昨年に引き続き、NTTファシリティーズグループのCSR報告書に第三者としてコメントさせていただきました。社名にNTTがつく御社は通信分野の会社というイメージがありますが、最近のエネルギー関連の新聞記事で、エネットとともに御社の社名も度々目にしておりましたので、「エネルギー」分野や災害復旧を含めた「建築」分野についても興味深く拝見させていただきました。


■電力自由化の進展に関して

東日本大震災をキッカケとして、エネルギー問題はいまや国民の最大の関心事となっています。今後、電力の自由化が進み、配送電分離等が現実のものとなった場合、日本最大の通信ネットワークNTTグループの中で、エネルギー事業の要である御社の役割は社会的にもますます重要なものになると思います。関連会社のエネットは新電力最大とのこと、電力自由化を視野に入れて未来を先取りした戦略的ビジョンのようなものがあればなおよかったのではないでしょうか。

  ■スマートな社会の実現に向けて

トップコミットメントにある「自然災害のリスクにも強く環境にもやさしいエネルギーを効率的に利用するスマートな街づくり」という頼もしい宣言に加えて、特集ページでは、ネガワットアグリケーションサービスなど、スマートな社会をつくっていくためのエネルギーや通信の分野での個々の取り組みが詳しく描かれており、大震災以降、御社の活躍の場がさらに広がっていることがよく分かりました。現在、エネルギーの選択肢に関する国民的議論が進められています。仮に原子力発電を0パーセントにしようとした場合、日本の現在のエネルギー需給状況においては徹底した節電はもちろん必須となりますし、立地条件や自然環境に左右される再生可能エネルギーには課題も多くハードルはとても高いと思われます。御社がこれまで培ってきたあらゆる技術が、このハードルを越えるための大きな力の1つになることを期待しています。

■生物多様性と農業分野での取り組み

報告書には、環境ビジネスを先導するうえでの生物多様性の関係性マップが描かれており、本業での展開に期待します。また、食料生産の基礎となる農業分野は、エネルギーと共に日本の未来を支える重要な分野です。これまで経験したことがない激しい気候変動により植物の生育域の変化や収量の減少など深刻な影響が出ています。そんななか、農業ITシステムおよび植物工場等の共同実証プロジェクトは大変注目すべき取り組みだと思います。それこそ社名にNTTがつく御社に農業というイメージはありませんが、サツマイモの水耕栽培による緑化システム(グリーンポテト)を開発販売してきた経験を活かし、ぜひ農業の分野でも力を発揮していただきたいと思います。


*1 株式会社エネット
株式会社NTTファシリティーズ、東京ガス株式会社、大阪ガス株式会 社により設立された特定規模電気事業者。地域の電力会社以外に電気 の供給事業に新規参入した事業者の中でのシェアはNo1(約50%)。
*2 配送電分離
発電事業と送電事業を別の会社が行うようにすること。
*3 ネガワットアグリケーションサービス
お客さまの省エネ行動や節電機器等による節電分を集約しエネルギー 供給事業者に提供するサービス。


東日本大震災の後、エネルギー問題に対する考え方や地震、風水害等からいかに街や生活を守るかといった安全に対する意識が大きく変わったと思われます。

今回のCSR報告書では「Smart&Safety」をキーワードに特集を組み、エネルギーを効率的に使うスマートな社会の実現に向けた活動(Smart)、また自然災害等のリスクから建物や設備を守り、事業を継続させる活動(Safety)を中心に、「企業倫理」「情報セキュリティ」「環境保護」「人権啓発」といったCSRのそれぞれの分野での取り組みをステークホルダーの皆さまになるべく分かりやすく伝えることを考え作成しました。

 

大石様からコメント頂いた「電力自由化の進展への対応」「生物多様性と農業分野での取り組み」については、事業活動を通じた社会への貢献として当グループで新たに何が出来るのか、社会の動向も踏まえながら、事業活動の見直しを今後とも継続的に行っていきたいと考えております。




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