NTTファシリティーズ
FeatureNTTファシティーズジャーナル
2020年1月20日

働くエンゲージメントの輪が広がる
ワークプレイスを目指して

今までの概念を打ち破り、総務の新しい業界標準を創出する

左:廣松 茂 株式会社NSFエンゲージメント代表取締役社長
右:小牟田 保 株式会社NTTファシリティーズ取締役

小牟田:設立に向けて準備を進めてきたNSF エンゲージメントが,2019年10月1日にいよいよ事業を開始しました。
 私は日本のメジャーな産業は製造業だと思っていまして,この分野に向けたファシリティマネジメント&ワークプレイスソリューション事業で,一緒にこれからいろいろ面白いことができそうだと期待しているのですが,廣松社長は製造業を取り巻く事業環境をどのように見ていらっしゃいますか。

廣松:製造業を取り巻く事業環境にはいくつかの大きな課題があると思っています。中でも一番大きいのは,ものづくりのノウハウをどうやって継承していくかということです。これはなかなか根深く,どの企業でも抱えている問題だと思います。例えばソニーの場合,海外で生産を行っている製品も多く,しかも海外は人の入れ替わりが激しいです。そうした状況で,ものづくりのノウハウをどうやって社内に残していくか,ソニーの品質基準を担保した製品を製造していくか,は非常に大きな課題だと認識しています。

 そのために,ものづくりの現場では生産技術・製造技術の面でいろいろな取り組みをしてきたのですが,残念なことにものづくりを支える施設・設備等のファシリティは蚊帳の外になることが多かった。それというのも,ソニーの製品は,技術を開発する,商品を設計する,商品をつくる,この3つを中心に競合他社と競争しています。特にソニーは,世界初,世界最小,といった「世界something」にとてもこだわっています。しかし,ファシリティに関してはそれがない。あくまでもサポート機能なので「世界something」は求められないし,携わっている人もあまりこだわらない。ファシリティを意識しなくても製造事業所の運営はできるわけです。私自身,NSFエンゲージメントの社長になる前,ソニーグループの生産の責任者だった副社長の下に5年半いたことがありますが,ファシリティを意識したことはほとんどありませんでした。
 しかし今では,環境対応への要求は高まっていて,製造現場とファシリティの緊密な連携が求められています。

小牟田:そのような事業環境に対応しつつ,いかに働く人たちにとって働きやすい場をつくっていくかということが,NSFエンゲージメント設立の思いでもあるわけですね。事業開始に至るまで一緒にいろいろ検討させて頂いたり,国内外のソニーの製造事業所などを見学させて頂いたりして,私自身気づきもありました。
 世の中では「Smart Factory 4.0」とか「Industry 4.0」などと言われ,工場の機械化・省人化が進行していますが,結局のところ,ものをつくるのは人です。だから,働く人たちのモチベーションをどう高めるか,会社とのエンゲージメントをどうつくっていくか,場の構築とその後の運用といったところに対して,NSFエンゲージメントが“場から人をエンゲージメントする”ことでいかに貢献していけるか,ということを最近では思うようになりました。

図 NSFエンゲージメントの企業理念

廣松:私たち以上に私たちの良さや目指していることを理解してくださっている(笑)。非常にありがたいです。もともと新会社の母体はソニーの“働く場”を支えてきた「総務の専門家集団」ですし,NSF エンゲージメントという社名は,New Standards for Engagementの略です。私たちの企業理念のミッション,ビジョン(図)にもかかわってくるのですが,社会に数多くある基準,スタンダードに対してNTTグループとソニーグループの技術力をベースに,今までの概念を打ち破り,ファシリティの専門家がイニシアチブを取る「総務の新しい業界標準の創出」を目指したいという思いがあったからなのです。

図 NSFエンゲージメントの企業理念

会社概要

会社名
株式会社NSFエンゲージメント
本社所在地
東京都品川区北品川6-7-29 ガーデンシティ品川御殿山3F
株主構成
NTTファシリティーズ 66%
ソニーコーポレートサービス 34%
社員数
約500人
事業内容
総務サービス,ファシリティソリューション,ワークプレイスソリューション,環境・エネルギーソリューション,リスクソリューション,保険ソリューション,トラベルサービス

沿革

2019年10月
「株式会社NTT ファシリティーズ」と「ソニーコーポレートサービス株式会社」のファシリティマネジメント&ワークプレイスソリューション事業等に関する合弁会社「株式会社NSF エンゲージメント」として事業開始
2019年5月
「株式会社NSF エンゲージメント」設立
2012年7月
「ソニー・ヒューマンキャピタル株式会社」と「ソニーファシリティマネジメント株式会社」が合併し,「ソニーコーポレートサービス株式会社」として事業開始
2005年8月
「ソニー・ヒューマンキャピタル株式会社」はソニー企業株式会社よりトラベル事業,保険事業を移管
2001年1月
「株式会社キャリア・デベロプメント・インタナショナル」と「ソニー・ヒューマンキャピタル株式会社」が合併し,「ソニー・ヒューマンキャピタル株式会社」として事業開始
1999年7月
「ソニー株式会社」より総務オペレーション機能が移管され,「ソニーファシリティマネジメント株式会社」に商号変更
1992年10月
「株式会社ビルド」と「株式会社 共同セキュリティーエージェンシー」が合併し,「ソニーファシリティサービス株式会社」設立

響き合うソニーグループとNTTグループのバリュー

小牟田:技術者の育成,技術の継承というのは確かに大きな課題で,実は我々,27年前からファシリティの分野でこの課題に取り組んできました。というのも,当社の前身である電電公社の建築部はトップクラスの技術力を誇っていましたが,昭和後半から平成にかけて電話局の建設がなくなるにつれて,このままでは優秀な技術者がいなくなって技術力が低下しかねないという状況になっていました。
 そこで,技術力を発揮して新しいことに挑戦していける環境をつくろうということを目的の一つとして,1992年12月にNTTファシリティーズが発足したのです。ですから,今のお話は非常に共感できます。

廣松:ソニー本社ビルにしても大規模なリニューアル後は,かなり高い評価を頂いています。以前は無機質な感じでソニーらしさが表現できていないことに多くの人が問題意識を持っていました。しかし,解決するために何から始めたらよいのか分からなかった。そして,これまでのやり方を変え,新しいことを始めるためには相当量の情熱と部署間の調整が必要となるため,問題解決に向けた取り組みはなかなか行われませんでした。不動産売却の話を機に,ファシリティの専門家である私たちがイニシアチブをとってビジョンを固め,不動産,ワークプレイス,総務サービスの各部門のメンバーを有機的に連携させて一体となることで,大規模リニューアルを成し遂げることができたのです。

小牟田:ワークプレイスの「構築」と「運用」は,今後NTTファシリティーズとの連携を深め,より付加価値の高いサービスをつくり上げていきたいですね。
 今後の展望として,どのようなことを考えていますか。

廣松:先ほどは「日本の総務を再定義する」(図)と大風呂敷を広げましたが,そのためにはまず,ソニーの仕事を今後も一生懸命やるということです。最先端の技術を導入しながら,サービス品質の向上とコストを下げていくことを両立させていきます。海外展開も仕掛けていきたいと考えていますが,まずはソニーグループ向け,そして国内での外販からですね。新しい技術の導入についても,ソニーの「モルモット精神」を受け継いで,自ら積極的に試し,良いものをお客様に提供していこうと思います。

小牟田:ソニーグループもNTTグループもテクノロジーの会社なので,“働く場”にきちんと技術を提供しながら,働く人のエンゲージメントを高めるようなサービスをいかにつくり上げていくかというのは,ぜひ共に追求していきたいと思っています。総務分野で先進的なことを考えて組織的に活動していこうという勢いを持っている会社は,そうそうないでしょう。そこにNSFエンゲージメントの存在意義があると思いますし,ソニーグループのバリューとNTTグループのバリューがうまく響き合うところではないでしょうか。

廣松:“働く場”であるワークプレイスに関していえば,基本的に困っていることへの取り組みだけでは不十分で,大事なのは,本質的に何が足りないかをしっかり見抜いて,その本質を外さないソリューションをきちんと持つことです。そのためには,これまでの知見を活かした引き出しを数多く持つことが必要です。

小牟田:徹底的にソニーグループに対してバリューを高めていけば,自然と事業領域は広がっていくと思います。NTTファシリティーズも設立以来,「通信を止めない」という最大の使命を全うしながら,NTTグループの仕事をしっかりやっていくという歴史の中で,様々なお客様に多様なサービスを提供してきました。それは恐らく,NSFエンゲージメントがソニーグループに対する価値をどう提供していくかというのと同じ構図だと思います。ですから,そこに対する思いは絶対一つになれると考えています。本日は貴重なお話,誠にありがとうございました。

「働きたい」と「働きやすい」をつくる

「こうすればもっと良い環境になるのに」といった思いを多くの人や組織が持っているはずです。
そうした思いを実現するには,情熱と専門的な知識・技術力が必要です。
NSFエンゲージメントは,自らが最先端の技術を導入しながらノウハウを蓄積し,技術に裏付けられたソリューションを提供します。
働く人のモチベーションを高め,人と組織をエンゲージメントする場の構築を支えていきます。

「仕事」を支える

ワークプレイスソリューション

企業文化の醸成から働き方改革,コスト削減まで,場の創造と運営によって,時には相反する経営課題の解決をお手伝いします。

ファシリティソリューション

オフィスだけでなく,R&Dセンター,製造事業所を長年支えてきた知見とノウハウでお客様のファシリティを安定稼働させ,働く方々の安心・安全を実現します。

環境・エネルギーソリューション

SDGs(持続可能な開発目標)は多くの企業にとって重要な課題。施設・設備を中心に,省エネはもちろん,創エネや再エネも含めた幅広いソリューションを提供します。

「会社生活」を豊かに

フード&ドリンクソリューション

昨今,経営においても注目が集まっているウェルビーイングや健康経営。体だけでなく,心や人間関係も「食」を通じて元気にしていきます。

コミュニティデザイン

自然と社員が集う場と仕掛けを提供します。そこで生まれるつながりは互いを刺激し,新しい価値の創造や企業文化の醸成を促します。

イベント企画・運営

ソニーの株主総会・社内イベント運営で培ったイベントマネジメントの実績を活かし,企画から運営まで,安心・安全を備えたサービスを提供します。

「出張」を手軽に

トラベルサービス

膨大な取扱量をベースに,パートナー企業と連携して最適な価格でサービスを提供。きめ細かいサポートにより安心して出張できます。

出張改善コンサルティング

現状調査,分析,改善と企業に合わせて最適な運用を提案し,出張にかかる費用と手間を削減します。

ツアーコーディネーション

取引先などとのビジネスツアー。自分たちでコーディネートするのは難しいもの。経験豊富な専門スタッフが確実にツアー実施を支えます。

「もしも」の時も

社員向け保険ソリューション

社員にとって会社の福利厚生は重要です。病気やケガ,介護など「社員のもしも」を助ける様々な保険サービスを提供します。

企業保険ソリューション

思わぬ災害などによって経営危機に陥る可能性はどの企業にもあります。万が一の「会社のもしも」に備える,企業向け保険サービスを用意しています。

リスクマネジメント

企業が直面するリスクは多種多様。ソニーグループで培った多くの実績があるからこそ,安全衛生やセキュリティ対策からBCP(事業継続計画)まで,しっかりとお客様をサポートできます。


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