NTTファシリティーズ
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2020年8月21日

高い信頼性と拡張性を兼ね備え
インドネシアのさらなる需要に応える

インドネシアにおける新たな拠点

 「インドネシア ジャカルタ 3 データセンター」は,NTTグループのPT.Global Data Centers Indonesiaがジャカルタ東部の工業団地内に建設する大規模データセンター(以下,DC)です。NTTファシリティーズは,基本設計,実施設計,入札支援および工事監理を担当しており,2021年初頭の完成を目指して工事監理業務を進めています。
 近年,インドネシアでは金融事業者を中心とした国内事業者の利用に加えて,外資系大手クラウド事業者の進出が進んでおり,大規模DCの需要が急速に高まっています。本DCは敷地面積約30,000m2を有し,1期工事として延床面積約22,000m2のDC棟および5,460m2のオフィス棟の建設が進められています(図)。将来的にはDC棟を合計3棟,約7,800ラック,総電力供給容量45MWまで拡張が可能です。

2021年初頭の完成を目指して建設が進められている

2021年初頭の完成を目指して建設が進められている

外観イメージ

外観イメージ

建物概要

建物概要

これまでの知見が活かされた設計上の特徴

 本DCは,300項目以上の設備・運用基準に準拠し,信頼性と環境性を兼ね備えたDCを目指しています。
 サーバールームは,二重床方式に加えて二重床レス方式も備え,金融系ユーザーおよびクラウド事業者それぞれの要望に応えることが可能です。また,サーバールームエリアは無柱空間を実現するため,プレストレストコンクリート梁による大スパン構造を採用しています。
 ICT機器への電力供給は,従来のUPSモジュールによる並列冗長構成だけでなく,変圧器/低圧配電設備/発電機/UPSのシステム一式の冗長性を持つ,STS*1を用いたN+1構成のブロック冗長システムを採用しています。これはシングルポイント(故障するとシステム全体が機能停止してしまう箇所)を極力排除し,サービスに影響を与えずに保守が可能であるコンカレントメンテナビリティを重要視するクラウド事業者の要望を満たすことを目指して採用しました。同様の考え方でチラーの電力供給システムにもATS*2を用いたN+1構成のブロック冗長システムを採用しています。N+1構成のNの上限の設定についても今までのクラウド事業者の要求事項などを基に経済性も考慮し構築しています。採用に当たっては,各国で構築した同様のシステムの運用実績などを参考に,信頼性および保守性の観点から検討を重ね,制御ロジックを決定しました。また,ユーザーの要望に応じてTier IV相当の2N構成での電力供給へも拡張可能です。
 空調方式は,高温多湿の環境の中,PUE1.4を目指すため,高効率ターボチラーによる熱源方式をベースとし,高い温度帯による冷水供給でチラーの効率を最大限に高めつつ,冷水密閉回路方式で動力削減にも配慮しています。また,拡張性を考慮してフロアごとに完結した熱源構成・冗長設計となっています。

  • *1STS(Static Transfer Switch:静止型電源切替スイッチ): 2系統の電源系統を超高速で切り替える装置
  • *2ATS(Automatic Transfer Switch:電源自動切替スイッチ):一方の給電システムに電源障害が発生した場合に,もう一方の給電システムに自動的に切り替える装置

現地とも連携したプロジェクト体制

 設計は当社インドネシア事務所が中心となり,法令で共同実施が義務付けられている現地設計事務所とも連携しながら,基本設計段階から工事監理までシームレスに業務を行っています。インドネシアにおいては,今後もDC市場の拡大が見込まれており,本プロジェクトの経験を活かしながら,当社のDCエンジニアリングの拡大を目指していきます。


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