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おもわず話したくなる、行きたくなる「花見のハナシ」

2018年3月21日

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 この時期の楽しみといえば、やはり満開の桜をめでるお花見が思い浮かびます。今からお花見を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなお花見にまつわる話題を紹介します。衣装代だけで数十億円かかった空前絶後のお花見、お花見にダントツで予算をかける県民など、桜の開花が待ち遠しくなるような話題を取りそろえました。

衣装代だけで数十億円!歴史上最もぜいたくな秀吉の花見

 日本のお花見は、奈良時代の貴族の行事が最初だといわれています。

 最初は梅が鑑賞されていましたが、平安時代になってからは桜を見るようになりました。現存する国内最古の和歌集『万葉集』でも桜より梅を詠んだ歌が多かったのに対して、平安時代に編まれた『古今和歌集』ではその数が逆転しています。

 お花見は、平安時代までは貴族を中心に行われていましたが、鎌倉時代になると武士たちの間にも広がりました。さらに、安土桃山時代になると、それまでの桜の下で歌を詠む優雅なお花見に代わって、桜の下で酒宴を開くスタイルのお花見が増えていきます。

 わが国の歴史上で最も盛大だったとされるお花見も、安土桃山時代に行われています。それは、豊臣秀吉が催した「醍醐の花見」です。慶長3年3月15日(1598年4月20日)、醍醐寺三宝院裏の山麓に約1,300人の招待者を集めて行われました。

 秀吉は、このお花見のために植樹した桜の数は700本。また、参加した女性たちには2回の衣装替えが命じられ、一人3着ずつ着物が新調されたことから、衣装代だけで今のお金にして数十億円にも上る多額の費用が掛かったといいます。

 醍醐の花見では、宴の茶菓子として三色の花見団子がふるまわれたようです。当時の団子は、しょうゆで味付けした白団子がほとんどでしたが、秀吉はカラフルで甘い三色団子を提案したといわれます。その三色のうちピンクは桜、白は雪、緑はヨモギを表しているという説があります。これが江戸時代に庶民のお花見に広まり、「花より団子」という言葉が生まれました。

 江戸時代になると、お花見は庶民の一大レジャーになりました。お花見をネタにした落語も「長屋の花見」「花見小僧」をはじめとして、たくさん残っています。三代将軍家光が上野や隅田川に桜を植え、八代将軍吉宗が飛鳥山を桜の名所にするなど、お花見スポットもどんどん増えていきました。

サクラはソメイヨシノだけではない!

 国内の桜は、その8~9割をソメイヨシノが占めるともいわれています。しかし、それだけではありません。

 桜の種類は、約600品種にも及ぶといわれています。その代表的なものには、ソメイヨシノと入れ替わるように咲くヤエザクラや、冬に花開くカワヅザクラなどがあります。

 ほかには、ウコンという名前の桜もあるのはご存知でしょうか。この桜の花びらの色が、二日酔い防止のために飲まれることでおなじみの、ショウガ科のウコンの根を使った染料の色(淡黄色)に近いことから、名づけられたといいます。

 サクラと付いた植物では、シバザクラも有名です。こちらは、花の形が桜のそれと似ているため、名前に「サクラ」と付いているだけで、ハナシノブ科の植物であり、サクラの一種ではありません。

日本一早い花見と遅い花見でみられている桜は違う

 日本で一番早く桜が咲く地域、それは南方にある沖縄です。なんと沖縄の桜は、1~2月に見頃を迎えます。ただし、これは全国的に主流のソメイヨシノではなく、紅色の濃い花が特徴の「カンヒザクラ(別名:ヒカンザクラ)」という品種です。

 一方、日本で一番遅い桜として知られているのが、北海道の根室地方の桜です。桜前線の終着点として知られ、例年の開花時期は5月。この地で咲くのは、花びらが紅色や白色の「チシマザクラ」で、その源流となったのは「クナシリザクラ」だといわれています。

 クナシリザクラは、明治2年、清隆寺(根室市)の檀家が国後島から持ち帰って植えたのが始まりだといわれます。そうしたことから、清隆寺は根室でも特に有名な桜のスポットになっています。根室をはじめ道内のチシマザクラの多くが、清隆寺の木を源流にしているそうです。

ダントツでお花見に予算をかける県民とは!?

 この時期は、お花見が各地で盛んに行われ、人気のお花見スポットには毎年たくさんの人が訪れます。その中でも日本で1、2を争う人出の多さで有名なのが、青森県の弘前公園や東京都の上野恩賜公園です。どちらも200万人もの人々がお花見を楽しみます。

 多くのお花見客が訪れるスポットでは、少しでも良い場所を確保しようと、早い時間から場所取りに精を出す人が見受けられます。ある調査によれば、お花見の場所取りをしている人は約4人に1人で、費やすのは平均3.7時間。その中でも、一番長いのが岐阜県で6.2時間、続いて広島県が5.6時間、鳥取県が5.5時間、青森県が5.1時間と続いています。

 その青森県のお花見予算は3,167円と全国1位。さすがに醍醐の花見には及びませんが、全国平均の2,237円を930円も上回っています。それだけお花見を楽しみにしている人が多いのでしょう。

 お花見にまつわる“日本一”の数々からは、日本人がいかに古くから桜をめで、今も親しんでいるのかが分かります。今回紹介した話題が、お花見中の会話で一花咲かすことができれば幸いです。

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