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知れば知るほど奥深い、お茶の楽しみ方

2021年11月3日

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 お茶は私たちにとって身近な飲み物です。日本茶には煎茶や玉露、番茶、抹茶、焙じ茶などの種類があり、抗菌・殺菌作用を持つカテキンを含むなど健康によい飲み物といわれています。お茶がいま注目される理由、その効能の解説とともに、ニューノーマル時代のお茶の楽しみ方について紹介します。

お茶が日本人の生活に根付いたのは大正時代

 お茶(日本茶)の歴史は古く、日本には奈良・平安時代に遣唐使や留学僧によって伝えられたといわれます。平安初期の『日本後記』には、「嵯峨天皇に大僧都永忠が近江の梵釈寺において茶を煎じて奉った」と記述されていて、これが日本における喫茶に関する最初の記述といわれています。ただし、お茶が日本人の日常生活に根付いたのは大正末期から昭和初期と言われ、意外に新しいのです。

 そんなお茶ですが、昨今の新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要で消費量が増えています。農林水産省の調べによると、新型コロナウイルス感染症の拡大の前後と比較して、14.3%の人が緑茶を飲む頻度が増えたと回答しています。特に若い世代で増えており、その理由として、リモートワークによる在宅時間の増加や、お茶そのものの健康機能性に魅力を感じたからといった声が寄せられています。

 高いリラックス効果を持つお茶は、リモートワークの休憩タイムに最適です。お茶にはテアニンという旨味成分が含まれています。このテアニンによる働きで副交感神経の働きが優位になり、心の落ち着きを取り戻すことができるのです。テアニン摂取から約30分後に、リラックス状態を表すアルファ波が脳内に出現することが確認されており、緊張を和らげることが期待されます。

 一般的に、人の集中力における限界は90分と言われています。リモートワークで、業務効率を上げるためには、時間にメリハリをつけ、上手に休憩を取ることが大切です。一日のスケジュールに、リラックスする時間を意識的に設けて「ゆっくりお茶を飲む時間」を入れてみてはいかがでしょうか。

抗酸化作用をはじめとするさまざまな効能・作用

 お茶にはさまざまな健康効果・効用があります。近年注目されているのは、お茶に多く含まれているカテキン類が持っている抗酸化作用です。体内で発生する活性酸素は、組織を傷つけて生活習慣病や老化を引き起こす原因となります。カテキンには活性酸素ができるのを防止したり、発生した活性酸素をすばやく消したりする働きがあることがわかっています。

 高血圧の予防にもつながります。高血圧症は、心筋梗塞や脳卒中などの命に関わる生活習慣病の原因となる症状です。発症のメカニズムの一つとして、血液中のアンギオテンシノーゲンという物質が、腎臓に含まれる酵素によって強い血管収縮作用を持つ物質に変わることが原因です。カテキンは、この酵素の働きを低下させて、血圧の上昇を抑える作用を持っています。

 抗菌・殺菌作用も効能の一つです。カテキンには、コレラ菌などの病原菌やさまざまな食中毒菌、大腸菌O-157などに殺菌効果のあることが認められています。人の腸の中にはさまざまな細菌がいますが、カテキンは善玉菌にはあまり作用しません。一方、悪玉菌には強い殺菌作用を示すため、お茶を飲むことによって腸内の善玉菌の勢力を増やすことができます。

 さらに、お茶には中枢神経を興奮させ、心臓や腎臓の機能を活発にするカフェインも含まれています。眠気やだるさを取り除いてくれる効果があるので、疲労を回復し作業能力を高めることができます。

 ちなみに、お茶の生産地として知られている静岡県は、同時にお茶の消費量が多い場所でもあります。2013年の健康寿命調査では、静岡県における女性の健康寿命が75.61歳で全国2位、男性が72.13歳で全国3位と高水準となっています。統計だけでははっきりしたことはいえませんが、静岡県が長寿県なのは、お茶を飲む習慣が関係しているのかもしれません。

お茶をおいしく飲むお湯の沸かし方と湯温の調節法

 ここで、お茶のおいしい入れ方を紹介します。ほんのひと工夫するだけで、おいしくお茶が飲めるようになります。

 お茶を入れるのに最適な水は微酸性の「軟水」です。日本の水道水は軟水なので、市販のミネラルウォーターより水道水のほうがお茶には適していると言われています。ただし、水道水はカルキ臭を抜くために必ず一度沸騰させること。沸騰したらすぐに火を止めずに、弱火にしてふたを開けて2~3分沸騰させ続けます。カルキ臭が強い水道水の場合は5分程度沸騰させましょう。

 お湯の温度は、煎茶なら80~90度、玉露なら50~60度を目安にしてください。茶碗に注ぐと、お湯は5~10度、温度が下がります。お湯が茶葉に合った温度になるよう調節して急須に戻し、茶葉を入れます。茶葉の量は、2人分のお茶なら4~5グラム、玉露なら6~7グラムがよいでしょう。

 急須に入れたお湯と茶葉は、いきなり茶碗に注がずに少し蒸らします。煎茶なら20~30秒ほど、玉露は120~150秒ほど待ちます。最後に茶碗にお茶を注ぎます。どの茶碗も均一の濃度になるように注ぎましょう。最後の一滴まで注ぐことで、渋みと甘みが調和したおいしいお茶を味わうことができます。

 最近では、新たなお茶の淹れ方も開発されています。沈殿抽出式という方法で、急須とは異なる抽出方法を実現した茶器の「刻音(ときね)」を使用します。おいしいお茶を抽出するために重要な「茶葉が開く空間の確保」と「抽出中に茶葉を揺らさない」ことを実現した方法で、クリアかつ深い味わいを引き出すと評判です。

 日本の歴史に長く寄り添い、私たち日本人が親しんできたお茶には、健康に役立つ成分が含まれているだけでなく、精神を整え、充実した毎日を送るための秘訣が隠されているのかもしれません。

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