バランスのよいオフィスを目指す
働く人の心と体の健康を重要な経営資源として捉える「ウェルネス」。近年では経営課題として取り上げられ,ウェルネスの促進に取り組む企業も増えてきています。こうしたウェルネスの考え方を企業と従業員の双方が理解して,健康で生産性の高い業務を推進できれば,企業の健全な成長につながります。

■NTTファシリティーズが目指す建物への取り組みイメージ
こうした中,当社ではウェルネスの1つの“出口”として,「働きがいのある」「居心地のいい」「行きたくなる」を要素に掲げ,この3つをバランスよく計画したオフィスの構築に取り組んでいます。
NTTファシリティーズ中国本社オフィス

NTTファシリティーズイノベーションセンター(新大橋ビル)

生産性を高める「場」の創出
「働きがいのある」「居心地のいい」「行きたくなる」の3つの要素がバランスよく計画されたオフィスを実現するために,多様な働き方を可能にする就業規則やコミュニケーションを臨機応変に誘発させる環境などが必要であると考えています。当社は,「開放的な空間」や「自然を想起させる仕掛け」などの構築により,「脳を活性化する場」「集中力を向上させる場」など様々な「場」の創出を目指しています。
このような「場」を構築する際には,企画・設計段階から多くのノウハウが求められます。当社はこれまでに,居心地がよく,豊かなコミュニケーションを実現するオフィスとして,NTTファシリティーズ中国本社オフィスやNTTファシリティーズイノベーションセンター(新大橋ビル)などを手がけてきました。人が中心となるようなオフィス,すれ違う人と人が自然にコミュニケーションできるような場の提供,窓を開けて外気に触れられる心地よい環境。そうした工夫が各所に設けられています。
また,こういった工夫がどのような効果をもたらすのかを企画段階からシミュレーションし検証しています。例えば,大勢が集まって議論がしやすい場所,通りがかりの知人との偶発的なコミュニケーションを誘発する場所など,それぞれに適したデザインをオフィス内の動線に合わせて配置し,その効果をシミュレーションしながらレイアウト案をつくりあげています。
実証実験を行っている要素技術
[生体リズムを考慮した照明制御]
照明の色を時間帯ごとに変え,明るさ環境が生体リズムへ与える影響を検証している。

朝 … 明るい昼光色(6,500K)でスッキリ目覚め

夕 … 落ち着いた電球色(2,700K)でプライベート時間への切り替えを促す

[個人の嗜好に応じた風環境]
既存空調とは別に個別のファン(左下)・リモコンスイッチ(右下)を設け,個人ごとに風の強弱をコントロール。空調負荷の低減と個人の嗜好に合わせた快適な環境の両立を目指している。
人が働きやすいオフィスづくりの工夫
働く人それぞれに注目した施策にも取り組んでいます。個人が快適に働ける環境の条件は,その人によって異なります。当社のオフィスでは,個別の空調用ファンを設け,快適な風量や風向をスマートフォンやPCから制御できる仕組みを試験的に導入しています。照明についても,生体リズムや時間帯,作業の内容などによって色温度や明るさが人に与える影響についての実験を行っています。
空調や照明が仕事のしやすさに関係するということは,直感として多くの人が感じていると思います。このことをデータに基づいて定量的に検証するため,当社ではIoTを使って働く人の生体情報や環境情報のデータを収集し,実証実験を重ねることで,空調や照明が人に与える影響を数値化できるように研究開発を進めています。
健康的で働きやすい「場」の提供は,社内のチームワークの円滑化につながります。オフィスのデザインによってコミュニケーションが誘発され,意思疎通がスムーズに行われるようになれば,チームワークが向上します。上司,同僚,部下の間で良好なチームワークが確立されたオフィスは,「働きがいのある」「居心地のいい」場所となり,そこに「行きたくなる」ものです。当社のノウハウを生かしたオフィスは,健康増進といった狭義のウェルネスだけでなく,チームワークを高めることで,個人のパフォーマンスを活性化させ,生活を豊かにする広義のウェルネスを推進することに役立っていくと考えています。
NTTファシリティーズが目指すウェルネスなオフィスのイメージ



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