挑戦し続けます。

データセンターの要求条件の変化と関連する社会状況

データセンターの要求条件の変化と関連する社会状況


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