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ビジネスコラム

日本で「コンテナ型データセンター」を導入するメリットとは

2019年4月3日

 前回は、コンテナ型データセンターが持つ魅力について紹介しました。日本で、その普及は世界から少し遅れてはじまったといいます。一体どのような事情があったのでしょうか。世界、そして日本における利用例を見ながらコンテナ型データセンターを導入する意味について考えます。

コンテナ型は都市から屋外へ

 世界でコンテナ型データセンターの商用化が始まったのは、2007(平成19)年ごろといわれています。それから、コンテナ型の利用方法は少しずつかたちを変えながら広がっています。

 最初に製品化されたコンテナ型データセンターは、大都市部に拠点を構える企業向けのものでした。そこには、限られたスペースを有効活用し、データセンターを迅速かつ低コストに構築するといったコンセプトがありました。

 コンテナ型の可搬性を活かしたものも登場します。例えば、大型の建物内に、必要な設備を設置したコンテナをトラックで運び込み、それに電気や通信をつなぐだけで構築や増築が完了するといったデータセンターで、工期を大幅に短縮することができます。

 さらなる効率化のために、着目されたのが“冷却”でした。もともとコンテナ型は建屋型のデータセンターと比べ、設備内の空間がコンパクトになるため、サーバー類が発する熱を効率的に冷却できます。さらに、外気の影響を受けやすいという特徴もあります。

 この特徴を活かすために考え出されたのが、コンテナ型を屋外へ設置するという方法。外気によってサーバーを冷却し、消費電力の大幅な削減を目指すのです。さらに、寒冷地の広大な敷地にコンテナを設置し、冷却の効率を高めようとする企業もいます。

 外気の活用については、ユニークな例もあります。ノルウェーでは、鉱山内の広大なスペースを活用してコンテナを設置。フィヨルドを冷却に活用しているデータセンターも存在しているのです。

建築物からコンテナ型データセンターへ

 当初、日本では独特の事情もあり、コンテナ型データセンターの普及が進みませんでした。その潮目が変わったのが、2011(平成23)年のことです。

 それまで日本では、コンテナ型データセンターが建築基準法で“建築物”にあたると判断されていました。建築物となると、建設に取り掛かる前に事前申請をするなど煩雑な作業が発生し、そこに時間を大きくとられるという課題がありました。

 また、建築物には人が日常的に立ち入るという前提があるため、安全性や環境衛生を確保するために厳しい条件が課せられます。そのため、消防や給排水といった各種設備を構築する必要があり、省スペースや低コストというコンテナ型の魅力が活きてきません。

 しかし、2011年に建築基準法が改正されます。これによって、コンテナ型は「土地に自立して設置する」もので、「稼働時は無人で、機器の重大な障害発生時等を除いて内部に人が立ち入らないもの」といった条件を満たすものについては、建築物に該当しないと認定されるようになりました。※条件は自治体によって異なります。

 この規制緩和を背景に、日本でもコンテナ型データセンターの活用が徐々に進んでいきます。

日本企業がコンテナ型を導入する理由とは

 日本では、サーバーやソフトウェアなどの情報システムを自社設備内に設置し、運用するオンプレミスが多くの企業で採用されています。そこで課題となるのがサーバーなどの“設置スペース”です。

 新規事業でWebサービスを立ち上げる場合、データトラフィックに対応するため、サーバーの数を増やしていかなければいけません。しかし、オフィスビル内のスペースには限りがありますし、増築するのも簡単なことではありません。この課題を解決するために、敷地内のわずかなスペースにコンテナ型データセンターを設置して、データの処理能力を拡張するという事例もあります。

 ケーブルテレビの中継点やイベント会場などに、簡単に設置できるコンテナ型が導入されるケースもあります。ここでは、コンテナ型の短工期という特徴が活きます。コンテナ型は、建屋型のデータセンターのように建物を1からつくる必要がなく、既存のコンテナを使用するため圧倒的に工期が短く、コストも抑えて構築することが可能です。

 このように、世界と日本では少し事情が異なりますが、コンテナ型データセンターの拡張性や短工期、冷却の効率化というメリットを活かし、導入効果を得ている企業もいます。建屋型のデータセンターやサーバールームに課題を抱えている方は、コンテナ型データセンターを視野にしてみるのもいいのではないでしょうか。

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