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2012年7月6日

太陽光による電気と温水の利用が可能な太陽光ハイブリッドシステムの実証試験を開始
~太陽光発電システムと太陽熱利用システムの融合~

株式会社NTTファシリティーズ
日比谷総合設備株式会社

株式会社NTTファシリティーズ(代表取締役社長 筒井清志)と日比谷総合設備株式会社(代表取締役社長 野村春紀)は共同で、太陽光発電技術と太陽熱利用技術を組み合わせた太陽光ハイブリッドシステムの実証試験を開始します。

1.背景と目的

再生可能エネルギーである太陽光発電システムと太陽熱利用システムは、地球温暖化対策の手段として期待されています。NTTファシリティーズは太陽光発電システムについて、NEDO実証研究*1やFソーラーリサーチパーク*2にて研究開発を進めるとともに、これまでに全国で910箇所、34MWを超える太陽光発電を構築してきました。一方、日比谷総合設備は太陽熱利用システムについて、千葉県野田市の日比谷総合設備技術研究所*3にて研究開発を進めるとともに、国立市のくにたち中央図書館など多くの導入に取り組んできました。

今回、両社の得意とする技術を融合した太陽光ハイブリッドシステムを新たに開発・実証することにより、再生可能エネルギーの更なる発展と普及に貢献します。

2.実証試験の概要

太陽光ハイブリッドシステムは、太陽電池パネルの裏面に熱取得モジュール*4を搭載したハイブリッドパネルにより、太陽エネルギーを電気と熱に変換することが可能なシステムです。これにより、以下の効果が期待できます。

  1. 太陽エネルギー総合変換効率の向上 (目標値40%)
  2. 太陽電池の温度上昇による発電損失の低減
  3. 電気と給湯の需要に対応可能 (将来的には冷熱・温熱による空調利用も検討)

実証試験設備として、定格発電出力が約2.4kWの太陽光ハイブリッドシステムと、比較用として通常の太陽光発電システムを同容量で構築しました。実証試験設備の外観を以下に示します。実証試験場所は日比谷総合設備技術研究所(千葉県野田市目吹617番地)で、2012年7月より本格運転を開始します。

3.今後の予定

本格運転後は、太陽光ハイブリッドシステムの発電能力や給湯能力を定量化するとともに、太陽エネルギーの総合変換効率、コスト、熱利用方法などについて総合的に評価します。特に夏季においては取得熱量の増加と、熱の吸収による太陽電池の温度損失の低減が期待できます。現時点の試算*5では総合変換効率は40%であり、単純回収年数は10年以下が目標です。

本実証試験の結果を基に、今年度末から来年度上旬にかけて商品化を目指します。ターゲットとしては電気と熱の需要があるヘルスケア領域(介護施設、病院)、飲食店領域(郊外店舗)のお客様を想定しています。

実証試験用設備

実証試験用設備

用語説明

*1 NEDO実証研究
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託事業「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」で2006年度~2010年度に実施。本事業では山梨県北杜市とNTTファシリティーズが共同で約2MWの太陽光発電所を構築し、太陽光発電が電力系統に悪影響を与えないための系統安定化技術の開発、各種太陽光発電システムの評価等を実施。
*2 Fソーラーリサーチパーク
NTTファシリティーズが山梨県北杜市に太陽光発電の技術研究の場として2012年2月に開設。国内外5か国16種類の太陽電池や地盤沈下に対応した架台等の検証を実施中。現在は233kWのシステムであり、最終的には2MW程度の太陽光発電所となる予定。
*3 日比谷総合設備技術研究所
日比谷総合設備が千葉県野田市の旧ガスタービン組立工場を改装し、太陽熱利用技術などの技術研究の場として平成元年に開設。 4種類の太陽熱利用システムの評価等を実施中。
*4 熱取得モジュール
熱の吸収材と伝導管から構成され、太陽電池パネルの裏面の熱を吸収材により取得するとともに、伝導管により給湯利用のための蓄熱槽に集熱する装置。
*5 試算条件
太陽電池パネルについて電力変換効率15%~18%、温度損失10%~20%、温度係数0.4~0.5%/℃と設定。熱取得モジュールについて熱取得効率10%~25%と設定。
【本件に関する報道機関からのお問合せ先】
   NTTファシリティーズ 経営企画部広報室 MAIL:pr@ntt-f.co.jp

ニュースリリースに記載されている情報は、発表日時点の情報です。予告なしに変更する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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