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導入事例

コンテナ型データセンターの採用により新技術の検証環境を短期間で構築

株式会社NTTドコモ様

株式会社NTTドコモ R&Dイノベーション本部 ネットワーク開発部 ネットワーク仮想化基盤担当 担当部長 長谷川伸也様

株式会社NTTドコモ
R&Dイノベーション本部
ネットワーク開発部 ネットワーク仮想化基盤担当

担当部長 長谷川伸也様

株式会社NTTドコモ
  • 課題
    迅速な「ネットワーク仮想化技術(NFV)」検証環境の構築
    限られたスペース内での設備増設および消費電力の削減
  • 対策
    従来工法での構築と比較して大幅に工期を短縮可能なデータセンターを導入
    サーバーラック内の高密度化実現と同時に消費電力量を抑制する給電システムを導入
    効率的な温度管理が可能な空調装置と気流制御システムを導入
  • ソリューション
    コンテナ型データセンターの採用
    NTTファシリティーズ独自技術の高電圧直流(HVDC)給電システムの採用
    世界トップクラスの省エネ性能をもつ空調装置と気流制御システムの採用

ネットワーク仮想化技術の新しい検証環境を短期間で構築することが急務に

 株式会社NTTドコモは、モバイル通信キャリアのトップランナーとして、常に新しい技術やサービスの開発に取り組んでいます。2016年には、それまで専用のサーバーが必要だったコアネットワーク装置を、汎用サーバーで構成された仮想化基盤上でソフトウェアとして実現する「ネットワーク仮想化技術(NFV)」をいち早く商用導入し、ICT環境の高度化、複雑化に伴い多様化するお客様のニーズに対応しています。

 NFVの導入によって、トラフィック急増への対応やハードウェア障害時の復旧時間短縮など、つながりやすく信頼性の高い通信サービスの環境整備を推進しています。

 同社では、NFVの機能拡張や安定運用を実現するため、検証環境をR&Dセンタ内に構築していましたが、更なる機能向上に向けた検証環境の追加構築が必要になっていました。

 神奈川県横須賀市にあるR&Dセンタのネットワーク開発部において、ネットワーク仮想化基盤担当部長を務める長谷川伸也様は、その追加構築における課題を振り返ります。

 「従来のようにR&Dセンタ内に新しい環境を構築する場合、大量のサーバーとそれらに付随する空調機器や電源設備を設置するため、大規模なスペースの確保に加えて、既設の電力・空調インフラの拡張工事が必要となり、従来の手法では求められる期限内での環境構築が大変厳しい状況でした」。

敷地内にコンテナ型データセンターを構築することで工期を大幅に短縮

 外部のデータセンターやNTTドコモの他サイトを利用するなどの手法を比較し、コスト面や日々の検証作業における利便性を考慮しつつ抜本的な工期短縮策として最終的に選択したのが、NTTファシリティーズから提案された、R&Dセンタ敷地内にコンテナ型データセンターを構築するという手法でした。

 コンテナ型データセンターは、コンテナの中にサーバールームを実現するソリューションです。パッケージ化により、短工期、低コストによる構築が可能です。またコンテナを追加構築することにより、お客様の事業拡張に追随できる、高い拡張性が大きな特長となっています。

 「提案を受けた時に、これなら短期間での構築を実現できそうだという手応えを感じました。一方で、消費電力を抑えることや、極力サーバーの集積度を上げて、ラック内スペースの有効利用を図りたいという我々の要望も実現してもらう必要がありました」(長谷川様)。

 工期短縮に加え、これらの条件が課せられる中、NTTファシリティーズはどのような方法を用いて課題を解決していったのでしょうか。

ドコモR&Dセンタの敷地内に設置されたコンテナ型データセンター
ドコモR&Dセンタの敷地内に設置されたコンテナ型データセンター

高圧直流給電システム、高効率空調機、気流制御システムなどを駆使して課題を解決

 コンテナ型データセンターは、規模や構成に一定の自由度があり、スペースに合わせて構築することができます。本プロジェクトでは、工期を極力短くするために、あらかじめ工場で製作したコンテナを分割して搬送。それを現地で組み立てることで大規模な基礎工事が不要となり、天候不順など現場での影響を抑えながら工期短縮を図ることができました。加えて、コンテナ型データセンターの場合、国土交通省より建築確認を不要とする技術的助言が発出されており、これに基づき建築確認を行わず構築可能との特定行政庁の判断をもらえたことも、工期短縮の一因となりました。

 電源は、380Vの高電圧直流(HVDC)を用いる給電システムを採用し、従来の交流給電に比べて大幅な高効率化を実現。さらに不要となったラック内の交流分電盤スペースを有効活用し、サーバーラック内の高密度化も達成。NTTドコモでは従来の交流電源で1ラックあたり8台のサーバー搭載で運用していましたが、このコンテナ型データセンターではHVDCを採用することで、1ラックあたり24台のサーバー搭載を実現しました。

高電圧直流(HVDC)給電システム(左)とHVDCによって高密度化を実現したサーバーラック(右) 高電圧直流(HVDC)給電システム(左)とHVDCによって高密度化を実現したサーバーラック(右)
高電圧直流(HVDC)給電システム(左)とHVDCによって高密度化を実現したサーバーラック(右)

 サーバーラック内を高密度化したことで新たな問題となるのが高発熱への対策です。この問題に対し、世界トップクラスの省エネ性能をもつデータセンター用空調機の採用に加え、冷却効果を最大限に発揮する気流制御システム「アイルキャッピング」を導入。高効率な空調機からの冷気とサーバーからの高温排気を物理的に分離させることで、サーバーの動作温度環境を担保しながら、空調の消費電力を設計値から約16%削減しています。

高温排熱がサーバーの吸気口に回り込まないよう上部のパネルで気流を遮断
高温排熱がサーバーの吸気口に回り込まないよう上部のパネルで気流を遮断

仮想化基盤をさらに進化させるため これからも建物・電力インフラにおけるパートナーシップに期待

 今回のコンテナ型データセンターによる検証環境の構築について、長谷川様はこう評価します。

 「従来の手法では8か月程度の工期を想定していましたが、それを今回は約半分の4か月で完了することができ、最重要課題であった検証期間の確保が実現できました。加えて、コンパクトなスペースながらも高密度化を実現した上で、トータルの消費電力量を要求したレベル以上に抑えてもらうこともできました。

 構築コストについても従来のR&Dセンタ内での検証環境の構築と同等レベルで実現でき、更に効率化が図れたことで、トータルの運用コストの低減に結び付けることができました。我々の要求がすべて実現でき、非常に満足しています。また、今後の検証環境構築に向けた新たな選択肢を確立する事例となりました」。

 2020年に市場導入が予定されている次世代通信システム「5G」に期待が集まる中、今後ますます多様なサービスが仮想化基盤上に実装されていくことでしょう。長谷川様は今後の展望とNTTファシリティーズとの協業にふれて、言葉を結びました。

 「新しいサービスを“あたりまえ”のようにお客様に使ってもらうためには、さまざまな検証により安定運用を実現させることが不可欠です。今後も我々は、仮想化基盤をさらに進化させるべく、検証を継続していきます。NTTファシリティーズには、建物・電力インフラにおけるパートナーシップの発揮を大いに期待しています」。

施設・クライアント概要

会社名 株式会社NTTドコモ
本社所在地 東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー
資本金 9,496億7,950万円(2017年3月31日現在)
設立 1992年7月
事業内容 創業以来、モバイル通信分野において常にトップ企業として、新しいテクノロジーやサービスを導入し、業界や市場を牽引しています。携帯電話サービス、光ブロードバンドサービス、衛星電話サービスなどの通信事業に加え、動画・音楽配信、電子書籍サービス、金融・決済サービスなどのスマートライフ事業を推進。ケータイ補償サービス、システムの開発・販売・保守などを含め、幅広い事業を国内外に展開しています。

採用製品・サービス

コンテナ型データセンター
構成要素の最適化と標準化により、大幅な工期短縮と低コスト化を実現します。独自開発の省エネ技術を駆使し、高効率データセンターとしての構築が可能です。
高電圧直流(HVDC)給電システム
シンプルな構成で、従来の交流給電システムに比べ、変換ロスを約40%削減可能な給電システム。低コスト、省スペース、省エネ、高信頼の両立を実現します。
空冷式空調機/床置型<FMACS®-V>
耐震や電磁波漏洩防止性能にも優れた長寿命・高品質設計。世界トップレベルの省エネ性能を誇り、ライフサイクルコスト及び環境性を重視した床置型空調機です。
ICT装置用気流制御システム<AISLE CAPPING®>
データセンターで「空調機からの冷気」と「ICT装置からの高温排気」を明確に分離。高温排気の再循環を防ぎ、冷却効率の向上を実現します。

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