2025年11月17日
NTTファシリティーズが設計・監理を行った「原宿クエスト」が順次開業 ~新たな人の流れを生む特徴的なデザインと機能性を両立させた設計~
株式会社NTTファシリティーズ(本社:東京都港区 代表取締役社長 川口 晋 以下、NTTファシリティーズ)は、東京都渋谷区において2025年8月に竣工した「原宿クエスト」の設計・監理を実施しました。本施設は2025年8月29日に竣工を迎え、9月11日に開業した「NIKE HARAJUKU」に続き順次開業が進められています。
<設計コンセプト>
原宿クエストは、「Re: HARAJUKU CULTURE」をコンセプトに表参道・原宿エリアにおける新たなランドマークとして計画されました。施設内には、表参道と原宿エリア/竹下通り側をつなぐパサージュ*1(敷地内通路)を設けることで街の回遊性を高め、人々の交流を促す空間を創出しています。また、街が持つ二面性を反映させた特徴的な外装デザインを採用しつつ、建物のボリュームや耐震性を確保し、多様な用途に対応できる柔軟性と利便性を備える設計により、機能的で魅力ある建物となっています。
設計の背景
本プロジェクトは、1988年の開業以来、原宿カルチャーとともに歩んできた旧「原宿クエスト」の歴史と精神を受け継ぎ、新たに生まれ変わらせるものです。
隣接するエリアには2020年にNTT都市開発が手掛けた「ウィズ原宿」が開業し、原宿駅前から竹下通り方面へ新しい人の流れが生まれました。
こうした都市構造の変遷を踏まえ、NTTファシリティーズはデザインアーキテクトのOMA*2と連携のもと、表参道と原宿エリア/竹下通り側の間にさらなる人の流れを創出するため都市空間の再編を図り、地域の歴史を継承しつつ、原宿エリアに革新的な景観や体験価値を提供する新たな建物をめざす、新生「原宿クエスト」の設計に取り組みました。
設計の特徴
1.表参道から原宿エリア/竹下通り側をつなぐパサージュ
この敷地は、「大通りに面してブランドの旗艦店が多く立ち並ぶ都市的な表情をもつ表参道側」と、それとは対照的に「小さな通りや小規模な建物が並ぶ原宿エリア/竹下通り側」の異なる街の顔を持つエリアに面しています。この【二面性】を持つ街並みを一体的につなぐ新たな人の流れを生むため、敷地内に「パサージュ」を通し、表参道側入口では外壁を一部セットバックさせることで表参道の人の流れを誘引する計画としています。
2.【二面性 -デュアリティ- 】をもつ外装デザイン
外装デザインは、表参道側と原宿エリア/竹下通り側の【二面性 -デュアリティ-】を反映させる建築として計画されています。
けやき並木や歩道の広さなど都市的アイデンティティが確立されている表参道側には、けやき並木の列を意識した縦基調のガラスファサードを採用しています。
一方、個性豊かな路面店が点在する有機的でヒューマンスケールの街並みを持った原宿エリア/竹下通り側は、階段状にセットバックし街のスケール感に沿わせた横基調のファサードで構成されています。
これら2つの異なる形状を対比的に統合した外装が実現されています。
3.合理的な建築計画
本プロジェクトはOMAがデザインした特徴的な外観を持つ一方、合理性のある計画をめざしました。
当敷地は住居地域である竹下通り側に日影制限がかかりますが、逆日影検討*3によりこの敷地で建てられる最大限の建物ボリューム形状をシミュレートし、表参道のけやき並木より高い6層(地下2階、地上6階、塔屋1階)の計画を実現しました。
構造計画では、エレベーターおよび階段周辺部に座屈に強いブレースを導入した耐震フレームと、ねじれた外壁面に沿って配置した鉛直荷重のみを受ける構造フレームという、2種類の構造システムを機能別に明確に区分しています。また、構造体を建物外周部へ集約することで、テナント空間を無柱化しテナントスペースの利便性および柔軟性が確保されています。
外装ガラスファサードにはLow-Eガラスを導入し、熱環境負荷の低減が計られています。
また、入居テナントそれぞれの多様な使われ方・空調要求に対応できるよう、水熱源個別空調方式*4を採用し、熱源は冷却塔と空冷ヒートポンプチラーを組み合わせることで、冷暖房の各需要に合わせた高効率でコンパクトな構成としました。これらの施策により高い省エネルギー性能を有しています。
今後の展開
NTTファシリティーズは、原宿エリアにおいて「ウィズ原宿」を拠点として「原宿クエスト」を含む複数の建物の維持管理を担っています。
開発時の設計・監理だけでなく、維持管理者として建物に永く関わり続け、エリア全体の価値向上に貢献してまいります。
注釈・用語説明
<NTTアーバンソリューションズグループ関連リリース>
「原宿クエスト」新規9店舗が11/18(火)より順次開業(2025年11月17日 NTT都市開発)
https://www.nttud.co.jp/news_pdf/news_251117_001.pdf
本件に関するお問い合わせ先
(株)NTTファシリティーズ 経営企画部 広報担当
MAIL:pr@ntt-f.co.jp