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Case Study

転換期を迎えるファシリティの運用 ― 施設管理の人手不足や建物価値向上の課題を乗り越える新スタンダード ―

2026年04月20日

企業において人手不足や物価高騰、GX(グリーントランスフォーメーション)、EX(従業員体験)の対応などを背景に、施設管理業務の効率化や高度化が急務となっている。2026年2月9日に開催された日経デジタルフォーラムではNTTファシリティーズ ファシリティソリューション本部長の榎木靖倫氏が登壇。クラウドシステム活用と業務プロセス標準化による管理コスト低減やデータに基づく価値向上、新たな評価指標による総合的な価値評価など、新しいファシリティマネジメント(施設管理にとどまらず、計画的な保全などにより土地や建物等の価値を最大化する手法)のスタンダードが紹介された。

施設管理に求められる性能維持と価値向上

NTTファシリティーズは、NTTグループの保有資産(土地・建物・設備)を一元管理してきた経験と知見に基づくエンジニアリング力を活かし、同グループや一般企業が所有するビルなどの設備管理(ファシリティマネジメント:FM)に関する事業を展開。オフィスビルのみならず、高い信頼性が求められる金融・医療・文教などの施設に対してファシリティマネジメントアウトソーシングサービス(FM-BPO)を提供する。FM-BPOの導入例として、エネルギーコストの低減を実現させた地方銀行や、設備トラブルの解決率を高めた大学病院などがあり、コスト削減と品質向上の両面で大きな効果を生み出している。

NTTファシリティーズが施設管理の領域で多くの企業に支持される理由は、企業、社会が抱える様々な変化や課題に向き合い、解決策を提示してきたからである。その課題の1つが、人手不足だ。同社が企業の施設管理者に実施したアンケート調査では、約40%の企業が施設管理における課題は人手不足だと回答。また施設管理業務では専門性が高い法規制対応などの業務遂行にも不安を持つ実態が明らかになっている。

また、物価高騰も大きな課題である。建物の補修や建築に必要なコストは年々上昇し、施設管理の財務インパクトは拡大する一方だ。加えて、CO2排出量取引制度などGXへの対応や人的資本経営、従業員満足度に関わるEXへの向上意識の高まりを受けて、建物の価値向上に対する社会的要求も変化している。

「人手不足や物価高騰によって建物の性能維持の取り組みが遅れる一方、GXやEXなどの社会的背景により、建物価値向上の要求が加速しています。施設を保有する企業はこれらの課題にどう対応していくかが、これからの施設管理で大きなポイントになります」と榎木氏は指摘する。

点検業務の機械化や業務プロセスの標準化で効率的な施設管理業務を実現

施設管理業務は3つのレイヤーに大別できる。修繕工事や保守作業など、現地で施設管理業務を行う「オンサイト業務」。オンサイト業務を計画し、施設全体を俯瞰、管理する「マネジメント業務」。施設管理業務の課題を分析し、方針や意思決定を担う「プランニング業務」の3つだ。

NTTファシリティーズは豊富な知見を活かして施設管理業務の各レイヤーの課題を整理し、課題解決に向けた5つの施策を立案、実施している。

施設管理の課題とNTTファシリティーズが提案する5つの施策

「オンサイト業務」における課題は人手不足が挙げられる。その課題解消に有効なのが「点検等業務の集約化・機械化」だ。具体的には施設ごとに設備員を常駐させて点検していた従来の形態から、エリアごとに巡回する形態に移行することで省人化を図る。「エリア全体の工数量を最適化することで、点検コストの低減と品質確保の両立が可能です」と榎木氏は説明する。保守作業の機械化では、従来設備員が巡回対応で実施していた点検等作業を異常検知が可能な遠隔点検AI(人工知能)カメラに置き換えることで、点検作業時間の低減を実現する。

「マネジメント業務」では業務プロセスと業務範囲の改善といった課題がある。まず、業務プロセスの改善に対する施策は「業務プロセス標準化とクラウド運用」を挙げる。施設管理におけるマネジメント業務は属人化され、業務全体の見える化が困難で、業務ノウハウを継承する人材確保が難しい傾向がある。そこで、修繕工事など作業の依頼や完了の承認といったマネジメント業務プロセスを標準化し、施設情報をクラウド上で一元管理する施策を提案。これにより、「施設管理者は対応状況の可視化やデータの蓄積が可能になり、マネジメント業務の管理工数を低減できます」と榎木氏は指摘する。

また、業務範囲の改善に対しては、「専門業務領域のアウトソーシング」を提案。マネジメント業務において、建築に関する専門的な知識や経験を持つ人材の確保が課題という企業は少なくない。そこで従来、施設管理者が行っていた故障修理の問い合わせ受付や工事手配、発注契約などの専門業務領域を外部の事業者にアウトソーシングする。これにより、施設管理者は業務工数の低減が可能になり、施設管理に関わる重要な判断や意思決定に注力できる。

データ活用や新たな評価指標を適用して建物価値を向上

「プランニング業務」では建物の価値向上と価値評価への取り組みといった課題がある。建物の価値向上に対する施策は、「データ活用による価値向上」だ。プランニング業務では現状把握のための情報収集や、それらのデータの分析が重要になる。NTTファシリティーズでは施設管理で収集した建物・設備の経年情報や改修履歴情報をデータ化し、劣化状況を可視化することで、施設管理者の長期投資額最適化を支援する。

建物の価値評価に対する施策は、「NEBsを活用した総合的な価値評価」を提示する。NTTファシリティーズとデロイト トーマツ コンサルティングは省エネ建築物の新築・改修に関わる投資対効果について、光熱費削減効果(EB:Energy Benefits)だけでなく、非光熱費削減以外の価値を含め、総合的に定量評価する指標として「NEBs(Non-Energy Benefits)」を共同開発した。経費削減や人材価値向上のほか、事業への貢献、社会的責任の遂行など企業価値向上に関わる12の評価指標を体系化。総合的な価値を評価し、投資回収期間の短縮や経営層の適正かつ合理的な判断につなげる。

「これら5つの施策を組み合わせ、施設管理の課題を解決することにより、性能維持と価値向上を両立するFMスタンダードを実現します」と榎木氏は強調する。

NEBsの12の評価指標

マネジメント業務を支援するファシリティマネジメントDXサービス

NTTファシリティーズは、性能維持と価値向上を両立するFMスタンダードの実現に向けて「ファシリティマネジメントDXサービス」を提案する。このサービスを導入することで施設管理業務のデジタル化が進み、機械化・集約化によるオンサイト業務の効率化、マネジメント業務の標準化、省力化を実現し、施設管理者が担うべきプランニング業務への注力が可能となる。

具体的には、発見・発生した不具合のうち、改善が難しい不具合などを一覧にして計画管理する「リスクマネジメント」、日常・計画工事の受付から完了までの進捗管理をフロースルー化する「工事マネジメント」、点検作業の計画から完了までの進捗管理を行う「保守マネジメント」、工事や作業に必要な図面、建築現況図を基本情報に紐付けて一元管理する「データマネジメント」の4つの分野でサービスを提供する計画だ。

ファシリティマネジメントDXサービスの概要

このうち、「工事マネジメントサービス」は既に提供を開始している。作業進捗の可視化などデータ活用を推進するとともに、人材や専門業務、法令対応などの不安を解消し、施設管理者がプランニングに注力できる環境を提供する。加えて、想定外事象への対応も可能だ。

「ファシリティマネジメントDXサービスは、マネジメント業務の効率化、委託コストの削減といった定量的な効果に加え、品質向上や予防保全による持続可能な建物運営においても貢献し、施設管理を通して企業価値の向上が可能です」と榎木氏は同サービスに期待される効果を説明する。

NTTファシリティーズはファシリティマネジメントを通じて、施設管理の課題解決を積極的に支援していく構えだ。

著作・制作 日本経済新聞社(2026年日経電子版広告特集)


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