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ビジネスコラム

いま改めて注目される「バイオマス発電」の魅力とは

2019年7月24日

 脱炭素社会の実現に向け、再生可能エネルギーに対する期待が日増しに高まりつつあります。自然環境に左右されやすい再生可能エネルギーですが、安定して発電が行える電源もあります。それが、バイオマス発電です。その他にも、地域経済に好循環をもたらすといった側面もあるといいます。今回は、成長分野であるバイオマス発電のメリットや動向を紹介します。

資源ごとにみるバイオマス発電

 バイオマス発電とは、動植物などから生まれた生物資源を使った発電方法のことです。生物資源を燃やしたり、ガス化することで熱や電気を生み出せるため、再生可能エネルギーの1つとして位置づけられています。

 技術の進歩により、現在ではさまざまな生物資源がバイオマス発電に利用されています。その代表的といえるのが、木質系バイオマス、家畜系バイオマス、食品系バイオマス、植物系バイオマスです。

 木質系バイオマスは、森林にそのままにされた間伐材、製造工場や建設現場で発生する未利用材や廃材などです。それらを薪やペレットに加工し、燃やして熱源の燃料にしたり、ガスを発生させることで発電を行います。

 家畜系バイオマスには牛や豚、鶏などの家畜排せつ物などがあり、食品系バイオマスは生ゴミや食品廃棄物がそれにあたります。ともに熱によって発酵させ、そこで発生したガスを発電機の燃料などに活用します。

 植物系バイオマスでは、稲わら、サトウキビ、なたねなどの植物からエタノールを精製し、発電や自動車などの燃料に利用されています。その中には藻類もあります。藻類は比較的培養が容易であることから、飛行機や自動車のバイオディーゼル燃料として活用できるのではないかと研究されています。

環境にも地域経済にも優しいエネルギー

 バイオマス発電には様々な利点があります。

 1つ目は、「環境貢献」です。家畜の排せつ物や生ごみ、廃材などを有効活用することで、循環型社会の実現に貢献します。また、化石燃料に変えて、光合成の際に二酸化炭素を吸収する植物を燃料にすることで、温室効果ガス排出の削減にもつながります。

 2つ目は、「安定供給」です。日本は、エネルギー資源の多くを輸入された化石燃料に頼っています。実際に2017年のエネルギー自給率は9.6%しかありません。バイオマス発電用の資源を国内で確保することは、エネルギー源の多様化やリスクの分散という点で大きな意味があります。さらに、自然環境に影響されやすい他の再生可能エネルギーとは違い、バイオマス発電は資源さあれば安定的にエネルギーを供給することが可能です。

 3つ目は、「地域経済の活性化」です。木材や家畜排泄物、稲わらといった地域にあるバイオマス資源を活用することで、地場産業の振興に繋がると考えられています。バイオマス発電が新たな地域産業として根付くことで、雇用の創出についても期待がかかります。

急成長する木質バイオマス

 メリットの多いバイオマス発電ですが、その普及は着々と進んでいるようです。

 2018年に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」では、バイオマス発電を含めた再生可能エネルギーを主力電源化していくことが明示されています。政府は、2030年度の再エネ比率を22~24%と見通しており、その中で、バイオマス発電は3.7~4.6%(2017年度は2.1%)にまで拡大すると予想しています。

 その中でも、2012年から開始した「固定価格買取制度(FIT)」を背景に、近年市場が拡大しているのが木質バイオマスの分野です。バイオマス発電のうち「一般木材等・バイオマス液体燃料」という区分のFIT認定量は、2015年度末時点では295万kWだったのですが、2018年12月には775万kWにまで急増しています。一体何があったのでしょうか。

 その理由を探るべく、次回は木質バイオマス発電について解説します。

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