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なぜ日本は地震大国なのか?その原因と対策を探る

2017年8月30日

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 首都直下地震、南海トラフ地震など、日本では巨大地震が高い確率で発生することが予想されています。なぜ、日本では次々と巨大地震が発生するのでしょうか。本記事ではその原因と、地震に対し企業が取り組むべきBCPのポイントを紹介します。

マグニチュード6以上の約2割が日本で発生する理由

 防災白書(平成26年度版)によると、世界で起きたマグニチュード6以上の地震のうち、約18%が日本周辺で発生しています。なぜこんなに発生するかというと、日本周辺には「プレート(岩盤)」が存在するからです。

 地球の表面は、十数枚のプレートで覆われています。プレートはそれぞれが別の方向に向かって、年間数cmの速さで動いているため、プレートとプレートとの間には圧力が常にかかっています。

 その圧力が限界に達し、2つのプレートの境界部分が壊れることで、地表を揺らす地震が発生します。合計で4つのプレートに囲まれている日本は、複雑な力が掛かっているため、世界でも有数の地震多発地帯となっているわけです。

 そして、今後も様々な巨大地震が予測されています。政府は、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を公表しており、太平洋側の大部分で26%以上、しかも一部の都市では「80%以上」と非常に高い数値となっています。

 大地震のリスクは非常に高く、日本の企業にとっては無視できない存在なのです。

巨大地震が与えるオフィスビルへのダメージ

 いったん巨大地震が起きれば、その被害は甚大なものになります。

 内閣府の首都直下地震対策検討ワーキンググループがまとめた報告書によると、首都直下地震が発生した場合の被害を、建物などの直接被害が約47兆円、生産・サービス低下などの被害が約48兆円で、合計約95兆円にものぼると推計しています。

 インフラやライフラインも大きな被害を受けます。電力は、発災直後には都区部の約5割が停電し、1週間以上も不安定な状況が続きます。また、通信も固定電話、携帯電話ともに9割の通話規制が1日以上続きそうです。

 交通でも、地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1カ月程度、運行停止する可能性があります。主要道路でも、救援ルートを確保するまでに少なくとも1~2日かかる見込みです。

 一方、首都直下地震と並んで近い将来の発生が予想されている南海トラフ地震でも、最大で約170兆円の直接被害(揺れによる倒壊など直接的な被害)と、約45兆円の間接被害(直接被害は受けないが、間接的に受ける経済的な被害)が出ると想定されています。

 もちろん、企業の事業拠点となるオフィスビルも例外ではありません。

 まず、オフィス内部では、天井や天井に吊っている設備機器などの落下、キャビネットの転倒、コンピュータの破損などや、建物自体に目を移すと、建物の損傷、窓ガラスや外壁タイルの落下、設備や配管の損傷、エレベータの故障などの可能性があります。

 また、周囲の建物の倒壊、地盤の液状化に加え、電気・ガス・水道・通信などのライフラインが停止することも予想されます。

 こうした被害によって、仕事に不可欠な書類や、OA機器、電源設備の機能などが失われれば、業務遂行に支障をきたします。それどころか、オフィス自体に立ち入れなくなって、業務の継続が不可能になることも考えられます。

オフィスビルに求められるBCPとは

 このような事態を避けるために重要なのが、BCP(Business Continuity Plan)です。日本語では「事業継続計画」と呼び、その名の通り災害などの緊急事態に遭遇した時に、企業が損害を最小限に食い止め、中核となる事業が中断しないため、あるいは早期復旧を可能にするために、平時から取り決めておく計画のことです。

 BCPの範囲は広範囲に及びます。まず基本方針を決定するために、優先して継続・復旧すべき中核事業の特定、想定されるリスクの認識を洗い出す必要があります。

 次に、緊急時における事業を継続するための手段を講じます。具体的には、中核事業の目標復旧時間の決定、事業拠点や生産設備、仕入品調達などの代替策の検討などが含まれます。

 オフィスビルに限れば、非常用電源設備の設置がBCP対策の1つとなります。たとえば、建物や設備機器などの耐震・免震補強、パソコン・OA機器の転倒防止、情報システム機器の耐震・免震装置の設置、UPS(無停電電源装置)などがあります。また、建物が地震によって損壊した場合に備え、その安全性をどのように判定する方法を準備しておくことも重要です。

BCP策定は巨大地震のリスクを想定することから

 こうしたBCPを、これから策定しようとする企業は、「自社だけで多数の手順を踏むのは難しい」と感じるかもしれません。しかし、BCPを策定していないと、災害が発生した時に復旧が遅れ、事業が立ち行かなくなる危険もあります。

 政府や自治体が提供しているガイドラインを参考にしたり、もし自社だけで策定するのが難しければ、BCP策定をサポートするサービスを利用することで、BCPを考える上での参考になるはずです。

 今回紹介したように、巨大地震は非常に身近な存在で、日本にあるすべての企業にとって共通の課題です。ノウハウやコストの問題からBCPの策定を躊躇するケースもあると思いますが、まずはそのリスクを認識して、自社への影響を想定するところから始めてみてはいかがでしょうか。そうすることで、自社にマッチしたBCP対策は何か、明らかになっていくことでしょう。

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