お問い合わせ

NTTファシリティーズ

メールのアイコン


第三者意見


大石美奈子(おおいし・みなこ)公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会理事・環境委員長

 


■紛争鉱物問題

このテーマは、グローバル企業の環境部門ではその重要性を認識し、取り組み始めたところも出てきましたが、会社全体となると理解を広げにくい問題のようです。また以前であれば、知らずに使っていたとしても済まされていたものが、知らなかったでは許されない社会状況となっています。会社の存続に直結するという意味では、トップメッセージにて言及されていることは非常に評価できます。人権というよりは、これからは会社のCSRの根幹として取り組んでいっていただきたいと思います。


■スマートコミュニティ

東日本大震災が起こるまでは、私を含めほとんどが電気などのエネルギーは使えて当たり前、といつの間にか思いこんでいたようです。しかしこれからは、ある程度の我慢をしてでも省エネが求められる時代になっていくと思います。「ICTを活用して限りあるエネルギーや資源を賢く効率的に使用する」ためのさまざまな技術が紹介されており、意識的に賢く省エネする時代であることを強く認識しました。

新築の建物に、最新鋭のさまざまな技術が初めから導入されるのは当然でしょうが、既存の建物にも、省エネや災害対策などの新しい技術を組み入れていくことが強く求められています。既存ビルのスマート化の取り組みが紹介されていますが、今後御社が重要な役割を果たすことになると期待しています。

 

また省エネに関わるさまざまな技術をコミュニティ全体に広げていくことは非常に重要ですが、コミュニティには大企業だけでなく中小の企業や家庭も含まれています。資金的な問題から技術や設備の導入が難しい場合も多いと思われますので、行政との連携も含め、新しい技術を導入しやすい方策も考えていただきたいと思いました。


■生物多様性の取り組み

生物多様性に取り組むというと、敷地内にビオトープを作る、山に木を植えるといった具合になりがちですが、紛争鉱物問題と同様、実はCSRの根幹に関わる重要な課題の一つです。本業の中で、今後どのように取り組んでいくのかをもっと突き詰めていただきたかったのですが、少し物足りなさを感じました。

御社は、建物の新築、改築、また情報システムの構築にも関わっていますので、工事予定地などで生息している動植物を調査・把握し、生物多様性を守るためには何をしなければならないかを専門家やNPOなどのアドバイスも受けながら、CSRとして取り組んでいただきたいと思います。

 

CSRのテーマの中に「情報通信技術を活用し、人口減少・高齢化社会における課題解決に貢献する」とありましたが、高齢化社会に向かう日本ではこれらは大きなビジネスチャンスでもあります。また東日本大震災の後、個人も企業も事前の災害対策は必要不可欠となり、「災害時に強い情報通信サービスの提供」が強く求められています。

社会全体が抱えている課題に対し、それを解決できる技術や情報を御社が提供できれば、それはCSRであると同時に社会貢献であり、さらには大きなビジネスチャンスにもなります。ぜひ今後とも積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。


公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会(NACS)

1988年に通商産業省(当時)の認可を受け発足。消費者の利益と企業活動との調和を図り、地球規模の環境、安全、発展を視野に入れ幅広く活動、2011年4月より公益社団法人化。審議会や委員会にも消費生活の専門家として参画。

第三者意見を受けて 株式会社NTTファシリティーズ CSR推進室

地球温暖化に関連があるとされる高温や豪雨などの異常気象の発生もあり、節電をはじめとする省エネルギーや資源の有効活用は、日本全体で取り組まなければならない重要な課題となっています。

今回のCSR報告書では「Smart&Safety」をキーワードとした特集を組み、エネルギーを賢く(効率的に)使用する「スマート」で、自然災害などにも対応した「セーフティ」な街づくりに向けた環境創造ビジネスの取り組みと、「企業倫理」「情報セキュリティ」「環境保護」「人権啓発」といったCSRにおけるそれぞれの分野での取り組みを中心に、当グループの現状をステークホルダーの皆さまにわかりやすくお伝えすることを考え作成しました。

 

大石様よりコメントいただきました「Smart&Safetyなコミュニティ」の実現に向けた事業を引き続き推進するとともに、「紛争鉱物」や「生物多様性」への取り組みについてもCSRの根幹に関わる重要課題としてとらえ、社会の動向も踏まえながら、当グループで何ができるのか常に見直しを行いつつ推進させ、その状況はCSR報告書などを通じてステークホルダーの皆さまにお伝えしていきたいと考えております。




PAGE TOP