2025年10月15日
2025年度グッドデザイン賞の受賞について
株式会社NTTファシリティーズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:川口 晋 以下、NTTファシリティーズ)は、当社が設計に関わった「NTTパビリオン(大阪府大阪市)」「HiroPa(ヒロパ、広島県広島市)」および「HAROW(宮崎県宮崎市)」が「2025年度グッドデザイン賞」を受賞しましたので、お知らせいたします。
建物概要および表彰概要
NTTパビリオン ~感情を纏う建築~
NTTパビリオンは、「感情を纏う建築」をコンセプトに、公園のようにひらかれた場として構想されました。人のふるまいと自然、デジタルがやさしく溶け合い、響き合う空間を生み出しています。糸のような構造体は音を奏で、風と揺れる布が、自然の移ろいを映し出します。来場者の感動は表情から読み取られ、高速大容量、低遅延、低消費電力を兼ね備えた次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を通じて、遠隔サーバーへと伝わり、表情解析結果を受けて、ファサードが脈打ち音を放ちます。建築そのものが感情を宿した生命体のように、呼吸し、反応し、共鳴する――そんな有機的なパビリオンをめざしました。
【グッドデザイン賞審査委員による評価】
東ゲートをくぐると、大屋根リングの手前で色とりどりの布が音を出しながら不規則に揺れている。聞けば、新しい通信技術であるIOWNによりレイテンシーなく繋がれた館内の来館者たちの笑顔が伝搬しているのだという。 なんて楽しそうなのだろう。外から見ていても自然と笑顔がこぼれてくる。 更にこの布は、復興支援として中能登で生産されており、子どもたちが思い思いの色の布を結び付けていったのだと。 先端技術を展示している館で、物質的な豊かさのみならず人々のウェルビーイングに資する仕掛けが工夫された外観であり、仮設展示のみならず常設建物にも是非応用してほしいグッドデザインである。
Hiropa
地方中核都市「広島」において、公園を使いこなすライフスタイルを醸成すべく、その地に在る水と緑と共生する商業施設として計画されました。広島サッカースタジアムに隣接し、非日常の熱狂を創る新スタジアムに寄り添いながら、日常の賑わいと憩いのシーンを補完するほか、周辺環境と調和し、地域活動を育む“都会のオアシス”となることをめざしました。
【グッドデザイン賞審査委員による評価】
地方中核都市の中心部のあり方を新たに定義したPark PFIの好事例である。郊外にあったサッカースタジアムを市街地スタジアムとして新設し、それに伴い人の流れや賑わい、ライフスタイルに至るまで再定義されており、国土の小さい日本の都市部には困難であったセントラルパークが実現したプロジェクトとして高く評価ができる。スタジアムの熱狂、興奮、歓声、賑わいといった動のエリアと、広島城や平和記念公園など静のエリアとの関係の緩衝ともなる公園と商業施設の計画は、市民のみならず広島を訪れる人のオアシスとなることが期待される。
HAROW
「HAROW」は地方都市活性化の持続可能な開発モデルとなる2棟の複合商業施設です。
大通りに面する「HAROW ⾼千穂通」は電話局の外壁を切り抜き構築した公開通路と、ほこみち制度を活用したデッキの構築により、歴史を継承しながらまちに開かれた新しい居場所へと転換しました。
小規模店舗が建ち並ぶ通りに面する「HAROW 広島通」は将来的な土地活用の変化に追従する汎用的で持続可能な開発です。
【グッドデザイン賞審査委員による評価】
全国に数多く残る電話局の建物は、通信技術の普及で必要なくなる部分も多く、堅牢で外に対して閉じた建物をどうしていくかが課題だ。ここでは街に接する部分で既存建物をリノベーションによって外に開き、余剰の敷地を活用して、街に対して顔を作り、人の居場所や、地域でビジネスや商売を始める人を支えるような計画を評価した。コンテナを使った軽やかな建替えや、外壁を一部セットバックさせ公共空間を創出するなど、元の閉鎖的な場からの劇的な変化を感じられるプロジェクトだ。
参考:グッドデザイン賞について
「グッドデザイン賞」は、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する、総合的なデザインの推奨制度です。その母体となったのは、1957年に通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」であり、暮らしと産業、そして社会全体を豊かにする「よいデザイン」を評価・顕彰しています。
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本件に関するお問い合わせ先
(株)NTTファシリティーズ 経営企画部 広報担当
MAIL:pr@ntt-f.co.jp