導入事例
メガバンクの高度化を支える「進化するデータセンター」
株式会社三井住友銀行様・株式会社日本総合研究所様
株式会社三井住友銀行
システム統括部付部長
山下 雷行 様
株式会社 日本総合研究所 基盤開発部門
センター集約タスクフォース 部長代理
村上 武 様
- 課題
- 消費エネルギーの大部分を占める、データセンターの消費電力の抑制
- 属人化されていた温度管理の体制改善
- 対策
- 膨大な電力消費量を効率的に削減する空調システムの構築
- 増加しつづけるサーバーの安定稼働を実現する冷却能力と省エネ活動の両立
- ソリューション
- 高効率空調機、サーバールーム全体の気流を最適化するシステム
- 温度分析の可視化と空調の自動制御を可能にする「Smart DASH®」
- 約45%の電力使用量削減とPUEの大幅な改善を達成
消費エネルギーの9割を占める電力の削減へ
改正省エネ法では事業者の規模に応じた省エネ基準が規定されています。金融機関も例外ではなく、オフィスや店舗での照明のLED化や空調の制御など細かな取組みを積み重ねています。
三井住友銀行では、消費するエネルギーの9割を電力が占めており、電力使用量については毎年度目標を設定し自助努力による削減活動を実施するほか、グリーン電力の購入などについても積極的に取り組んでいます。
高密度化するデータセンターに対応できる空調システムの構築が課題
その一方、銀行業務のオンライン化開始以来、長期にわたり電算能力の拡大が進んだことで、メガバンクはシステムの安定稼働を担保するために、十分な空調設備を配置し、且つ大量のサーバー群を冷却し続ける「温度環境」を維持しつつ省エネ活動を進めることは、至難の技です。三井住友銀行においても、データセンターの省エネが、省エネ基準を満たす大きな鍵となります。「当行の場合、自行の社員に加え、システム開発とデータセンター運営を担当する日本総研、SIパートナー等を合わせ、常時1万人以上のシステム要員が稼働している」というのは、三井住友銀行システム統括部付部長の山下雷行様。
メインのデータセンターを関東と関西に保有しており、稼働するサーバーは1万台超。業務拡大とともに増加するサーバーを冷却する空調に必要な消費電力も当然増大するため、冷却能力を確保しつつ、消費電力をいかに抑制するか。こうした大きな課題に応えられる効率的な空調システムの構築が、三井住友銀行と日本総研にとっての最優先事項でした。
空調電力大幅削減と業務効率向上を実現
新たな省エネ策への取り組みとして、まずは総消費電力の1/3を占めていた空調機の省エネを図るため、NTTファシリティーズが開発した高効率床置型空調機「FMACS®」の導入を決定。さらに、冷気を囲い込むことで高温の排気と分離する「アイルキャッピング®」を導入するなど気流の最適化を図り、空調設備運転の効率化を実現しました。
そして、さらなる取り組みで採用されたのが、サーバールーム内の温度分布のリアルタイムな可視化と空調の自動制御を可能にする「Smart DASH®」です。「当時はサーバールーム全体の温度環境を把握しきれず、ほとんど職人技の世界で温度管理を行っていた」と語るのは日本総研・基盤開発部門センター集約タスクフォース部長代理の村上武様。「温度管理と調節が自動制御できるようになり、不安感の解消だけでなく、管理に投入していた人材を他業務に振り向けられるようになった」と、業務効率向上にも貢献していると語ります。
こうした新たな取り組みにより、空調設備等の電気使用料金の約45%カットを達成。大幅な改善が図られました。

「強い使命感」と「運用者目線」での対応が信頼と安心を
NTTファシリティーズを選んだ理由について山下様は「銀行のシステムは絶対に止められない。同様に日本の通信インフラを支えてきた強い使命感にシンパシーを感じ、品質を高く評価した。ハードウェアの提供だけではなく、私たちと同じ運用者の目線で話せることが重要だった」と語ります。
また、村上様は「空調機などのハード面から、その制御や運用方法などのソフト面まで一貫した効率化メニューを持ち、ワンストップで対応してくれる点がポイント」と語ります。「運用者の目線で、我々の要求を即座に理解し対応してくれる能力が抜きん出ている」と評価されています。
今後も業務の拡大や高度化に伴い、データセンターのインフラ設備は常に進化を求められます。「今回、想定を大きく上回る成果が出たが満足はしていない。持続可能な社会の実現を目指し、更に高効率なインフラ設備を追い求める。そのためにも最新のトレンドや技術力を持つNTTファシリティーズには、〈羅針盤〉となって私たちをサポートしてくれることを期待している」(山下様)。
施設・クライアント概要
会社名 | 株式会社三井住友銀行 |
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本社所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 |
資本金 | 17,709億円 |
事業内容 | 銀行業 |
会社名 | 株式会社 日本総合研究所 |
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本社所在地 | (東京本社)東京都品川区東五反田2丁目18番1号 大崎フォレストビルディング (大阪本社)大阪市西区土佐堀2丁目2番4号 |
資本金 | 100億円 |
事業内容 | 受託開発ソフトウェア業、経営コンサルタント業 |
採用製品・サービス
- Fデータセンター®
- 社会状況やICT環境の変化、ニーズの高度化など、ライフサイクルの様々な局面における課題を、独自技術と豊富なノウハウで解決し、お客様に貢献するデータセンター構築トータルソリューションです。
- Smart DASH®
- 学習機能を用いた自動計測・制御により、最適な空調環境と省エネを実現するデータセンター用スマート空調制御システムです。
- FMACS®-V
- 世界トップレベルの省エネ性能を誇る、長寿命・高品質設計の空調機です。
- アイルキャッピング®
- 理想的に気流を制御し、空調冷却効果を最大限に発揮するICT装置用気流制御システムです。
<Fデータセンター><FMACS><アイルキャッピング>は、株式会社NTTファシリティーズの登録商標です
<Smart DASH>は、Vigilent社の登録商標です