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電源トラブルの脅威にサヨナラ!UPS選びの基本

2017年10月4日

 電源トラブルから機器を守る設備「無停電電源装置=UPS(Uninterruptible Power Supply) 」(以下、UPS)の利用が、さまざまなビジネスシーンで広がっています。その理由については、前回紹介した通り、企業が停電をはじめとした実に数多くの電源トラブルにさらされていることにあります。

 UPSは、そうした脅威への対策として有効ですが、実際に導入しようするとさまざまな製品・タイプがあり、どのように選べばいいのかが難しいのも確かです。利用シーンごとに最適なUPSを選ばなければ、多種多様な製品の中で自社に適した電源トラブル対策を実施することはできません。今回はUPS選びの基本と、そのヒントとなる最新動向を紹介します。

変換と蓄電で機器を守る、UPSの仕組みとは

 UPS選びを始める前に、まずその仕組みを把握しておくことが大切です。

 UPSの基本構成は、電気をためておく「バッテリー(蓄電池)」と、電圧の昇降や交流から直流への変換を行う「充電回路(整流器)」、充電回路とは逆に直流から交流への変換を行う「インバータ」、からなります。

 バッテリーは、停電などに備えて電源からきた電気を蓄積する役目があります。電源からは交流の電気が供給されているのですが、バッテリーは直流の電気しか扱うことができません。そこで、UPSでは、電源からきた交流の電気を充電回路で一度直流に変換し、バッテリーやインバータに送ります。電気を一般的な機器へ送る際には、直流になった電気をインバータで再度交流に変換し直して供給します。

 この電気を変換する過程で電圧や電流も補正。それによって、異常電圧などの電源トラブルが発生した際にも正常な電圧・周波数の電気を供給し、機器の誤作動や故障、データの消失といった影響を防いでいるのです。

データセンターから、ビル、オフィスへと広がる利用シーン

 その特性から、UPSはデータセンターをはじめ、工場やオフィス、店舗など、幅広いシーンで導入されています。

 最も利用が進んでいるのがデータセンターです。データセンターでは、基幹業務に直結したICTシステムや重要情報を取り扱っているため、パソコンやサーバ類に加え、空調や防犯設備などのインフラ設備にもUPSが利用されています。

 インフラ設備という点では、ビルの設備室にも導入されています。ビルでは、点検や工事によって電圧変動や停電が発生する可能性もあるので、通信用設備や警報装置、センサーや監視装置といった設備にUPSの導入が進んでいます。

 これまで挙げたような大規模な施設だけでなく、オフィスや店舗単位でUPSを導入するケースもあります。オフィスでは、サーバルームだけでなく従業員が使うパソコン、ネットワーク機器に、店舗ではPOS端末や顧客情報端末、防災関連機器などにUPSが接続されます。

選ぶポイントは対象となるシステム規模

 UPSの選び方としては、対象となるシステム規模に合わせて選択するという方法があります。

 例えば、データセンターやビルなどにある大規模なシステムには、常に安定した電力が求められます。そのため、通常時から電力の変換を行い、正常な電圧、周波数を維持し続ける「常時インバータ給電方式」の製品がおすすめです。

 オフィス内のサーバルームといった中規模システムを構成する機器は、瞬断しないことが重要でしょう。そのため、「常時インバータ給電方式」や、インバータを使わずに常に異常な電圧の変化に対応する「パワーマルチプロセッシング給電方式」。そして、通常時は電源から電力をそのまま供給し、異常時のみ補正を行う「パラレルプロセッシング給電方式」の製品が適しています。

 パソコン単体やPOS端末などの小規模システムは、切り替え時の瞬断がそれほど問題にならないため、低価格、小型、軽量を特徴とする「常時商用給電方式/ラインインタラクティブ給電方式」の製品が向いています。なお、給電方式ごとの違いは、こちらでも詳しく紹介しています。

 他にも、USPに接続する機器の消費電力から選ぶ方法や、電源トラブル時の給電時間から選んだり、UPSの設置スペースから選ぶ方法もあります。

「長寿命化」「冗長化」で信頼性を増す最新UPS

 UPSを活用する際に注意すべきポイントも挙げておきましょう。

 UPSのバッテリーには寿命があります。その使用期限は製品や使用環境、温度によっても違いますが、標準的なバッテリーで約2~4年が目安となっているようです。バッテリーの寿命が尽きれば、停電時にUPSが正常に機能しないだけでなく、発煙や火災などの原因となることもあります。バッテリーの使用期限をチェックして、UPSの寿命が尽きる前に交換しましょう。

 ただ、バッテリーの使用期限を守っていても、UPSが故障する可能性が全くないわけではありません。そこで、複数のUPSを設置することで、冗長化を図ったシステム構成もあります。一台のUPSが故障した場合でも、別のUPSで給電を行うといった補完関係を築くことで、給電を続けることができます。

 UPSが故障したり、使用期限が過ぎた時には、更改の必要があります。これまでは、UPSを交換する際に、一度給電を止める必要があったため、ビジネス活動にも支障が出ていました。しかし、最近ではシステム運用を継続したままで、UPSの更改ができるサービスも提供されています。このようなサービスを利用すれば、業務に支障なくUPSを更改することも可能です。

 そもそも手間もコストもかかるUPSの更改を、できれば頻繁にやりたくないというのが実情でしょう。そうしたニーズに応えるかのように、近年では、バッテリー寿命が10年という、標準的なUPSと比べて2倍も長持ちする製品も登場しています。

 最新動向をヒントに、いざという時のためにUPSの導入の検討や、給電を止めず業務の進行を妨げない更改を実施してはいかがでしょうか。

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