+α
自分を育てる。

東北支店 ファシリティ事業部
エンジニアリング&コンストラクション部
設備部門 第一設計担当

※インタビュー当時の部署

芦名 匠

ASHINA Takumi

2015年新卒入社 東北エリア採用
生産電子システム技術科 卒

震災を経験して芽生えた、
通信インフラを守りたい
という想い。

通信インフラを守る仕事がしたいと考えたのは、高校生のときに経験した東日本大震災がきっかけです。当時、ガス・水道などのインフラが使えなくなる中で、唯一つながったのが電話でした。家族に電話をかけて安否を確かめることができ、それが安心につながったことから、自分も通信インフラを支える仕事に就きたいと思うようになりました。
電気の仕事に興味を持ったのは、中学校の職場見学で電気工事士が働いている姿を見たことがきっかけでした。就職活動では、電力会社や通信会社を中心に検討しました。会社を調べていたとき、NTTファシリティーズの東北エリアに勤めている知人から、震災での活躍を耳にしました。自分も災害時に役立つ仕事がしたいという想いがあったので、「ここで活躍したい」と強く感じて入社を決めました。

+αを意識。
自分から動くことを
覚えた1年目。

入社後は、東京と仙台での研修を経て、東北エリアの青森に配属されました。主な業務は、NTT通信ビルの電力設備の保守や点検です。青森には東北エリアが保守・維持管理を担当しているNTT通信ビルが140ほどあります。それを1日に何件か、近いエリアをまとめて回っていくのですが、初めの頃は事前の準備が足りず、帰ってきてから先輩に「あの作業もやってきたか?」と聞かれることが多くありました。そこで心掛けたのが、担当するビルの作業内容を、外出前に徹底的に把握することです。もし合わせて実施できる作業があるときは、自分にできないかを確認して引き受けることで、全体的な作業時間を効率化するように努めました。どんなときも「+α」でできることはないかを考え、自分から行動する。そんな姿勢を続けた結果、チームの中心としていろいろな仕事を任せてもらえるようになりました。

青森で経験した
初めての雪害対応。
給電をやり抜いたことが
自信に。

青森に配属された1年目の冬。大雪による広域停電が起き、移動電源車からの給電作業のため、先輩と2人で県内のNTT通信ビルへ向かいました。
初めての雪害対応だったため、このときは大きなプレッシャーを感じました。大雪の中で運転を急がなければなりませんが、焦って事故を起こすわけにもいきません。ビルに到着すると移動電源車から給電作業を行うのですが、「蓄電池の保持時間内に自分が電力設備へ給電できなければ、このエリアの皆さんの電話が通じなくなる」と考えると、とてつもない責任を感じました。
到着してからは、暖房もない中、寝袋と薄い断熱シートで寒さをしのぎながら、先輩と2時間おきに交替で発電機燃料の補給を行いました。シミュレーションで習った内容を思い出し、先輩に助けていただきながら、何とか無事に給電作業を終えることができました。この経験でプレッシャーを乗り越えたことが、現在の自信にもつながっています。

災害時の通信を守る、
非常用発電設備の設計に
チャレンジしたい。

2年目で宮城へ異動し、主に電力設備の設計を担当しています。これまで電力設備の保守・維持管理を行ってきましたが、守る側からつくる側へと仕事が変わった形です。現在はデスクワークが中心で、仕様の選定をしたり、計算ソフトを使って電圧や配線の問題がないかを検証したりしています。自分の設計した設備が何十年も社会インフラとして使われることになるので、設備事故が起きないよう、設備の選定や仕様の確認にはとても気を遣います。責任の重い仕事ではありますが、自分の設計が暮らしの安心や災害対策につながると思うと、大きなやりがいを感じます。
今後は災害時の通信を守る、非常用発電設備の設計にも挑戦したいと思っています。非常用発電設備は、停電時に最も活躍する存在です。他の電力設備を設計するのとは違い、建築部門との連携や発電機容量の選定などで慎重さが求められます。またコストも大きくなるため、3年、5年、10年と長期的な使用を見据えた設計が必要になります。現在の設計業務よりも深い知識が求められますが、勉強を続けて、ぜひチャレンジしたいと思っています。

1日のスケジュール

09:00
ミーティング。
09:30
お客様や社内の担当者と設計方針について打ち合わせ。
12:00
昼休み。弁当を食べ、お昼寝。
13:00
メールを確認しつつ、図面や設計書の作成。
17:30
退勤。

キャリア

1年目
青森支店に配属。電力設備の保守・維持管理を担当。
2年目
宮城県に配属。電力設備の設計を担当。
現在

学生時代に学んだことで仕事に役立ったことはありますか?

大学で開発課題に取り組んだ経験が仕事に活きています。開発課題では実際の商品開発と同じように何度も試作を行い、企画、設計から製造まで、ものづくりの一通りの流れを学びました。入社後の設計でも、同じように根拠を重ねることが必要になるため、当時の経験が理解を深めてくれたと思います。

東北で働いていて良かったことを教えてください。

仙台出身なので、地元に近い場所に住めるのはうれしいです。家族や地元の友人に会いやすいのはメリットだと思います。あとは地元のグルメを味わえることですね。青森で勤務していたときは、家から10分で釣りができるような自然豊かな場所に住んでいたので、おいしい魚には困りませんでした。

お気に入りの仕事道具を教えてください。

高校の頃から愛用している関数電卓です。もう文字が消えかけて分からなくなっていますが(笑)。設計業務では確認しなければならない数値が多いので、いろいろな数式が入っている関数電卓は重宝しています。

オフの日の過ごし方を教えてください。

少し前に飼い始めたウサギとたわむれています。あとは妻と観光がてら岩手や山形へ遊びに行ったり、妻の実家がある長野へ車で5時間半かけて帰ったりもしています。先日は青森県の八甲田山に行って、スノーボードを楽しんできました。

入社後に言われた言葉で、一番うれしかったものを教えてください。

夏の暑い日、1日がかりでビルの点検作業をしていたとき、近所のおばちゃんが「NTTさん、頑張っているね」と言って栄養ドリンクを一箱くださったことがあります。とてもうれしくて、地域の方々のためにますます頑張ろうという気持ちになりました。