ビジネスコラム

Afterコロナで重要になるリモートワーク×対面業務の相乗効果

2021年8月25日

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リモートワーク(テレワーク)は、ワークライフバランスやダイバーシティを追求する上で有効な働き方として、さまざまな企業が導入を進めています。その流れを加速させたのが新型コロナウイルス感染症の拡大です。多くの企業がリモートワークを導入しているなかで、課題も顕在化しています。導入企業に対するさまざまな調査結果からは、社内コミュニケーションが不足する傾向が明らかになっています。Afterコロナに向け、リモートワークの現状と課題を整理します。

リモートワークが普及する中で企業の期待に変化

 新型コロナウイルスが流行する中、感染拡大防止のためにリモートワークを導入する企業が急増しています。

※自宅をはじめとする、オフィス以外での勤務形態の総称。ここではテレワークと同義。

 総務省による『通信利用動向調査』の結果を見ると、新型コロナウイルスの流行前後でリモートワークの導入数が大きく変化したのがわかります。流行前にリモートワークを導入している企業の割合は、2017年が13.9%、2018年が19.1%、2019年が20.2%でした。

 新型コロナウイルスの感染が拡大した後に行われた2020年の調査では、導入企業の割合は47.5%にまで増加。今後導入を予定している企業も含めると58.2%となり、半数以上の企業がリモートワークをすでに導入、あるいは検討している状況となりました。

 リモートワークを導入した企業の目的は、「非常時(感染症の流行など)の事業継続」の割合が68.3%と最も多く、「勤務者の移動時間の短縮・混雑回避」が43.1%、「業務の効率性(生産性)の向上」が29.7%と続いています。導入効果については、15.2%が「非常に効果があった」、59.4%が「ある程度効果があった」と回答。7割を超える企業が導入効果を感じているようです(目的、効果とも複数回答可能)。

 調査結果から、企業がリモートワークに感染症対策以外の導入効果を期待しており、実際に効果を感じている状況がわかります。しかし、過去のデータと比較してみると、気になる点が1つあります。導入目的として挙げられている「業務の効率性(生産性)の向上」は、2018年の調査結果を見ると68.3%となっており、2019年(29.7%)の倍以上の割合を占めていたのです。なぜ、生産性向上に対する期待は半減したのでしょうか。

 

その背景には、リモートワーク導入が進む中で、ある課題が顕在化したことに一因があると考えられます。

生産性低下は社内コミュニケーションの不足が一因に

 リモートワークは、業務内容や人によって生産性への影響が異なります。特に個人で行う業務とチームで取り組む業務では、リモートワークの導入効果について意見も異なる傾向にあります。

 『テレワークと会社満足度に関する調査【前編】』では、在宅勤務について、24.0%が「業務の生産性が向上した」と回答する一方、24.9%が「生産性が低下した」と回答。リモートワークの効果について、賛否が分かれる結果になっています。

※NTTコム リサーチ結果 (報道発表資料 2020年11月10日)より

 「自分自身の業務における生産性が向上したか」という質問に対しては、在宅勤務をしている人の24.0%が「業務の生産性が向上した」と回答。それに対して在宅勤務をしていない人は8.9%となっており、個人で行う業務についてはリモートワークで生産性が向上したと実感している人の方が多い状況です。

 チームで取り組む業務については、状況が異なるようです。在宅勤務で「チームの生産性が向上した」という回答は15.8%に留まるのに対し、「チームの生産性が低下した」は29.2%となっており、複数人が関わる業務についてはリモートワークにやりづらさを感じている人の方が多くなっています。

 生産性が低下した理由について考えられるのは、コミュニケーションの問題です。生産性が低下した理由は、「話せばすぐ終わることを文章にすると時間がかかる」(51.1%)「すぐに聞きたいことも返事を待つ時間のロスが発生」(43.1%)などが挙げられており、オンラインのやりとりだけでは円滑にコミュニケーションが取れない状況があるということがうかがえます。

リモートワークと対面業務の相乗効果が重要になる

 リモートワークは個人の生産性を高めてくれますが、さらなる生産性向上を目指すには、対面コミュニケーションのメリットも生かしたいところです。コミュニケーションは、ビジネスを円滑に進めるためには欠かせないものです。たとえば、社員同士が細やかに業務をフォローし合えないと、モチベーションが低下する恐れがありますし、何げない情報交換ができない環境では、イノベーションが生まれづらくなる可能性があります。経営陣や管理職と社員の意思疎通がおろそかになることで、会社への帰属意識が低下することも考えられます。

 こうしたことを考慮すると、リモートワークと対面での業務をうまく組み合わせることが、生産性を向上させ、イノベーションを生み出す鍵になると考えられます。今後、企業には「誰が」「どこで」「どのように」働くのか、リモートワークと対面業務を含む最適な「ワークプレイス」を構築することが求められるようになるでしょう。

Afterコロナを見据えたワークプレイスを検討する際には、リモートワークの効果を最大限に引き出しながら、その特徴をしっかりと認識した上で、感染対策、生産性向上、従業員同士のコミュニケーション対策を講じる必要があります。次回は、企業にとって最適なワークプレイスを構築することが、重要な経営課題のひとつになりつつある現状について考察します。

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