導入事例
合志事業所メガソーラープロジェクト
東京エレクトロン九州株式会社様
合志事業所メガソーラープロジェクト
自家消費から売電へ 再生可能エネルギー買取制度を活用し地域貢献を
半導体製造装置の世界的な大手メーカーである東京エレクトロングループの東京エレクトロン九州様。節電・省エネ対策を推進するとともに、再生可能エネルギー買取制度のスタートを睨みメガソーラー設置に踏み切りました。そのプロジェクトに対し、NTTファシリティーズが豊富な実績と技術力でお客様のご要望を実現しました。
業務の概要
全量売電のメガソーラー設置で地域にも貢献
東京エレクトロン九州様は、熊本空港に近い熊本県合志市に本社を構え、半導体製造装置工場は、本社のある合志事業所と大津事業所(菊池郡大津町)の 2ヵ所にあります。
東日本大震災後に電力不足が深刻化する中で、製造業では節電・省エネが大きな経営課題となっています。半導体製造装置産業は、クリーンルームを必要とするエネルギー多消費型の産業。そのため東京エレクトロン九州様では、エネルギーマネジメントの強化、生産工程の最適化、省エネ機器の設置など省エネ対策を進めるのと並行して、エネルギー対策と環境対策として有効な太陽光発電導入に乗り出しました。
再生可能エネルギーの買取制度を背景に、全国的にも事業所での太陽光発電導入が活発化しています。東京エレクトロン九州様の立地する九州でも、節電のための電力使用抑制が重視され、地域でできる再生可能エネルギー利用の発電としてメガソーラー計画が相次ぎ実施されています。
その中で東京エレクトロン九州様は熊本県及び合志市と協定を結び、合志事業所の屋上部分を使用したメガソーラー設置に着手しました。当初は商用電力の使用を削減するため自家使用を目的としていましたが、2012年7月に再生可能エネルギー買取制度がスタートしたことで、太陽光発電による電力を電力会社に供給することで地域に貢献することも目的とした売電に舵を切り直しました。
今回のプロジェクトでは、合志事業所の第1工場と第2工場の屋上部分ほぼ全面に太陽光パネルを設置しています。使用したパネルの数は、第1工場が128Wタイプを3,960枚、第2工場が130Wタイプを5,760枚、合計9,720枚。これにより1.25MWの発電能力を確保しました。
使用した太陽光パネルは全て薄膜アモルファスシリコン型。太陽光発電の主力が単結晶または多結晶シリコンパネルという中で、全面的に薄膜シリコン系パネルを使用するのは珍しいケースとなっています。
プロジェクト遂行のための臨機応変な対応
東京エレクトロン九州様は半導体や液晶製造装置の大手メーカーであり、お客様には大手の太陽光パネルメーカーもあります。そのため東京エレクトロン九州様の要求仕様として、製造装置のお客様である薄膜シリコン系の太陽光パネルを使用することが第一に挙げられていました。当初はギリシャのメーカー製品を使うことを予定していましたが、ギリシャのデフォルト危機がクローズアップされ、更に調達を予定していたメーカーが製造を中止するという事態に。そこで急きょ、国内メーカー製に切り替え、必要なパネル枚数を確保するという綱渡りの場面もありました。
また、再生可能エネルギー買取制度の法制化に時間を要したことや、それに伴う電力の買取価格についても方向性が明確にならなかったことで、プロジェクトが足踏み状態になった時期もありましたが、その間においてもNTTファシリティーズ側から、確かな情報を提供することでプロジェクトの進捗を維持することに努めました。
豊富な経験とノウハウを活かし慎重かつ安全に
太陽光パネル設置工事は慎重さを要求されます。特に工場建屋の屋上全面にパネルを設置するだけに強度計算や風の影響なども考慮する必要があります。更に工場内のクリーンルームで生産されている半導体製造装置は超精密機器なので、施工時の振動なども防がなければなりません。そこはパートナーに選んだ大成建設さんが工場建屋に関するノウハウを持っていたことで、お客様の業務に支障をきたすことなく遂行することができました。
また、屋上までクレーンで吊り上げる際に、指定された方法ではリスクがあることがわかりました。そこでNTTファシリティーズのこれまでの太陽光パネル施工の経験を活かして、パネルの吊り下げ方を工夫し順調に設置工事を完了しました。
パネルの変更や思わぬ時間のロス、設置工事の際の難関など、想定外の出来事にもこれまでのNTTファシリティーズの豊富な経験とノウハウで速やかに対応し、無事にプロジェクトを完遂することができました。
お客様の声
東京エレクトロン九州株式会社 様
東京エレクトロン九州株式会社
総務部 部長
宮﨑 真司 様
東京エレクトロン九州株式会社
総務部 環境安全管理Gr
大園 徹 様
東京エレクトロンBP株式会社
FOM事業部 施設管理部
九州FSグループ グループリーダー
北村 竜二 様
東京エレクトロンBP株式会社
FOM事業部 施設管理部
九州FSグループ
塚本 鉄夫 様
環境対策、省エネ対策の一環として、東京エレクトロングループでは節電・省エネ活動とともに太陽光発電設置を推進しています。2010年には東京エレクトロン宮城で1MW設備を設置。東日本大震災後の2011年6月には、東京エレクトロン山梨でも太陽光発電設置工事を自家消費用に活用しています。その両拠点の太陽光発電をNTTファシリティーズさんが手がけているので、今回のプロジェクトに対しても信頼感がありました。また、入札の際には競合ベンダーに比べ営業体制の面できめ細かく対応してくれた点でもCSの評価ポイントは高かったと思います。
当社から指定したメーカー製の太陽光パネルを使用しても電力買取に対応できるのかという調査や、その後、急きょ国内メーカー製に切り替えた時点での設計変更なども迅速に対応してもらえたことでプロジェクトを順調に進めることができました。
買取制度の開始が遅れたことでプロジェクト自体が停滞した時期もありますが、毎週のミーティングで進捗報告をしてもらい、前倒しに作業が進んでいることを把握できたことも心強かったです。2012年12月には本格的に売電を行うことができ、地域貢献という点でも当初の目的を達成しています。
今後、エネルギーマネジメント分野でもNTTファシリティーズさんのノウハウを活用したいと考えており、これからもよきパートナーとして長くお付き合いできればと考えています。
東京エレクトロン九州株式会社 様
設立 | 1991年(平成3年)4月 |
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本社所在地 | 熊本県合志市福原1-1 |
URL | http://www.tel.co.jp/tkl/index.htm |