NTTファシリティーズ
FeatureNTTファシティーズジャーナル
2020年6月10日

価値観を共有したFMの実践で
経営戦略をサポート

店舗戦略の転換期に果たすべきFMセンターの役割

佐野達也氏 横浜銀行 営業戦略部 ファシリティマネジメントグループ担当部長

佐野達也氏
横浜銀行 営業戦略部
ファシリティマネジメントグループ担当部長

 近年の金融業界をめぐる社会情勢は厳しさを増しています。当行とNTTファシリティーズが連携して2020年で7年目を迎えますが,FMセンターがスタートした2014年時点では,当行が保有する拠点をいかに効率的に維持・管理していくかを検討すればよかったわけです。
 しかし金融変革期ともいわれている現在では,店舗網の見直しも考えなければいけません。スマホ決済やインターネットバンキングなどの普及により年々来店者数が減少しているなか,これまで通り窓口業務を担当するテラーのいるカウンターがメインという店舗から,お客様のライフプランやマネープランなどに関する相談をベースとした,総合的なコンサルティングをする場に店舗を変えていくべき時期を迎えていると思います。

 次世代店舗といっても様々な方向性が考えられますが,当行としてはやはり,地域に密着した「お客様とのコミュニケーション」を重視しています。現在もお客様の利便性を考え,個人のお客様を対象に土日でも資産運用などの相談ができる「土日BANK」の展開や地方公共団体と連携して地方創生事業に寄与する店舗づくり等も行っています。観光情報の発信機能を持った箱根湯本支店はその一例です。今後の店舗づくりは,こうした取り組みをさらに推し進めた形になると思います。
 実際の店舗づくりを計画するのは営業戦略部内の店舗企画のグループですが,立案された計画に対してできる限り有益な情報を提供することが,FMセンターには求められていると考えています。例えば店舗企画のグループで,これまでとは違うスタイルの店舗展開が話題になった場合には,その店舗に対する維持管理費用等を試算して,より具体的な検討のためのデータをつくるといった連携が必要です。
 また,ファシリティの切り口で次世代店舗のあり方を提案できないといけないとも考えています。せっかくNTTファシリティーズというFM・建築の専門家とチームを組んでいるのですから,建材や意匠・構造などのトレンドについても逐一ご教示頂いて,店舗展開に活かせるといいですね。
 次世代店舗という切り口で計画されたわけではないのですが,2020年に創立100周年を迎える当行は,川崎支店を建て替え,行員向けの研修施設を併設した新店舗ビルとしてリニューアルオープンする予定です。旧店舗ビル跡地に建築中の新店舗ビルに,これまでの店舗機能に加えて,上層階部分に宿泊機能を有した行員用研修施設を新設します。宿泊機能を活かしながら研修カリキュラムの一層の充実を図り,多様化・高度化するお客様のニーズに的確にお応えできるよう行員のコンサルティング能力を高めていきます。
 こうした施策を浸透させるために,組織風土を醸成し,働きがいやエンゲージメントを高めるためにファシリティで実現できることを追求していくことは,当行の持続的な成長につながっていくと思います。

横浜銀行 箱根湯本支店

横浜銀行 箱根湯本支店

横浜銀行 川崎支店

横浜銀行 川崎支店

価値観を共有した緊密な連携で持続性のある組織運営

 FMセンターには,店舗の移転・建替案件や計画修繕,緊急修繕依頼があり,業務負担が増加する傾向にあります。このような状況に対応するため,ペーパーレス化やシステム化の拡大を進め,デジタル技術を活用した効率的なオペレーションを検討する必要があります。その点でも当行とNTTファシリティーズが協働し,FMセンターで改善内容を検討し,効率化施策を推進できることは心強いポイントです。
 FMセンターは統括マネジメント,建築,動産,不動産と4つのグループに分かれていて,この連携を密にして様々な案件を進めていくことが肝要です。NTTファシリティーズは,当行のファシリティに関する方針をしっかりと実現して頂ける貴重な企業と考えています。銀行として建築業界に確固たるつながりを築けているのは,当行のアドバンテージだと思っています。外部専門家として,幅広い視野で建物に関する最新動向や法改正,激甚災害への対策など最新の技術的知見などをタイムリーに提供してもらうことで,先読みした施策を検討することができます。
 これからもNTTファシリティーズとの協業により「収益性・生産性の向上」と「コスト・リスクの低減」を達成し,経営資源であるファシリティのパフォーマンス最大化を実現していきたいです。
 今後は設計事務所という立場で,今まで以上に銀行では発想できないような切り口や情報力に期待しています。我々が発信する施策に対して,様々な角度から先進的な提案をもっと頂けるといいですね。これからもいろいろな相談に乗ってほしいですし,こうしたつながりをもっと発展させていければと考えています。


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