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2009年5月25日

産業用太陽光発電システム、導入コストの大幅削減を実現
~地上設置タイプで約30%削減!太陽電池アレイ用架台構築システムの開発~

 株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 森 勇、以下、NTTファシリティーズ)は、太陽光発電システム構築費用の低廉化に向け、コストミニマム化を図る太陽電池アレイ(参考図参照)用架台を新規に開発し、構築費用を地上設置タイプで約30%、建物屋上設置タイプで約20%の削減を実現しました。

1.背景

 NTTファシリティーズはIT、エネルギー、建築のトータル技術を基盤とし、太陽光発電システムの導入を企画・提案から構築・運用まで一元的にサポートするシステムインテグレーターとして、大規模システムを含め全国300箇所以上の太陽光発電システムの導入をサポートしてきました。
 太陽光発電システムの構築費用は太陽電池だけにとどまらず、太陽電池以外の周辺機器や、架台・配線等の構築方法にも大きく左右されます。
 また、太陽光発電システムには地上設置タイプと建物屋上設置タイプがありますが、産業用のシステムは住宅用と異なって比較的規模が大きく、設置場所によって多面的な条件を考慮する必要があるため、太陽電池アレイ用架台部分にシステム構築費用の3割程度のコストが必要となります。そこで、NTTファシリティーズは、これまでの実績・経験を活かした総合技術力で、幅広いお客様ニーズに対応できるよう、コストミニマム化を図る太陽電池アレイ用架台の構築システム及び標準架台を開発しました。

2.開発の内容

 太陽電池アレイ用架台の構築システムでは、架台自体の設計のみでなく、設置条件に基づき、地盤や建物の強度、屋上防水の状況、太陽電池設備の最適配置、施工方法・維持管理まで含めた検討を行い、総合的な環境負荷低減に配慮しつつ、建設時のコスト及びライフサイクルコストのミニマム化を図る架台を提案致します。

 特に今回の開発では、産業用市場においてニーズが高い地上設置タイプ、建物屋上設置タイプの二種類の標準架台を開発しました。

(1)メガソーラーにも対応可能な地上設置タイプ
これまでの従来タイプは、コンクリート基礎と鉄骨を組み合わせた構成でしたが、NTTファシリティーズは、NEDO委託研究事業「北杜サイトにおける大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」*に取り組む中で、太陽電池傾斜角を自由に設定でき、どのようなタイプの太陽電池モジュールにも対応を可能とする、経済化を図ったWタイプ(図1(B))の架台を開発してきました。
今回、さらにコストミニマム化を実現するために、構築費用を約30%削減(当社従来架台比)したVタイプ(図1(A))の架台を開発しました。Wタイプのノウハウをベースに、基礎には強風に対する引抜抵抗力を有する鋼管杭を採用し、土地の造成を最小限に留めています。また、支柱部分に鉛直力と水平力の両方を負担するV型支柱を採用し、従来の架台では必ず必要となった基礎上部の水平材の省略を実現しました。
両タイプとも、建設時の発生残土や撤去時のコンクリートがらといった産業廃棄物をほとんど発生させない、環境にやさしい架台です。
  • 図1:地上設置タイプ架台『鋼管杭によりコンパクトな基礎を実現』
地上設置タイプ架台『鋼管杭によりコンパクトな基礎を実現』
※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。
(2)既存建物にも対応可能な建物屋上設置タイプ
今回開発した架台は、地上設置Vタイプと同様に鉛直力と水平力の両方を負担するV型支柱により、従来タイプに比べて構成部材数と接合箇所数を大幅に低減させたシンプルな構成の架台です(図2)。接合部等に工夫を凝らし、必要な強度を確保しながら鋼材量を30%削減(当社従来架台比)し、構築費用を約20%削減(当社従来架台比)するとともに、太陽電池背面にオープンな作業空間を確保し、太陽電池モジュール取付、配線工事等をより簡易に実施できるように配慮しました。
  • 図2:屋上設置タイプ架台『シンプルな架構でメンテナンスにも配慮』
屋上設置タイプ架台『シンプルな架構でメンテナンスにも配慮』
※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。

 また、防水の関係で建物と一体のコンクリート基礎が設けられない場合にも対応できるよう、小型プレキャストコンクリート基礎を採用する置き式架台も開発しました。小型プレキャストコンクリート基礎には部材固定ボルト位置を自由に設定できるレールを打込み、様々なサイズの太陽電池モジュールに対応するための汎用性を高めました(図3)。

  • 図3:置き式架台『防水工事が不要で設置がスピーディ』

3.今後の展開

 政府が2020年における太陽光発電目標導入量を10倍から20倍に引き上げ、導入量における世界一を奪回する指針を打ち出すなど、太陽光発電の普及は今後加速的に進むものと予測されます。
 NTTファシリティーズは、豊富な実績と高い技術力、そしてお客様目線を兼ね備えたシステムインテグレーターとして、「お客様が求める最も付加価値の高い」太陽光発電システムの構築をこれからも追求していきます。私たちの取組みが、太陽光発電の普及、ひいては地球環境問題の解決に貢献できるよう、今後とも積極的な事業活動を展開していきます。

【参考図】
参考図
※図をクリックすると、拡大表示でご覧になれます。

用語説明

*  大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究
公募情報:
http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/180418_1/180418_1.html
採択情報:
http://www.nedo.go.jp/informations/koubo/180919_2/180919_2.html
系統連系とは、電力会社の配電設備(発電から配電までの一連の設備を電力系統という)へ太陽光発電等の発電設備を電気的に接続すること。

【参考】

  • 2007年8月29日のNTTファシリティーズ報道発表資料:

NEDO技術開発機構委託事業「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」

北杜サイト 第1期設置工事の起工について

http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei19/h19-0829.html

  • 2008年3月18日のNTTファシリティーズ報道発表資料:

NEDO技術開発機構委託事業「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」

北杜サイト 第1期設置工事完成、及び研究開始について

~国内外から様々な種類の先進的太陽電池を集めた日本発 世界初 大規模太陽光発電所~

http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei20/h20-0318.html

本件に関するお問い合わせ先
報道機関からのお問い合わせ
(株)NTTファシリティーズ 総務人事部 広報室 TEL:03-5444-5112
一般のお客様からのお問い合わせ
コンタクトセンタ 0120-72-73-74
午前9時~午後5時まで(土・日・祝日はのぞきます)

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