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ビジネスコラム

IoT時代の到来を支える「エッジコンピューティング」とは

2019年7月10日

 IoT時代の幕開けとともに、膨大なデータトラフィックが生まれようとしています。その中で懸念されているのが、データセンターや通信回線への過大な負荷。IoTを普及させ、デジタルトランスフォーメーションを推進するためには、何としてでも解決しなければいけない問題です。問題解決のために、「エッジコンピューティング」という新たな通信技術に期待が集まっています。クラウドコンピューティング(以下、クラウド)の次に来るといわれているエッジコンピューティングとは、いったいどのような技術なのでしょうか。今回はその魅力を紹介します。

ユーザーとの距離が近いエッジコンピューティングとは

 エッジコンピューティングとは、エンドユーザーが使用する端末の近く(エッジ)に、サーバーなどのコンピューティングリソースを配置する概念のことです。ユーザーの近くでデータを処理することにより、通信遅延を小さくできるといったメリットがあります。

 これから普及が予想されるエッジコンピューティングに対して、現在活用が進んでいるのがクラウドです。昨今、ビジネスではクラウドでのデータ処理を優先する「クラウドファースト」が浸透しつつあります。総務省の調査によると、クラウドサービスを利用している日本企業の割合は2018年の時点で56.9%に達しています。

 クラウドは、各種データをデータセンターで収集・処理し、端末やデバイスの環境や性能に依存せず利用することができます。例えば、外回りをしている時に、タブレット一台で社内のデータを閲覧し、アプリケーションで編集、それをもとにスタッフとチャットミーティングなど多岐にわたる作業ができるのもクラウドの存在があってこそといえるでしょう。

 ネットワーク経由で豊富なコンピューター資源を利用できるクラウドですが、IoT時代に向けてその課題が指摘されるようになりました。

エッジの力でクラウドの負荷を軽減する

 世界のデータトラフィックは、2017年から2020年にかけて約1.9倍に増加し、2020年には1か月あたり2,000億ギガバイトを超すと予想されています。その一因になっているのがIoTの普及です。

 これからは、自動運転やコネクテッドカーといった「自動車・輸送機器」、デジタルヘルスケアなどを念頭に置いた「医療」、スマートシティなどの「インフラ」といった分野で、IoTの活用が進むと考えられています。

 そうした分野では、膨大なデータトラフィックが発生します。自動運転の場合、車1台が扱うデータ量がたった1日で4TB以上にもなるという試算もあります。

 IoTによって次々と発生する膨大なデータのすべてをクラウドで対応しようとすると、データセンターのリソースを莫大なコストをかけて追加し続けなければいけません。また、通信回線の逼迫によって遅延が発生する恐れもあります。

 このような課題に対し、エッジコンピューティングは、データをクラウドだけに集約するのではなく、データが生成されるユーザーの近くサーバーやアプリを設置して処理します。それによってクラウドの負荷を軽減し、より大量のデータを活用することができるようになるのです。

よりはやく、より安全に、より軽く

 エッジコンピューティングには、「リアルタイム」「セキュリティ」「データトラフィック」といった特徴があります。それぞれどのような魅力があるのか見ていきましょう。

 クラウドでは遠方のデータセンターを利用するケースも少なくありません。データセンターが遠くにあればあるほど、データを転送する往復の時間が必要になります。データ転送における平均的な往復遅延は日本と欧州で約200msとされていますが、エッジコンピューティングは最高で数ms程度まで短縮することが可能です。これにより遅延を感じることなく、リアルタイムに機器の操作ができるようになります。

 セキュリティについては、クラウドでは重要な情報をサーバーで集中管理するため、サイバー攻撃などによってデータが悪用される危険もあります。一方、エッジコンピューティングは、クラウド側ではなくエッジ側でデータの収集や処理をすることによって、情報が漏洩するリスクを回避することが可能です。

 IoTセンサーで生成される膨大なデータトラフィックをクラウド側で対応しようとすると、その分通信設備への投資が必要になりますし、通信回線を逼迫することにもなります。そうしたデータをエッジ側で処理して必要なデータだけをクラウド側に集約することで、通信の負荷を軽減することができます。

 このように、エッジコンピューティングは、IoT時代に向けてクラウドを補完するようなかたちで実用化が進んでいくと考えられています。ターニングポイントになりそうなのが2020年です。そこでは一体に何が起きるのでしょうか、次回はエッジコンピューティングの活用例とともに紹介します。

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