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プロジェクトストーリー 通信を守る PROJECT STORY プロジェクトストーリー 通信を守る PROJECT STORY

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「通信を守る」とは

全国には「通信用建物」が数千棟もあることをご存知でしょうか?
通信用建物とは、日本全国に
広がっているネットワークを支える
機能を持った建物です。

NTTファシリティーズは、
全国にある通信用建物や設備を、
日々計画的に改修しています。
電話やインターネットといった
身近なものから、社会を支えている
通信を利用した
さまざまなシステムまで、
人々がこれからも安心して
使い続けられるように。

通信、すなわち人々の日常を守るために、
NTTファシリティーズの社員は
どのようなことを行っているのか。
「通信を守る」という事業に従事している
3人の社員のそれぞれの業務について
詳しくご紹介します。

通信用建物 通信用建物
  • 企画・
    コンサル

  • 設計

  • 構築

  • 維持・
    管理

  • (企画
    コンサル〜)

菊谷 一貴 意匠設計担当 菊谷 一貴 意匠設計担当

菊谷 一貴

意匠設計担当

首都圏事業本部
NTTエンジニアリング部
建築部門 第一設計担当

インタビュー当時の部署

2001年新卒入社
工学部・建築学科 卒業

KIKUYA Kazutaka

全体の流れの中での
意匠設計の役割

「意匠設計」は、新築プロジェクト・改修工事プロジェクトにおいて、全体の骨格を設計図に落とし込むのが仕事です。具体的には、「建物をこういう形にしたい(改修したい)」というお客様の要望を、完成像として検討・計画するのが意匠設計です。通信用建物の場合は、すでにある建物の仕様を変える改修工事の比率が多くなります。

設計図に落とし込むといっても、改修工事プロジェクトの場合、改修前の状態を確認することから始めます。既存建物の設計図が残っていることもありますが、実際の建物と設計図が異なることも多いため、プロジェクトの初期段階で、「本当に図面の通りなのか」を確認する必要があります。現地に行って採寸する、過去の工事の経緯を紐解くという作業を、設計担当者は日常的に行っています。設計図と異なる部分、現地で確認して分かった情報があった場合、設計図を修正し、その図を基にお客様に改修後の姿を提案するという流れになります。

また、私は課長として、プロジェクトメンバーをまとめる役割も担当しています。プロジェクトマネジメントとして、お客様や設計担当とだけではなく、設備担当や営業、維持管理担当との調整やお客様との折衝も行います。

全体の流れの中での意匠設計の役割

通信を守るプロジェクトについて

  1. 建物や機能を活かし続ける

    私は今、通信用建物の改修工事を中心に担当しています。具体的には、建物を風雨から守るための屋上防水改修工事や外壁改修工事といったものから、非常時に電気を供給するための非常用発電機の新設・更改工事など、さまざまな設計を実施しています。
    世の中の通信環境が大きく変わってきたということは、それに伴い、通信用建物の中の通信設備も変わっています。今まで通信を途切れさせることなく脈々と繋いできたという部分に、「通信を守る」という事業の価値があると思っています。そのため、NTTファシリティーズの設計職には、何を造るかだけではなく、今あるものを活かしながらどのように造るかという視点が必要になります。そのあたりが、「通信を守る」という仕事の面白さに繋がるのではないでしょうか。

  2. 建物のライフサイクルを
    最適化する

    また、通信を守り続けるには、設計だけでなく、建物のライフサイクルを考慮した維持管理も重要です。私は設計だけでなく、建物の維持管理・FM(ファシリティマネジメント)も担当した経験があるため、日頃の業務の中でも「どのように造れば、建物を不備なく長く使用・管理し続けられるか」という部分を考えられるようになりました。
    改修工事を行う際に、維持管理スタッフから現状の不具合・故障箇所を引き継ぎ、設計の中に新しく盛り込み、完成した後に新たに設置された設備の使用方法をまた次の維持管理スタッフに引き継ぐ。NTTファシリティーズはこのサイクルを長年続けてきました。設計や維持管理など、それぞれ分野や視点が異なる関係者と連携をしながら通信を守り続けている点に、NTTファシリティーズの技術力が表れていると思います。

  3. 災害の経験も、
    「通信を守る」に活かす

    東日本大震災を経験してから、建物を見るときに、「どこが壊れやすいか」といった部分が目につくようになりました。実際のプロジェクトで設計する段階で、「被害に遭ったビルと同じ仕様になっていないか」「建物の機能を保つにはどうしたらいいか」を事前に考えます。また、被災の事実や対策は全国的に展開され、改善されていきます。災害の経験も「通信を守る」という仕事に活かせていると実感します。

通信を守るプロジェクトについて

仕事のやりがいと苦労したエピソード

通信用建物の工事が完了したあとに、実際にそのエリアでサービスが使えるようになっていると、自分たちの仕事が社会貢献につながっていると実感できます。世の中をより良くする通信サービスを展開するためには、まず私たちの仕事が完了している必要があるため、日々の業務の中で、滞りなく工事を終わらせる重要性・責任をひしひしと感じます。

また私は、やりがいと苦労は表裏一体だと思っています。若手のころ初めて設計から工事会社との価格交渉、現場監理まですべて1人でやり遂げた案件で、その両方を感じることができました。具体的には、通信用の非常用発電機の増設や事務室の電力室化、機械室の拡張など、ビル内部の通信に関連する広範囲エリアを改修する内容でした。まだ入社して3年目で、設備担当や工事会社の方にフォローしてもらいつつ、なんとか完成まで漕ぎ付けました。大変だったプロジェクトの方が無事に完成したときの達成感が大きく、自分の成長にも繋がったような気がします。

今後の目標

自分が第一線で動くというプロジェクトももちろんありますが、若い担当者に知識・経験などのノウハウを引き継いでいくことを今後は意識したいと考えています。最も効果的な指導方法は、やはり実際に自分で経験してもらうことです。経験の場を与え、一緒に考える環境を作ることが、業務や技術力の継承には重要だと考えています。

NTTファシリティーズでは、一人が多くのプロジェクトを同時並行で進めています。大変なことももちろんありますが、目の前の一つひとつの課題に前向きな姿勢で取り組める方が向いていると思います。
就職活動において皆さんは今たくさんの企業を検討していると思いますが、積極的に情報を集め、自分の希望する仕事が見つかるよう活動してみてください。

西谷 風香 設備設計担当 西谷 風香 設備設計担当

西谷 風香

設備設計・監理担当

首都圏事業本部
NTTエンジニアリング部
設備設計部門 第一設計担当

インタビュー当時の部署

2017年新卒入社
理工学系研究科 建築学専攻 修了

NISHITANI Fuka

全体の流れの中での
設備設計の役割

「設備設計」は、新築・改修する建物の中にある建築設備の設計・工事監理を行います。設備設計には、大きく分けて空調関係、衛生関係、電気関係の仕事があり、私はその中の空調・衛生関係の設備を担当しています。

仕事の流れとしては、建物の意匠設計・構造設計とともに、建物内外に設置されている設備を設計するというフローになります。意匠設計者や構造設計者と協業する案件もあれば、設備担当者単独で進めることもあります。設計を実施した後、予算やスケジュールを計画し、それが了承され次第、工事が始まります。

また、改修工事では、既存建物の設備がどのようになっているか把握する必要があります。設備設計担当も、必ず現地を調査して現況を確認します。

全体の流れの中での設備設計の役割

通信を守るプロジェクトについて

  1. 通信設備を万全な状態に
    保つことで通信を守る

    私は、通信用建物の中の、空調設備や換気設備などの空調関係、給水・排水などの水回りの衛生関係の設備設計の担当をしています。具体的には、通信機械室内に設置されている通信設備や非常時に稼働する発電機を正常に運転させるために空調設備や換気設備の設計を実施したり、通信用建物の内部にあるトイレなどの衛生設備の更改を行ったりしています。
    「建物を新築する」「全フロアを改修する」というプロジェクトよりも規模は小さくなりますが、設備設計は通信機械を守るため、ひいては「通信を守る」ためには必要不可欠な要素になります。

    また、建物全体だけでなく設備といった細かい部分でも、一気通貫で設計・維持管理してきた長年の知識と経験は、NTTファシリティーズならではの強みだと思います。通信が機能し続けるように設計・維持管理しているからこそ、建物や設備の異常にいち早く気付いたり、維持管理のための工事を計画的に行ったりできるのです。

  2. 社内でも現場でも
    「通信を守る」ための
    知識と経験が身に付く

    通信を守り続けていくためには、どの職種であっても、知識のアップデートが必要です。私は社内での勉強会や資格勉強を通して、建築技術だけでなく関連法規についても逐一調べるようにしています。それがプロジェクトを効率的に進めるための材料になったり、設計者としての自信に繋がったりするためです。
    また、現場では、建築・電気などそれぞれの分野に詳しい各担当者や、施工方法に詳しい工事会社の方々と意見を出し合って協力しながら工事を進めます。NTTファシリティーズは社内でも現場でも、通信を守るための技術をインプットできる環境があります。

通信を守るプロジェクトについて

仕事のやりがいと苦労したエピソード

設備設計の社会的意義を感じる瞬間は、自分が担当したエリアで停電が発生しても、通信障害が起こることなく無事に通信が繋がっていることが分かったときでした。自分の仕事が、実際に「通信を守る」という事業に直結していると実感できました。

この仕事のやりがいを考えたとき、初めての非常用発電機の新設工事の現場が思い浮かびました。本来は、工事が始まる前の検討・設計フェーズで、工事手順や工法などを決めてからスタートするのですが、この案件は工事が始まった後にも関係省庁などからの指導により設計内容に変更が発生しました。工期は後ろ倒しにできないため、設計変更になったところはストップしつつ、進められる部分だけは工事を進めてもらって、なんとか間に合わせました。
初めてのことで分からないことだらけだったため、当初は無事に終わるかとても不安でした。しかし、上司や先輩、現場の方に協力してもらいながら、着実に完成に向かっていくプロセスを経験でき、チームの一員になれたような気がして、大変だった分嬉しかったのを覚えています。

また、通信用建物の設備設計は「人を相手にする仕事ではない」という点も、大変な反面、面白味がある部分だと思っています。例えば、空調の設計を行うとき、必要な場所に空調の気流が届くように検討する必要があります。人は暑いときに暑いと意思表示ができますが、機械はできません。そのため、温熱環境を可視化したシステムを駆使して、発熱具合を考慮しながら設計する場合もあります。
「どういう設計にしたら通信設備が不備なく動き続けられるか」ということを常に考える必要があるため、設計段階では確認・検討事項が多くて大変なのですが、工事が完了して設備が滞りなく動いていると達成感を覚えます。また、自立して設計ができるようになってきたことで技術力が身に付いているという実感が持てます。

今後の目標

今まで通り「通信を守る」ための安全設計を続けながら、より省エネルギーにも貢献できるような、環境を考えた設備設計ができるようになりたいと思っています。そのためには、まだまだ携わったことがない分野の知識も必要になるため、勉強会や資格勉強、プロジェクトでの現場経験を通して、技術力を身に付けていきたいです。

就職活動にあたって、就活生の皆さんは自分のやりたいこと、大切にしたいことをしっかり見つめ直してみると良いと思います。OB・OGがいれば積極的に質問してみたり、インターンシップを活用して情報収集してみたりして、自分がどのように働いていきたいのかイメージを膨らませてみてください。

上田 幸奈 コスト設計・監理担当 上田 幸奈 コスト設計・監理担当

上田 幸奈

コスト設計・監理担当

首都圏事業本部
NTTエンジニアリング部
建築設計部門 第一設計担当

インタビュー当時の部署

2015年新卒入社
工学部 建築工学科 卒業

UEDA Yukina

全体の流れの中での
コスト設計・監理の役割

「コスト設計・監理」は、「プロジェクトにかかわる予算・スケジュールを決めるコスト設計担当」と「工事が設計図の通りに実施されているか確認をする工事監理担当」に分かれています。
私は、前者の仕事に従事しています。コスト設計担当の主な業務としては、お客様の要望を反映して作成した設計図をもとに、工事の順序を踏まえて仮設・工法について考え、それらを計画に落とし込んでから、予算・スケジュールを検討します。工事監理担当の主な業務は、施工者の作成した施工図や施工計画書の内容について検討し確認することで、設計図の通りに工事が行われているか確認します。
どちらの業務も、適切に設計・工事を実施するために、意匠・構造・電気設備・機械設備など社内の各設計者だけでなく、発注者・施工会社など社外の方々を含めた多数の関係者と話し合う機会が多く、必要に応じて間に立って調整することもあります。

全体の流れの中でのコスト設計・監理の役割

通信を守るプロジェクトについて

  1. 災害時でも通信が途切れないように建物も設備も更新する

    通信用建物とは、各地にあるNTTのビルのことであり、収容されている通信設備によって、電話網・インターネット網につなげる役割を持っています。
    現在、電話やインターネットは「いつでもどこでも使える当たり前のツール」になっています。通信用建物には非常用発電機が設置されており、NTTファシリティーズは地震などの災害時・非常時に電力会社からの電気供給が途絶えた状況でも情報を得ることが出来るよう、通信を途絶えさせないために電源を供給し続ける役割を担っています。そのために、非常用発電機を含めた様々な設備が機能を果たすよう、それら設備を収容する建物も含め、日頃から計画的に整備、更改、維持管理に努めています。
    私たちは、これらの「当たり前」を維持し、災害時・非常時でも「通信を守る」ために通信用建物を整備、構築しています。

  2. 「通信を守る」技術が、
    さまざまな建物の工事計画にも繋がる

    通信用建物の中では常に通信設備が稼働しており、いつでも電話やインターネットが使えるようになっています。通信用建物を整備するための改修工事は、設計内容あるいは仮設・工法により、それら通信設備やその周辺環境を維持しながら工事をします。
    NTTグループ以外では、民間企業の建物解体・新築工事や、官庁案件の改修工事を担当した経験がありますが、通信用建物とは機能が異なる建物の工事でも、「通信を守る」プロジェクトで得た「建物内の機能を維持しながら工事する技術」は活かせます。
    例えば、事務室の模様替工事を行う場合、工事期間中も、執務スペース・執務者動線は通常通り維持する必要があります。工事による影響が最小限となるように考えながら設計・工事計画を検討します。これは通信用建物の改修工事における、通信を維持させたまま工事を行うことに通じるものがあり、NTTファシリティーズが長年積み上げてきた経験を活かし、建物の利用者目線で改修計画について助言することができます。

    「コスト設計・監理」として、同じ敷地内・ビル内で行われるすべての工事工程を調整することが重要ですが、はじめは、通信用建物に関する知見がなく、関係者とうまく調整できないこともありました。しかし、専門書を見て日々勉強し、担当した業務から学び、経験豊富な先輩社員に質問し教えてもらうことの積み重ねで、できなかったことができるようになると、技術が身に付いてきたことを実感します。そして、習得した技術を後輩に伝えることで、NTTファシリティーズの技術を引き継いでいかなければいけないと感じています。

通信を守るプロジェクトについて

仕事のやりがいと苦労したエピソード

検討・設計の段階から改修計画の危険要因を想定し、社内の各部門の設計者と認識をすり合わせることで、コスト設計は設計者の一員として、通信を守る設計内容にする必要があります。よりよい設計のために、異なる分野の設計者と協議し話を進めることに、面白さを感じます。また、事前に各設計者・監理者と危険要因を踏まえて設計・工事計画することは、現場で作業する方々の安全や、通信設備の運用維持に繋がります。そのため、無事に工事の完成を迎えるとやりがいを感じます。

反対に、プロジェクトごとに「たくさんの関係者と認識のすり合わせをする」という点は大変なポイントでもあります。コスト設計・監理担当は、意匠・構造・電気設備・機械設備などそれぞれの設計内容と施工する周囲の環境を意識して、最も適した仮設や工法を選定し、これに基づいて予算、スケジュールを決めます。設計内容に基づく工事工程には前後関係があるため、各担当者との綿密な打ち合わせが必要になります。分野の異なる担当者全員と共通認識を持てるチームになるまで、設計内容をすり合わせることは、根気のいる作業です。しかし、プロジェクトの初期段階でしっかり確認しておくことで、手戻りが減り、プロジェクトの途中で設計変更が発生した場合でも円滑に進められるなど、結果として各担当者の負担を減らすことにも繋がると考えているため、欠かせない大切な作業です。

今後の目標

設計図から数量を拾って予算やスケジュールを機械的に算出するだけではなく、着工から完成まで、図面に表現されない工事の過程をより詳細に想定した上で予算やスケジュールを検討できるようになりたいです。事前に工事過程を検討することは、予算やスケジュールを遵守するだけでなく、現場の安全や品質の確保にも貢献できると思います。
これに向けて、今後も多くの現場に足を運び、現物を自分の目で確認し、お客様・設計者・施工者の方々とコミュニケーションを密に取り続けたいと考えています。

「通信を守る」という事業は、プロジェクトの規模を問わず日本の通信を支えるとても重要な役割を担っており、そこに携われることを誇りに思っています。たくさんの関係者と協力して業務を行うため、立場が異なるメンバーと協働することに楽しみを見出せる人、建築に係わらずものづくりに興味がある人が向いていると思います。そのような方が入社して、一緒に仕事が出来るのを楽しみにしています。