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平成18年1月26日

株式会社NTTファシリティーズ

日本初、鉛蓄電池の希硫酸液漏れ自動検知システムを開発
~鉛蓄電池からの希硫酸漏液を自動検出し、
火災事故を未然に防止できるシステムを実現~


 株式会社 NTTファシリティーズ(代表取締役社長 森勇)は、鉛蓄電池の電解液である希硫酸*1が漏れた場合に、自動的に検出し外部に通知することで、火災事故*2を未然に防止することのできる鉛蓄電池の希硫酸液漏れ自動検知システム(以下:蓄電池漏液検知システム)を日本で初めて開発し、通信装置のバックアップ用蓄電池に試験導入しました。

1.背景とねらい
 今日の高度に情報化された社会において、情報通信システムはますます重要になり、一瞬のシステムダウンも許されない状況になっています。そのため企業のサーバルームやデータセンタなどにおいては、電力会社からの電力給電が途絶えた場合に備え、情報通信システムにバックアップ電源として鉛蓄電池が設置されています。近年よく使われている制御弁式鉛蓄電池*3は基本的にメンテナンスフリーですが、経年による腐食が原因の希硫酸の液漏れによる火災発生などを考えると、定期的に人手による外観点検が必要となります。
 このようなことから、NTTファシリティーズでは、鉛蓄電池の希硫酸が漏れた場合に、センサー部で自動的に検出し、外部に通知することで、火災事故を未然に防止することができる「蓄電池漏液検知システム」を日本で初めて開発しました。


2.システムの概要
 今回、開発した蓄電池漏液検知システムは、センサーとして機能する検出シートと検出回路から構成されています。(図1)
 検出シートは「難燃PETフィルム*4」、「銅箔の2本の電極」、希硫酸液には反応して溶けますが水には反応しない「特殊コーティング素材」の3層で構成されます。また、検出回路は検出シートの電極間抵抗*5変化を監視しています。シートの特殊コーティングが希硫酸液と反応し、電極間抵抗があらかじめ設定した閾値*6を下回った時には検出し、外部に警報を送出することができます。   
 また、蓄電池の大きさや設置場所に合わせて、様々な形状の検出シートを提供することが可能です。


図1:蓄電池漏液検知システムの構成


図2:蓄電池漏液検知システムの設置例


3.システムの特徴
(1)漏液が発生すると直ちに検出し警報を発出することが可能です。
(2)警報発出機構は簡易な構成なので、監視装置等の様々なシステムと容易に連携することが可能です。
(3)漏液による電源装置、キャビネット、床面の浸食を初期の段階で食い止められます。
(4)漏液による蓄電池の火災事故を未然に食い止められます。

4.今後の展開
 床面設置タイプの据置鉛蓄電池へのフィールドテストを継続すると共に、バックアップ電源装置(UPSやPBX)と一体化になった高付加価値電源の商品化に向けて検討していきます。

5.用語説明
*1希硫酸
 硫酸と水を混合した無色・無臭の液体。希硫酸が漏れて鉄製の蓄電池設置用枠に滴下すると、枠表面の塗装を侵し金属面がむき出しとなり、放電や焼損事故の原因となる。
*2火災事故
 蓄電池から希硫酸が漏液すると、鉄製の蓄電池設置用枠に放電し樹脂製電槽が焼損する事故が発生している。(日経アーキテクチャー 1995年12月4日号参照)
*3制御弁式鉛蓄電池
 可燃性ガスや酸霧を蓄電池外部に放出することなく、使用中に補水その他の保守をほとんど必要としない蓄電池で、従来の正立設置の他、横設置、積み重ねができるため設置スペースの有効利用が図れる蓄電池。
*4PETフィルム
 ポリエチレンテレフタレート製のフィルム。PETは酸や弱アルカリに耐性があり、強度に優れたプラスチック。清涼飲料水の容器などに使用される。
*5電極間抵抗
 2本の電極間に検出回路から常に一定の直流電圧を印可した状態に保ち、電極間の抵抗変化を監視する。希硫酸がシート上に滴下しコーティングが溶けると、電極間の絶縁性が低下し抵抗が下がるので、印可電圧に変化が生じ検出が可能となる。
*6閾値(しきいち)
 漏液発生を確実に検出するため、実験的にあらかじめ閾値を決定し、検出回路内に設定している。

【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp
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予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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